人気バンド・UVERworldが、9月25日の北海道公演を皮切りに、全国15都市を回るライブツアーをスタートさせる。しかし、12月20日・21日と2日間行われる横浜アリーナ公演のうち、12月20日公演が、ファンの間で物議を醸した。
「チケットの申し込みにあたって公開された座席の構成が“男尊女卑”だという声が多くあがったのです」(音楽ライター、以下同)
いったい、どんな構成だったのか。
「一般的な他会場のアリーナ席にあたる“スタンディングのセンター席”と、一般的な他会場の1階スタンド席にあたる“アリーナ席”の前方列が『男性限定エリア』とされて、アリーナ席の後方列と一般的な他会場2階にあたる“スタンド席”が『女性限定エリア』とされていたのです」
批判を受けたタイミングで《俺に指図をするな》
これに対し、
《ただの男女差別に見えるんだけど意図があるの?》
《男が前方で、女後方席しか取れないの人権無さすぎる》
《女性軽視しすぎじゃないかな…》
と、ネット上で炎上状態に。
「このタイミングで、ボーカルのTAKUYA∞さんがインスタグラムのストーリーズに《好きなようにやれ そして俺に指図をするな》と投稿したことで、火に油を注ぐ状態に。自身の楽曲の歌詞を引用したもので、座席構成の炎上に対するものかはわかりませんが……」(前出・音楽ライター、以下同)
その後、8月11日の夕方6時から始まっていたファンクラブ先行のチケット申し込みが、3時間半後の夜9時半に、該当公演のみ、受付がストップされた。
「公式サイトで、座席構成について《告知後に大変多くの意見を頂きました》と大きな反響があったことを明かし、座席の構成を変更して、男女を分けることなく公演を行うことが発表されました。ただ、事の顛末をX(旧ツイッター)のインフルエンサー・滝沢ガレソさんが投稿したことで、ファン以外にも拡散される事態となりました」
女性は「ライブの快感よりもライブに耐えることが多い」
そもそも、どうして男性が前方、女性が後方という座席構成にしたのか。所属事務所に話を聞いた。
「7月29日・30日に日産スタジアムにて行われた、約15万人を動員したライブを経て、そのライブの感動や心の高揚をさらに卓越したライブを考える中で、毎年恒例となっている12月20日・21日の横浜アリーナ公演では、センター席をスタンディングにして行うこととなりました。
これまでライブハウスからアリーナ規模でも、スタンディングライブを行なって参りましたが、非常に過酷な状況になることも多く、もちろん全員ではありませんが、女性の方にとっては、ライブの快感よりもライブに耐えることが多いこともありました。
そういった経緯を省みて、1日はセンター席を男性限定とし、女性の皆様には安心してご覧いただけるお席をご用意させていただきました」(UVERworld担当者、以下同)
スタンディングでは多くの人が押し合う環境になることもあるため、ケガや酸欠などから“女性を守る意図”があったという。
また、7月30日に日産スタジアムで行われた男性限定ライブも影響しているそう。
「前代未聞、バンド史上最大規模の男祭りは、UVERworldとしても、これまで経験したことのない、形容しがたいライブとなり、その素晴らしい景色、体験をより多くの方に観ていただきたい、という気持ちも生まれました。
UVERworldの男祭りでは、歴代、ラッキーガールという女性無料招待も行っておりますが、この、他では決して経験し得ない光景をしっかりと観ていただこう、経験していただこうと、ラッキーガールという括りではなく、女性限定のお席も作ることに至りました。
お席の場所に関わらず、どこにいてもしっかりと音と情熱が伝わるライブをこれまでもUVERworldはお届けして参りましたので、前方・後方に拘らず、ご満足いただけるライブをお届けする覚悟で最終的に構成を決めました」
それだけの覚悟があったうえでも、どうして、たった3時間半で座席構成の変更に至ったのかも聞いてみると、
「SNSなどを通じて、非常に様々な賛否両論のご意見を拝読しました。
たくさんのご意見をいただく中で、何よりも楽しみしていただいているツアーに対して様々なお言葉をちょうだいし、ご来場いただく皆様が望む最高のライブを全ての公演で行いたいと、今回のご意見を真摯に受け止めさせていただきました。
決して悲しい思いを与える為の構成案だったわけではございませんので、多くの方に楽しんでいただき、喜んでいただけるのであれば、変更も厭いませんでした」
との回答だった。
しかし、座席構成の変更後も、ファンの間ではさまざまな意見が飛び交っている。ファンに残ったわだかまりは、熱いライブパフォーマンスで解けるのか──。