日曜劇場『VIVANT』(公式HPより)

 2023年7月期のドラマの中で、TBS系日曜劇場『VIVANT』の勢いが止まらない。インテージが全国で調査している平均視聴人数を見ると、第1話が840万人で、2位のテレビ朝日系『シッコウ!!~犬と私と執行官』第1話541万人を大きく突き放している(東洋経済オンラインの特設ページ「民放5系列番組・全国視聴人数ランキング」参照)。

平均視聴人数は第6話で1000万人超え

当記事は「東洋経済オンライン」(運営:東洋経済新報社)の提供記事です

 第2話以降も平均視聴人数は増加傾向にあり、第6話では1000万人を超えた。これは前4月期の同じ「日曜劇場」枠で好調だった『ラストマン―全盲の捜査官―』最終回(983万人)をしのぐ数字だ。

『VIVANT』の視聴者の特徴は、男性が多いことだ。その比率は43.5%(7月30日までの放送回の平均)となっており、7月クールだけでなく、4月クールを含めたどのドラマより割合が高い。

 

 

 ドラマ視聴者の全体の傾向として平均年齢が高く、女性の視聴者が圧倒的に多いというのが一般的だが、『VIVANT』は「男性にも見られている」という点が、このドラマの大きな特徴であるとわかる。なお視聴者の平均年齢は53.7歳と、これは他のドラマと大きく変わらない。

「日曜劇場」ブランドも下支え

『VIVANT』の、他のドラマにはないもう1つの特徴は、「日曜劇場」というブランドの強さも下支えしていることだ。

  実は前作『ラストマン』の最終話と『VIVANT』第1話の両方を見た人は全国で360万人おり、これは『VIVANT』第1話の視聴者の43%にあたる。

 両数値とも今期トップである。他のドラマ枠では多くても180万人前後で、割合も30%前後が多い。このことから、とくに「日曜劇場」という枠を楽しみに見ている視聴者が多いことが想像できる。

 ここまで、断トツの平均視聴人数を記録している『VIVANT』の特徴を見てきた。7月期のドラマも終盤に近づいてきたが、このまま『VIVANT』の独走が続くのか。ほかのドラマの巻き返しがあるのか。引き続き動向を追っていきたい。


林田 涼(はやしだ りょう)Ryo Hayashida
メディアアナリスト
市場調査会社インテージのメディアアナリスト。スマートテレビデータやクロスメディアデータの集計分析及びテレビ局におけるデータ活用支援を担当。各種メディアへのデータ提供や寄稿・セミナー等での登壇も行う。