「容疑者は両脇を2人の警官に抱えられて、千鳥足で歩きながら泣き叫んでいた。その後、自宅前の路上でも大の字になって寝転んで、わんわん泣いていましたね。あの姿を見たら故意ではなく、事故で死なせたんやろうなと思った……」
余程ショックだったのだろうか、容疑者宅の近隣住民が容疑者の逮捕時の様子についてこう話した。
京都府警宇治署は7月30日、同府宇治市の建設業・柏本光樹容疑者(29)を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕した。同日未明、交際相手女性の長男(3)を自宅の浴室で、浴槽内に放置したまま立ち去り、溺死させたというもの。
「異様なことに容疑者は30日の午前3時ごろ、男児と入浴をしていた。眠そうにしていた男児から“おもちゃがほしい”とせがまれたため、容疑者はいったん浴室を出ておもちゃを探しにいった。20分ほどして浴室に戻ったところ、男児がうつ伏せの状態で溺れていた」(全国紙社会部記者、以下同)
浴槽には、立ち上がった男児の首のあたりまで湯が張られていたようだ。
「驚いた容疑者は別室で寝ていた交際相手を起こして、女性が3時33分に119番通報。男児は病院へ搬送されたものの、死亡が確認された。司法解剖の結果は窒息による溺死で、死亡推定時間は通報前ごろだった」
柏本容疑者は警察の取り調べに対して、
「放置して死なせたことに間違いはありません」
と容疑を率直に認めているという。
男児には複数のあざのようなものがあって…
実は死亡した男児の遺体には、複数のあざのようなものが残っていて、
「日常的な虐待があった可能性もあることから、警察は引き続き慎重に捜査を続けているようです」(前出・社会部記者)
捜査関係者によると、
「あざというより、皮膚の変色です。警察への安全相談(通報)もなかったので、容疑者の虐待によるものと決まったわけではない。みずから転ぶなどしてできた可能性もあるので、鋭意捜査中です」
別の近隣住民は、通報直後のことを詳細に覚えていた。
「容疑者の自宅に救急車とパトカーが駆けつけた。男児を乗せた救急車が病院に向かうと、容疑者の車がそれを追いかけていった」
病院から自宅に戻ってきた容疑者はその後、冒頭のような泣きじゃくる姿を目撃されたのだった。
「千鳥足だったのは、容疑者が自暴自棄になって大量に酒でもあおったんやろうか……」(冒頭の近隣住民)
容疑者が宇治市にある築50年の一戸建て賃貸住宅に単身で引っ越してきたのは、1年ほど前。
「自宅兼会社の自営業で、電気設備を行う仕事を請け負っていた。従業員も2人ほどいて、主にエアコンの取り付けなどをしていた。看板は掲げず電話帳やネットに掲載するだけで、電気店の下請けでもないのに、よくやっていたと思う」(近所の電気店)
早朝から夜遅くまで、真面目に働く様子も目撃されていた容疑者。
容疑者の人柄について、「きちんと挨拶する人」と話すのは近所の主婦。
「決してヤンチャとか、ヤンキーやないよ。でも、無口なのか、近所づきあいもほとんどしてないわ。一戸建てやから町内会への入会を薦めたんやけど、入らへんかった。まあ、ここらは年寄りばかりで、年齢が離れとるからやろうけど」
男児の泣き叫ぶ声は一度も聞いたことない
容疑者宅前の路上には、交際相手の軽自動車が頻繁に停まっていたという。
「近所では、夫婦で一緒に住んどると思うてた人もいるぐらい通っていた。ときどきは男児も来とって、夜になると、はしゃぐ笑い声が聞こえとった。泣き叫ぶ声なんて、一度も聞いたことはないわ」(同・主婦)
事件から3日経った8月2日、規制線が張られた容疑者の自宅から、容疑者の交際相手の女性とその母親、弁護人らしき男性の3人が出てくる姿が見られた。『週刊女性PRIME』が取材を申し込むも、
「申し訳ありませんが……」
と言い残して立ち去ってしまった。
交際相手の女性が胸に抱きかかえていたのは、生後間もない乳児だった。おそらくは、容疑者との間に誕生した新しい命。容疑者は複雑な思いに苛まれていることだろう……。