8月26日にアマチュア総合格闘技大会『BreakingDown(ブレイキングダウン)』の第9回大会が開催される。
『ブレイキングダウン』は2021年に始まった大会で、元プロ総合格闘家の朝倉未来(31)が代表取締役社長、同じく格闘家の弟・朝倉海(29)と白川陸斗(32)がスペシャルアドバイザーを務める。過去にはアウトローのほかにもプロの格闘家やタレント、YouTuberなどさまざまな有名人が出場。“1ラウンド1分"で対戦しており、今回は元プロレスラーのボブ・サップ(49)が出演することが決定した。相手はラグビー系YouTuberのノッコン寺田。日本では久しぶりに姿を見せたボブ・サップに歓喜の声が上がるなか、あるネットの投稿が波紋を呼んで──。
ボブ・サップはアメリカ合衆国コロラド州出身の元プロレスラー。身長約2m、体重150キロ前後という巨体とパワーで『K-1』など数々の大会で成績を残してきた。本業だけでなく、2018年ごろまで日本のバラエティ番組やCMにも数多く出演し、お茶の間の人気者に。
しかし、その後、日本のメディア露出は激減。今年6月には、格闘家を引退ののち、タイに移住し悠々自適に過ごしていることを文化放送のPodcast配信サイト「PodcastQR」の番組『Cat with Beard from JAPAN』で公表している。
朝倉未来のYouTubeチャンネルでは、8月2日から順次『ブレイキングダウン9』のオーディション風景を公開。格闘技界では“レジェンド"と評されるボブ・サップの出演が決まると、
「ついにレジェンドが来た!」「伝説の選手であるボブ・サップ、ジェロム・レ・バンナの参戦はアツすぎる!!」
とSNSは大盛り上がり。しかし、そんな空気をかき消すかのような情報がネットで拡散されている。
「ブレイキングダウンに出演が決まると、X(旧ツイッター)で有名な暴露系インフルエンサーが過去に起こしていたとされるDV裁判トラブルについて投稿したんです。
『DVで内縁の妻に脊椎変形の後遺症を負わせ、8歳児にすらDVを働き、妻への賠償金を踏み倒して海外逃亡中』
『ホテルの部屋が血まみれになりホテル側の要求した清掃費用も踏み倒した』
『ブレイキングダウンに出場し高額ギャラをゲットするそうです』
そして、暴行を受けた元内縁妻の痛々しい顔と全身写真、そして独自で入手したとみられる“診断書“や“病院の紹介状"、損害賠償請求額3919万7853円の判決に関わる書類の画像が次々と投稿され、波紋が広がっています」(ウェブメディア記者)
ネットは驚きに包まれているが、実はこの件はすでに数年前にDVトラブルとして過去に報じられている。
「僕はDVに関わったことはない」
2017年12月、ボブ・サップが内縁の妻である日本人女性に対して6年間にわたるDVをしていたことを『週刊文春』が報じた。記事内で、内縁の妻は暴力を受けた証拠写真とともに、「3日間、ホテルで全身を暴行し続けられた」「瞬間接着剤を頭皮の傷に塗り込まれた」「頭髪をバリカンで刈られた」など壮絶なDVの状況を告発。また、DVの影響で脊椎の変形、PTSDなどの後遺症も出ていると訴えていた。しかし……。
「当時、『文春』はサップ氏にメールで取材を依頼したのですが、締め切りまでに回答はなかったとしています。報道からわずか一週間後の12月28日、サップ氏はAbemaTVで放映された生放送番組『【事前SP】ネット激震!?朝青龍を押し出したら1000万円 危険すぎる挑戦者8人大集合SP』に堂々参戦したのです。
元横綱の朝青龍とゲストが相撲対決をする特番で、ボブ・サップはVIPチャレンジャーとして参戦。12月28日では、DVを“完全否定"する一幕も。『僕はDVに関わったことはないし、そもそもそれが大きな問題だということも認識している。僕は相手の方も非常に好きでしたし、彼女も、子どもたちも大好き。そこは問題ないです』とも発言していました」(スポーツ紙記者)
さらに記事をめぐって、ボブ・サップは『週刊文春』を提訴。2019年6月に東京地裁でおこなわれた裁判の前に、ボブ・サップは『フライデー』の取材に応じ、改めて自身の無実を訴えた。
《俺の怒りはもはや頂点に達している。フェイクニュースに翻弄されて、莫大な損害を被(こうむ)ったんだ。今日は俺に向けられた疑惑を明らかにするため、地裁という名のリングに来た》
《日本のファンに伝えたいことは一つ。俺は誓ってDVなんてしていない! 元恋人とはアメリカでも裁判になっているが、警察にもDVはなかったと認定されているんだ》
これを受け、サップが出演することを許可した『ブレイキングダウン』に対する不信感を募らせる意見もちらほら。
「サップ……知りたくなかったよ。大会に出演する前に、やった事の償いはしっかりしてほしい」
「一昔前は格闘技で一世を風靡した人がこんなザマとは……ブレイキングダウン、なんでもありですね」
「ブレイキングダウンって、強盗致傷や詐欺の逮捕者出してるから信用できない」
エージェントに直撃すると……
格闘技イベント関係者によると、サップのマネジメントサイドは今回の『ブレイキングダウン』出場について「問題ない」としているようだ。
「彼のエージェントは2019年におこなわれた『文春』との裁判では勝訴しているので、ブレイキングダウンの出演については問題ないと考えているそうです。ネットで騒がれていることは知っているが、降板は現時点では“ない”と」
インフルエンサーが拡散したことで新たに浮上した“元内縁の妻とサップ”との裁判の経緯、そしてDVは真実だったのか──。投稿が真であれば、サップだけでなくイベント自体にも多大な影響が出かねない。今月21日、彼が業務提携をしている株式会社ニュースタッフプロダクションを通じて、エージェントにも確認を求めたが、
「イベント準備で多忙を極めているので、後ほど連絡する」
とのこと。その後、期日までに回答が返ってくることはなかったが、試合出場の準備は進んでいるようだ。
説明もないままでは、観戦どころではない視聴者も出てきそうだが……。