今年5月に発売され瞬く間に完売した大ヒットカップ麺、HIKAKIN監修「みそきん 濃厚味噌ラーメン」(税込み300円)が8月10日、再販された。待望の再販ということもあり発売時間前にレジに殺到する人々の姿や、販売店舗となった各地のセブン-イレブンでの行列がSNSで拡散され、話題に。
問題となったのは発売日のうちにフリマサイトで大量のみそきんが出品されたことで、多くは1個1000円以上の高値がつけられていた。
転売ヤーは「違法ではない」現実
《転売ヤー多すぎてメルカリそろそろ取り締まってほしい。子どもも私も泣いてる》《子どもが食べたがるけど、メルカリとかで買ったら負け?》
全国各地で“転売ヤー憎し”の声がうず巻いた。親たちの悲しみと怒りの元凶を、法では取り締まれないのか。
「転売ヤーは違法ではありません。転売すること自体を取り締まる法律はないんです」
とは、アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士。
「8月初め、高知県警は老舗料理店のポン酢を約2倍の価格で転売した3人を逮捕しました。ただし、これは著作権法違反の容疑。出品サイト内で公式サイトの画像を無断転載した罪によるものです。“転売が違法ではない”という現状では、摘発に至るケースはほぼない。今回はかなり異例の動きであったと思います」(高橋弁護士、以下同)
出品者も購入者も“永久退会”
この3人は自社セミナーで転売方法をレクチャーし、その指南料として1億円以上の売り上げがあったとされる。ある意味、転売ヤーへの見せしめ的な逮捕だったのだろう。
「私が好きなガンプラも転売ヤーの標的になりました。守る法律がないので本当に欲しい人が正規価格で買えなかった。一方、ある販売店では知恵を絞り、レジで“このモビルスーツの名前は?”などの質問を出し、お客が答えられないと売らないやり方で、店が転売ヤーから商品を守りました。現在、法で転売が禁止されているのはスポーツやコンサートなどのチケットのみなんです」
コンサートチケットといえば8月15日、福山雅治公式サイトが武道館公演においてチケットの転売と購入が複数件あったことを報告した。かねて転売行為への“厳しい対処”を告知していた福山ファンクラブは購入者のチケットを無効とし、出品者、購入者の両者ともに永久退会にするという厳格な処分を下した。
「'19年にできたチケット不正転売禁止法では、券面価格を超えた価格で転売した側に1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。購入者は法的にはセーフですが、ファンとしてのモラルが問われた処分だったのでしょう」
チケットをどうしても手放さなくてはならない場合には、『チケトレ』など正規のリセールサービスを活用しよう。定価で取引ができる音楽業界公式のサービスなので、購入者側にも安心だ。
《そもそも買う人がいるから成立するのが転売ヤーという底辺職業。ましゃの断固とした姿勢と対応は素晴らしい》
ネットの声のとおり、モラルなき転売ヤーをこれ以上増長させてはならない。フリマサイトのみそきんには、親たちも断固として“非課金”の姿勢を貫き通すべきだろう。