これまで消費税の納税義務を免除されていた、課税売上高1000万円以下の小規模事業者から消費税を徴収する「インボイス制度」が10月からスタートする。
実質の増税策とも見られる同制度だが、他にも「防衛増税」や「サラリーマン増税」など、すっかり「増税」イメージがついた岸田文雄首相に対し、SNSで名付けられたのは【増税メガネ】なる不名誉なあだ名。
このあだ名に同調するユーザーが多かったのだろう。一時は『X(旧Twitter)』でトレンド入りするほどの盛り上がりを見せていたのだが、この風潮に、
《『「増税メガネ」がトレンドワードに』とのことだが、その用語はご勘弁願いたい。世の中には、メガネをかけている人は数多くいて、私もその1人だが、増税には反対だ。メガネに罪はないし、メガネ=増税でもない。それに増税されたら新しいメガネも買えなくなってしまう・・・》
自身のXに投稿したのは、これまでも岸田首相、自民党政権の政策に苦言を呈してきた兵庫県の元明石市長・泉房穂氏。自身もメガネをかけている身とあって、増税には反対を示しつつも「メガネに罪はない」と、皮肉たっぷりにつぶやいてみせた。
このポスト(ツイート)には約2300件のリポスト(リツイート)、1万5000件の「いいね」がついている(8月31日時点)。
芸能人の「作品に罪はない」論争
「しばしば起こる“罪はない”論争に被せたのでしょう」とは、キー局情報番組の制作ディレクター。
「芸能人が薬物などで逮捕された際に、出演作品の公開の是非を問われる“作品に罪はない”論争。たとえ“本人に罪はあっても作品には罪はない”との論旨で、この場合は“メガネが増税をしているわけではない”という、メガネ自体に、そして愛用者に罪があるわけではないということ。
まあ、岸田首相にピッタリに思えるあだ名といえども、本人に“罪がある”とは言い切れませんが(苦笑)」
とはいえ、このパワーワードは着々と広まっているようでーー、
《岸田のせいでメガネ民の肩身が狭い》
《自分もメガネなので、メガネキャラの風評被害を広げるのは本当にいい加減にしてほしい。許さんぞ。》
《メガネかけてるみんなに風評被害、いい迷惑です! せめて「増税ソーリー」「ばら撒きソーリー」に変えてもらえませんか?》
メガネ愛用者から“風評被害”を訴える声が相次いでいる。
「ばら撒きメガネ」のあだ名も
「ウクライナには約1兆円、8月に大規模な山火事が起きたハワイ・マウイ島には約2億9000万円とスピード感を持って支援を決定した岸田首相。もちろん海外支援は評価されるべきことですが、一方で負担を強いられ続ける日本国民には“検討”ばかり。
“増税メガネ”に加えて、“ばら撒きメガネ”も頂戴しているわけですが、しっかり声に耳を傾けて仕事をしてほしいという国民の気持ちの表れでしょう」(前出・ディレクター)
8月30日、ウクライナ侵攻の影響によるエネルギー価格の高騰などで消費が落ち込み、景気が低迷している国内情勢に、経済対策として5兆円規模の減税を実施していくことを決定したドイツのオラフ・ショルツ首相。
支持率低下の世論をも聞こえない素振りをみせる岸田首相だが、“増税”や“ばら撒き”ではなく「減税メガネ」を名付けられる日は来るのだろうか。