「幼いころは顔を合わせると“こんにちは”って挨拶するいい子やった。柔和で、とてもそんな残虐なことをする人間やなかったのに……」
と容疑者宅の近隣住民は首をかしげていたーー。
奈良県警は6日、大阪府門真市に住む建設作業員の山下翔也容疑者(27)を傷害致死の疑いで逮捕した。6月18日午前2時7分から同6時30分にかけて、交際女性Aさん(28)が住む奈良県橿原市のマンションの部屋もしくはその周辺で、Aさんの長女・星華ちゃん(当時4)の腹部を圧迫。十二指腸に穴が開いたことによる腹膜炎で死亡させたというもの。
「星華ちゃんは搬送された病院で死亡が確認されました。さらに“女児の顔にあざがあり、虐待のおそれがある”と病院が110番通報したことで事件が発覚します」(全国紙社会部記者)
容疑者は警察の取り調べに対して、「まったく身に覚えはありません」と容疑を全否定しているという。
容疑者は「普通の真面目な職人さん」
山下容疑者はどんな人物なのか? 大阪の一戸建てに、祖父母、おじ、弟、容疑者の5人暮らし。容疑者の両親は近くにある借家で生活している。
「小学生のころ、子どもの遊びの範疇ではあるけど、少しカッとなるところがあって友だちをどついてることもあった。でも、おおむねおとなしかった」(近所の主婦)
高校を卒業すると、建設作業員として働くように。鳶職風の作業着を着て中型バイクに乗る姿がよく見られていた。
「でもやんちゃとか、ヤンキーという感じではない。普通の真面目な職人さんちゅう感じやったと思うわ」(別の近所の住民)
そんな容疑者とAさんは今年に入ってからSNSを通じて知り合い、4月ごろから交際するようになったという。容疑者は週末になると、大阪の自宅からAさんの部屋までの50キロメートル弱の距離を1時間以上かけて車で通っていた。
一方、Aさんと星華ちゃんは3年前、現在のマンションに引っ越してきた。母親はパッと見はギャルっぽい少し派手めの外見だが、性格はおとなしそうに感じたと同マンションの住人。虐待の気配はなかったというのだが、
「Aさんが越してきた直後に近隣住民が“虐待が行われている”を児童相談所に訴えて騒動になった。相談員がマンションの全室を訪問して調べていたことがありましたね。結局、有耶無耶になっていたけど、もしかして……」
実は山下容疑者は8月16日、星華ちゃんの額や頬に打撲を負わせたとして傷害の疑いで逮捕され、9月5日に起訴されたばかりだった。
「Aさんは結婚した夫との間に星華ちゃんをもうけたのだが、今は別居しているだけで正式に離婚したわけではないようです。そんな状況の中、Aさん宅に出入りしていた容疑者には星華ちゃんがなつかず、苛立った容疑者が暴力を振るっていた可能性がある」(前出・社会部記者)
容疑者の母、祖母を直撃
事件の真相を知るべく、容疑者の母親に話を聞こうとするも、自転車で帰宅するやいなや、足早に家の中へ消えてしまった。夕方、水まきに外へ出た容疑者の祖母にも“なぜ孫があんなことをしたのか”と質問すると、
「知りませんよ!」
と一言を発しただけだった。捜査関係者はこう話す。
「Aさんからは“事件当日は一緒に寝ていて、しばらくの間、2人がいなかった”という証言を得ている。暴行の時間帯を考えると、容疑者が仕事に出かける前に何かしらトラブルがあったと考えている」
たとえどんな理由があろうとも、大人の男による4歳児への凶行が許されるはずもない。事件の真相究明が待たれる。