大谷翔平のニュースが連日報道されています。そんなSHOHEI OHTANI以外に、海外でリスペクトされている、日本にルーツがある人って? みんなが知っているアノ人だけではなく、意外な人の名前も……。Let’s Check it out!
大谷翔平以外で外国人から評価が高いのは?
大谷翔平の活躍ぶりをニュースで聞かない日はないほど。でも、もしかして海外の「大谷フィーバー」はアメリカだけ? 世界でリスペクトされる日本人は? そこで、外国人タレントのみなさんに、大谷“以外”に「COOOOL!」だと思う日本人について教えてもらいました!
現在、ラジオDJ・キャスターとして活躍しているドイツ出身のサッシャさん(46)が挙げたのは、ドイツのブンデスリーガ・アイントラハト・フランクフルトに所属するサッカー選手、長谷部誠(39)。
「彼は40近い年齢でも現役として活躍しています。もちろんサッカーがうまいのは大前提ですが、言語能力、そしてコミュニケーションやマネジメント能力の高さがすごい。将来的にはクラブ幹部とも囁かれていると聞きます。大谷選手が『二刀流』なら、こっちは『三刀流』だなって思いますね」(サッシャさん)
ドイツでは奥寺康彦選手以来、日本人選手への信頼度は高いのだそう。「ルールに従って行動できる、どんなポジションでも嫌がらずにやれるのが日本人選手の特徴だと思います」(同)。また、時間をきっちり守れる人もドイツでは信頼されやすいのだとか。
テニス選手の大坂なおみ(25)を挙げたのは、スリランカ出身の社会学教授・にしゃんたさん(54)。ちなみにスリランカはかつてテレビでNHK朝の連続テレビ小説『おしん』が大流行した親日国。
「彼女を挙げたのは、僕のこの企画への“ダメ出し”も兼ねています。もう日本人とか外国人とかっていう時代ではない。それを言わずして示している存在が大坂なおみだと思っているんです」(にしゃんたさん)
今の日本の社会に最も必要なのは「日本国内の国際化」だと話すにしゃんたさん。
「2070年には日本の人口の1割が外国人になるといわれています。いわゆる大坂選手のような『ダブル』のルーツを持つ人たちはそれこそ半数を超えてくるでしょう。違いが合わさってくるのは平和の象徴。それこそがダイバーシティだと考えます」(同)
多くの日本人はまだ知らない誇るべき人物は
現在第1子を出産したばかりの大坂選手は、「日本人とは?」という問いを私たちにつきつけてきた型破りな存在。今後の活躍とともにお子さんの成長も楽しみ!
NBA選手の八村塁(25)を挙げたのは、アメリカ・カリフォルニア州生まれのネルソン・バビンコイさん(37)。
「八村選手は日本生まれ・日本育ちで初めて、ドラフトのラウンド1巡目で指名されました。それは大谷翔平でもできなかった快挙。とんでもない人です。彼は昨シーズンのプレーオフでも、名門レイカーズで大きな貢献をしました。今後も大注目です!」(ネルソンさん)
大谷フィーバーはすごいものだが、それ以上の快挙を八村塁が成し遂げていると語るネルソンさん。日本にルーツを持つスポーツ選手に、今後も期待が集まる!
ネルソンさんが続けて挙げたのは、ロンドンを拠点に活躍する、シンガー・ソングライターのリナ・サワヤマ(33)だ。
「彼女はイギリスの国民的音楽賞『ブリット・アワード』の『イギリス生まれでないとノミネートされない』というルールを変えた日本人です。これからも第一線で活躍することは間違いありません。多くの日本人はまだ知らないけど、誇るべき人です」(ネルソンさん)
彼女自身もダブルのルーツを持ち、さらにLGBTQであることを公言して活動するなど、若い世代を代表する歌手ともいわれている。
また、日本のアーティストとしては、「新しい学校のリーダーズ」の評価も高いという。
「彼女たちはパフォーマンスが本当に素晴らしい。こちらも日本より海外で人気が出ているパターンだと思います」(同)
プロデューサーとしても高い評価
また、アメリカで注目されている映画監督・映像クリエイター、ヒロ・ムライ(40)の名前も挙がった。
「監督を務めたアメリカの人気ドラマ『アトランタ』がゴールデン・グローブ賞を受賞し、一躍有名になりました。プロデューサーとしても高い評価を得ています」(同)
アメリカに生まれ、日本で長く教育の現場で働くアン・クレシーニさん(49)。彼女は、アメリカで支持される日本人は「自分の弱さをさらけ出せる人」だという。その中の一人が、「こんまり」こと近藤麻理恵(38)。
「片づけ」を全米に広めた彼女だが、最近子育てに忙しくて片づけることを諦めているとインタビューに答え話題を呼んだ。
「“KONMARI”はもはや英語の動詞としても使われる言葉です。彼女は物に感謝するなどの日本の価値観を伝えてきましたが、最近は子育てで『片づけは無理なときがある』と弱さをさらけ出してくれたところが最高にCOOOOL!です」(アンさん)
また、アンさんが他に挙げたのが、元TBSアナウンサーの国山ハセン(32)や、経済評論家の勝間和代(54)、脳科学者の中野信子(48)。
「国山さんはイラクにルーツを持つ人で、多様性の取材にも積極的に取り組んできました。取材をしながら自分のことをさらけ出せるところや、TBSを自主退職し、わが道を歩むところがとても素敵です。
勝間さんと中野さんは非常に頭がよいだけではなく、誰にでもわかるように伝える力があるのが素晴らしい。特に勝間さんの道を迷わずに歩く姿はバリカッコいいです」(同)
また、英語が流暢でなくても、タレントの渡辺直美や元大リーガーの川崎宗則のように、積極的にコミュニケーションをとって自分の意見を伝えようとする人もアメリカでは人気が出やすいのだとか。
フィリピンとスコットランドにルーツを持つタレント、ガウさん(40)。日本に25年以上住んでいる彼女が選んだのはかなり玄人好み(?)の人選。
「和田アキ子さん(73)は人に媚びないところがすっごくCOOOOL! お茶の間に愛されているのに音楽的にも新しい挑戦を続けているのも素敵です。黒柳徹子さん(90)は日本でのテレビ放送の開始から今までずっと出続けてるなんてスゴすぎます。
日本には『口は禍のもと』という言葉がありますが、徹子さんはそのおしゃべりで多くの人を幸せにしてきたのが最高にCOOOOLだと思います」(ガウさん)
日本で初めて性別適合手術を受けたレジェンドも
さらにガウさんが挙げたのが、こんなレジェンド!
「カルーセル麻紀さん(80)! とにかく美しい! 日本で初めて性別適合手術を受け、戸籍を変えたパイオニアとしてもとても勇敢だと思います。歌声もSEXYで大好きです」(同)
どうやら国や人々にリスペクトを表明しつつ、自分の意見をしっかり主張する人が、世界ではCOOOOLと見られるようす。
いつも目にしていたあの人も、いつの間にか世界的な有名人になっているかも……?
取材・文/美女川満子
【答えてくれたみなさん】
サッシャさん ドイツ・フランクフルト生まれ。現在も定期的にドイツと日本を往復中。ラジオDJや実況、ナレーション等で幅広く活躍しており、大使館のようなフォーマルな仕事からサマーソニックなど数万人規模の音楽フェスティバルまで大小、硬軟問わず活動。
にしゃんたさん スリランカ出身。現在は羽衣国際大学現代社会学部教授として務める傍ら、テレビ・ラジオなどで活躍。全国各地で「違いを楽しみ、力に変える」をテーマとする「ダイバーシティ・スピーカー」として講演活動を行っている。
ネルソン・バビンコイさん アメリカ・カリフォルニア州生まれ。2007年に来日し音楽・芸能活動を始め、2018年に永住権を取得。米津玄師やSEKAI NO OWARI等への歌詞提供・英訳のほか、俳優やプロデュース活動まで幅広く活躍。
アン・クレシーニさん アメリカ・バージニア州生まれ。北九州市立大学で准教授を務める傍ら、タレント・執筆活動を行う。2018年より西日本新聞にて、『アンちゃんの日本GO!』を連載中。著書に『ペットボトルは英語じゃないって、知っとうと!?』など多数。
ガウさん 1994年、日本国内で歌手としてデビュー。『ウルトラマンガイア』やTOKYO MX『5時に夢中!』に出演するなど、タレントとしても活躍。2022年より全国のコミュニティFMにて自身初の冠番組『GOW Wao! Radio〜ガウラジ〜』オンエア中。