「驚きですよ。大麻をみだりに保管していたら、所持で逮捕されますから」
そう呆れ気味に話すのは、元大阪府警刑事で犯罪ジャーナリストの中島正純氏だ。
日大アメフト部の現役部員が大麻などの違法薬物を所持していた疑いで逮捕された件で、8日、同大は会見を開いた。参加したのは林真理子理事長、酒井健夫学長、澤田康広副理事長の3人。
「理事長である林がアメフト部の学生寮に家宅捜索が入るまでその事実を知らなかったことから、“お飾り理事長”と囁かれている。アメフト部の悪質タックル問題や元理事長の脱税などの問題から人事を刷新した日大でしたが、中身は何も変わっていないと言わざるを得ない」(スポーツ紙記者)
“空白の12日間”が物議に
そんな中、同会見で終始、逆ギレした様子で臨んだ澤田副学長による説明から新たな問題点が露見した。それは“空白の12日間”。
7月6日、日本大学側の調査でアメフト部の寮から植物片を発見。その後、“12日間の空白”を置いてから18日に日大側から警視庁に発見の報告をしたというのだ。これは澤田副学長の指示のもとに行われたというのだが……。
「元検事である副学長がこの判断をすることは本当にあり得ないですね」(前出の中島氏、以下同)
同大の大麻問題は1年ほど前から始まっていた。昨年10月、保護者からアメフト部員に「大麻使用の疑いがあると」報告を受けた大学側が学生にヒアリングするも確認できず。だが、翌月下旬に学生から「大麻と思われるものを7月ごろ吸った」を申告。大学側が警察関係者に相談したところ「立証は困難」として、当該学生に口頭での注意にとどまっていた。
副学長が不法所持で逮捕された可能性も
「副学長は昨年から大学内で起きていた大麻問題の流れを知っていますし、元検事なのであれば全くの素人ではない。加えて、パケ(小さなビニール袋)に茶葉のようなものが出てきたら、形や色、臭いで大麻である可能性が高いということはわかっていたはず。それをみだりに保管していたということは、副学長自身が不法所持により逮捕されてもおかしくない非常に危険な行動。その時、もし警察が捜索に入って副学長の机の中からこれらのパケが発見されていたら、副学長が逮捕されていた可能性があるということです」
空白の期間ができたことについて、副学長は警察から「自首させてほしい」と言われたと説明しているが、警察が“自首”という言葉を使うことはあり得ない。
「これは自首ではない。大学側が植物片を発見した時点で、自首でなく出頭になります。元検事がこんな基本的な言葉の間違いをすると思えないですね」
大学を守ろうとした結果、これらの行動に出たのか。
「それはなんとも言えませんが……。いずれにしても副学長の行動は国民が納得しない」
一般論だが、尿から覚醒剤の反応が出なくなるのは3日間から14日間程度。パケ発見から12日間も警察に届け出なかったのは証拠隠滅を疑われても仕方がない。日大の闇は深い。