朝食に豆腐のおみそ汁、おやつにきなこ餅、暑くてバテがちな夕食の一品にひんやり冷ややっこ、ビールのお供には枝豆も。
朝食、おやつ、酒のつまみ自然由来の完全栄養食
蒸したり絞ったり発酵させたり、自在に形を変えつつ、日々私たちの食卓に寄り添ってくれる大豆だが、
「“畑の肉”と呼ばれるほど良質のタンパク質が多く、タンパク質の栄養価を表す指標“アミノ酸スコア”が肉類と同じく“100”と、とっても優秀な食材なんですよ!」
と教えてくれたのは、九州産大豆・ふくゆたか100%で作った大豆麺「九州まーめん」を製造する株式会社うれるや.さわやか広報担当者。ちなみに100gあたりのタンパク質量は肉・魚は約20gに対し、大豆(乾燥)は約34g!
「私たちが健やかに生活するために必要な五大栄養素は筋肉や血液をつくるタンパク質、エネルギーのもととなる炭水化物と脂質、カラダの働きを正常に保つビタミンとミネラル。大豆はこの五大栄養素がすべてそろっているんです」
1種類でこれほど多くの栄養素がとれる食品は珍しく、まさに自然の完全栄養食。将来の宇宙食としても研究されているんだとか。
ほかにもいろいろなカラダが喜ぶ健康効果
ある管理栄養士によれば、
「大豆にはお腹の調子を整える食物繊維やオリゴ糖、ミネラル類やレシチンのほかに、サポニン、大豆イソフラボンなどの機能性が期待できる微量成分も含まれます」
ちなみに、サポニンに期待できる効果は、抗酸化作用や免疫力アップ、肥満防止などの報告がある。
おなじみの大豆イソフラボンは女性ホルモンとよく似た働きを持つ成分。
女性ホルモンの減少によって引き起こされる更年期障害の症状を改善したり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防、アンチエイジング、ストレス緩和などが期待される。
「イソフラボンは腸内細菌によって吸収されやすい形になるため、効果は個人差があるとされます」
栄養価が高く、いろいろなメリットが期待される大豆のチカラ。これからも大注目の食品です!
“進化系”大豆も続々!カラダにいいのがミソ!
カラダにいいことがよくわかった「大豆」だが、さらにスゴさに磨きがかかって進化中!
まずは、作付面積・収穫量ともに全国トップクラスの佐賀県から、新品種の大豆「佐大HO1号」が登場!
「“佐大HO1号”とは、佐賀大学で約40年かけて開発された、遺伝子組み換えでない世界初(※)の高オレイン酸大豆。最大の特徴は、含有する脂肪酸のうち、なんと80%がオレイン酸。一般的な大豆の約4倍の含有量を誇るスゴさなんですよ」
と教えてくれたのは、武雄温泉物産館の大渡利勝さん。(※含有する脂肪酸のうち、80%がオレイン酸である遺伝子組み換えでない大豆として世界初。なお、効能はオレイン酸の特徴で、本大豆を使用した加工品の効能を保証するものではありません)
オレイン酸には「血中の悪玉コレステロールを減らす」「善玉コレステロールは減らさず、適正に保つ」「ほかの脂肪酸に比べて酸化されにくい面もある」など、カラダにうれしすぎるメリットがいっぱい!
「佐大HO1号を使う豆腐やみそ、甘納豆、アイスなど各種商品を開発し、魅力を発信し続けます」
糖質カットのスグレ麺、アレンジ豊かで楽しく!
次に、前出の「九州まーめん」。
九州産大豆「ふくゆたか」100%で作られた万能麺で、豊富なタンパク質と大豆の栄養がたっぷり詰まっているのに、糖質量は1玉(1食分)あたり、なんと5.1g!(※無添加タイプの場合)
「ゆでたスパゲティ(100g)と比較すると、糖質を約82%もカットできるんですよ」と、広報担当者。さらに1玉あたりのタンパク質は14.9gと、まさに食べるプロテイン!
グルテンフリーで、特殊製法によりつなぎ・かんすいなどは一切不使用。和洋中、どんな麺料理にもアレンジしやすく低糖質ダイエットや健康食を楽しく彩ることができるのも魅力で、タレント・田中みな実さんがお気に入りだと公言するのも納得です!
そのままでおいしい!進化系大豆ミート
主に油分を絞った大豆に熱や圧力を加えて乾燥させ、肉のように見立てたヘルシーで栄養満点の加工食品「大豆ミート」は今、健康食としても人気急上昇中!
ただ、乾燥状態からゆで戻したり、大豆のにおいを消すために下味をつけたりと手間がかかっていたのを「もっと手軽に」という思いで作られたのが、国産大豆100%の「ソイ ソボロ」。
ゆで戻し不要、スープにもそのまま入れるだけでOKなので時短にも。サラダのトッピング、牛乳をかければシリアルに、と大活躍間違いなし!
まるでウニの香りと食感“変わり種”豆腐も人気!
「ナチュラルとうふ」や「BEYOND TOFU」など数々の魅力ある豆腐を作り出し、「おだしがしみたきざみあげ」などでも有名な相模屋からは、なんと「うにのようなビヨンドとうふ」。
口に入れると、潮の香りと濃厚でクリーミーな食感やコクがふわっと漂い、「これが豆腐?」と驚かされクセになる味わい。ほかにも加熱するととろける「BEYOND TOFUピザ・シュレッド」などユニークな商品も。
日々進化し続ける大豆食品から、これからも目が離せない!
ご当地みあそ汁ケンミンショー7選
大豆食品の中でも特に欠かせないのがみそ汁に使われる「みそ」。
気候や風土ならではの原料で造られる“ご当地みそ”には北海道、東北から全国的に使われる「米みそ」や東海地方に多い「豆みそ」、瀬戸内海地方や九州地方に多い「麦みそ」などさまざまな種類が。全国各地のご当地みそ汁をいくつか紹介!
鉄砲汁【北海道・道東地方】
カニが入ったみそ汁。箸でカニの足をつついて食べる様子が鉄砲に弾を詰める動作に似ていることが、名前の由来だそう。
どんこ汁【宮城県】
口が大きく腹が膨れ、尾にかけて細くなる魚「どんこ」を使ったみそ汁。「どんこ」は大きな口からたくさん入って、小さな尻から出ていきにくいとして、お金が貯まり縁起がよい魚といわれる。
めった汁【石川県】
さつまいもなど根菜類を使った具だくさんの豚汁。「やたらめったら具を入れる」など、名前の由来は諸説あり。石川には、他にも小豆と豆腐を中心に各種野菜をゆっくり煮込んだ「いとこ汁」もある。
呉汁(ごじる)【埼玉県】
埼玉県で輪作作物や、水田における転作作物として大豆は古くから栽培。水に戻した大豆をすり鉢でなめらかになるまですりつぶして作る「呉汁」は栄養食として疲労回復にも役立っていたそう。
ぐべ汁【山口県】
バードウオッチングの聖地としても有名な「見島」は、かつて防人が置かれた島として独自の文化が残り、海の幸を用いた郷土料理も魅力。「ぐべ汁」は濃厚な磯の風味が堪能できる貝「ぐべ(カサガイの仲間)」を使ったみそ汁。
白みそ雑煮【徳島県】
煮干しや昆布でとっただしに、白みそを溶いて仕上げる。具材は一般的な雑煮と同じで豊富な野菜を入れて彩り豊か、優しい味わいなのが特徴。地域によっては黒砂糖や砂糖を入れて食べる家庭もあるそう。
ワラスボのみそ汁【佐賀県】
有明海の珍魚で、日本では有明海にしか生息していないワラスボ。ハゼの仲間で目が退化し、鋭い歯がむき出しで内臓や血管が透けて見えるような紫色のぬるぬるとした体を持つ、まるで“エイリアン”のような見た目。独特な味わいがクセとなり地元で人気。
商品の購入はこちら
「九州まーめん」【無添加】3食入り(685円)、「九州まーめん」【細麺】3食入り(685円)→https://mamen.jp
「ソイソボロ」(希望小売価格2678円)→https://cocci.jp/
白大豆グラッセ(170円)、ゆアガリにととのうアイス(250円)→https://takeo-onsen-bussankan.com
(取材・文/住田幸子)