『Gメン』で映画初主演の岸優太(27)撮影/矢島泰輔

 モテたい一心で“彼女できる率120%”のモテモテ男子校に転校したはずが、問題児しかいない最底辺クラス・G組に入ることになった主人公の門松勝太。そんな彼がクラスメートたちと固い絆で結ばれ、恋に友情に、アツい青春を送る映画『Gメン』。勝太を演じるのは、原作コミックから抜け出したようなハマりぶりを見せる岸優太。彼の中でも共通点は多かったよう。

岸優太が語る役柄への想い

「常に何事にも120%全力なところや、仲間思いという面は勝太と通じます。自分という人間は絶対に仲間なしじゃ生きていけないですから。身近な方々ありき、という気持ちは大切にしてきました」

 少し違ったのは、女性への態度。

「勝太みたいに女の子に対して空振りすることは、今はそんなにない気がしますね。というのも、昔は、まわりの女の子がみんな僕のこと好きなのかなって勘違いばかりしてきたんです。そんなことあるわけないという現実を知ったからこそ、空振りするような行動をしないようになりました(笑)。

 どうして空振りに気づいたかというと、バレンタインですよ。もらえるんだろうな~って予想していたら0個っていう。学生時代のバレンタインに何十個もチョコをもらったみたいな武勇伝がないんです。きっと、当時、僕にチョコをくれなかった子たち、今ごろ後悔してますよ。ドンマイ!(笑)」

 とはいえ、「僕もモテたい欲はもちろんありますよ!」と力強く主張する。今はモテモテなのでは?

「いや、モテているのはわかっているんです(笑)。ファンのみなさんが好きでいてくれるのは、ちゃんと伝わっていますから。でも、例えば僕がハンカチを落としたときに、誰かが拾ってハッとなるとか、本屋で同じ本に手を伸ばしてハッとするとか、ベタですけどドラマチックな展開のモテストーリーを経験できたらうれしいですね」

楽しみより怖いアドリブ地獄!

 G組の仲間を演じるのは竜星涼、矢本悠馬、森本慎太郎、りんたろー。と個性豊かな面々。

「現場では、みなさん台本にないアドリブを連発して競い合っていましたね。やればやるほどどんどん面白くなって、一生アドリブ合戦が止まらないんです。しかも、毎回変えてくるので、次、何が来るんだろう!?って楽しみでもあった……というより怖かったです。アドリブ地獄というか(笑)。僕が笑ってカットがかかってしまったこともありましたけど、笑ってNGになったのは、僕だけじゃないはずです」

 作品の枠を超え仲良くなった5人の劇中のアツい友情は必見。ちなみに岸の最近の友情エピソードを聞いてみた。

友達とご飯に行って、その後、一緒にサウナに行って。僕がぜんぶおごりました! 次はおごってねっていう駆け引きなんですけどね(笑)。その友達とは長い付き合いで、何がきっかけで仲良くなったのか忘れちゃいましたけど、最初の出会いから打ち解けるのが早くて。

 いいヤツなので、付き合いが続いているのかなと思います。いい人っていっぱいいますけど、その友達とは年月を積み重ねていく過程で構築された信頼関係がありますね」

カッコよく見えるのはみなさんのおかげ

 岸の身体能力の高さがわかるアクションも大きな見どころだが、「僕の力じゃなくて、スタッフさんが動きを教えてくれたり、カッコよく撮ってくださったおかげです」とあくまで謙虚。

「特にクライマックスのアクションシーンは動きも多いし、いちばん大変でした。タイミングや角度、距離感など、入念にテストしないと相手をケガさせてしまう可能性がある。この現場で初めてアクションシーンの大変さ、怖さを知りました。完成作を見たとき、自分がこんなにカッコよくなれるんだと不思議な感覚でしたけど、みなさんの力によって仕上がったもの。本当の岸はそこまでできないですよ」

 本作を経て、感じたことを聞くと、真っすぐな瞳で真っすぐな答えが返ってきた。

「映画はいろいろな分野のプロフェッショナルの方が集まって作られますが、仕事人としてのプロの姿勢を見せてくださったみなさんが本当にカッコよくて、リスペクトでした。自分自身、ものすごく刺激を受けましたね。同時に、演技への情熱のエンジンもかかりました。アツい現場を経験できたことで、人間的に大きな勉強をさせていただきました」

夏休み明けに新しい一歩を踏み出す人へメッセージを

 これから新しいスタートを迎えるというときは、緊張感があったり、責任が伴うことがあるかもしれないですが、まずはちゃんと食べてちゃんと寝てください。新しいスタートを切るための準備の基本は、このふたつです ここがしっかりできていれば、きっといろいろ大丈夫。整うと思います!頑張れ!!

勝太のように積極的に女性に声をかけられるタイプ?

 いや~、ないですね。積極的には行けないです。もし、何かきっかけがあったら、グイグイ行けるかもしれないですけど。でも、僕ももうアラサーにもなって、このままずっと受け身姿勢じゃダメだぞって思っているので、いまなら積極的になれるかもしれないです、うん。

高校時代に戻ることができたらやりたいことは?

 勉強!とにかくしっかり勉強して、もっとできる高校生になりたいです。僕、高校時代、まったくって言っていいほど勉強をしてこなかったので。どの教科ということではなくて、全部の教科をもっとしっかり勉強して、頑張ったら、もう少し頭の回転が速い人になれたのかなと思います。

取材・文/熊谷真由子 ヘアメイク/KAZUOMI(LOTUS) スタイリスト/小林洋治郎(Yolken)