ハマりやすい、道具好き、収集癖あり!
三拍子そろったあさこさんは、筋金入りの物持ちだった。高級食器バカラに熱中し、グラスや10万円以上する高級キャンドルスタンドまで買い集めていた。
幸せの価値は値段で決まらないと知った!
「独身のころは大きな家に住んで大好きなバカラを飾る、と真剣に考えていました(笑)。でも実際は、身の丈に合わないから長い間クローゼットに眠ったまま……。今思うと高級品を持っている自分が好きで、見栄っ張りだったと思います」
結婚後も日常のストレスからネットショッピングざんまい。モノにあふれた部屋へのイライラが募り、4年前“捨てる”スタイルに転じた。
「買っても、買っても心が満たされなかった。でも、すごくきれいなインスタグラマーさんの部屋の写真に触発されて、まずはモノを減らしてみようと決意。私もSNSで“捨て活”を発信していくことにしたんです」
そこからは一気呵成(かせい)に不用品を家から追い出した。
捨てるのに迷うと“買ったときに戻れるなら同じものを買う?次の人生にも、それを持っていきたい?”と、自分に問いかけた。
「この言葉が効果的でした。捨てることは心が痛むけれど、お金をかけずに幸せになれる方法だと思います。モノを減らすとすぐ片づくし、今は3LDKのマンションで本当に大切な少しのモノと暮らせて大満足です」
汚部屋を脱出できたことは大きな自信になり、パートタイマーとして働き出し、その給与で投資を始めるまでに至った。
「片づけも投資もやってみなくちゃわからない。投資信託にお金を預けて資産が3000万円になりました。お金が増えても欲しいものはないです」
モノに支配されていたのがウソのような変わりぶりだ。
幸せを呼び込むモノの手放し方を教えてもらった。
「ブランド品はメルカリ、洋服・雑貨はブックオフ、家具などの大きいものはジモティーと使い分けています。とにかく目の前の不用品を消したい一心なので値付けは激安!
サクサク数分で売れます。ジモティーは“先着順&取りに来てもらえる”条件を記載するので、スピーディーにモノが旅立っていきます」
自分にとって役目を終えても次の人手に渡れば「ゴミにならなかった、また使ってもらえる」と気持ちが軽くなる。
「たくさんのモノを捨てて思うのは、手放すときに心がえぐれそうになっても実際に血は出ない(笑)、物はしょせんモノということ。すっきりした空間で、インスタントコーヒーとコンビニスイーツが至福のひとときです」
あさこさんが捨てて貯まるを実感したこと
1位:ブランド品のムダ買いがなくなった
コレクション的な食器は処分し今の生活で使うモノだけ適量キープ。大好きな食器を愛でながら手洗いするのが楽しいです。
「使わない=価値がないと考えるように」
2位:モノを使い切ることが身についた
例えば子どもの肌着。サイズアウトしたらカットしてコンロ周りの掃除に活用。お掃除シートを買わなくて済みます。窓ふきも古くなったくつ下とアルコールでOK
3位:不用品がお金に化けた
とことん捨てたら100万円以上に。安売りして惜しいことしたかなと一瞬思っても、1週間たてばそのモノが家にあったことさえ忘れています(笑)
安値、即処分がマスト!
(取材・文/廣瀬亮子)