9月11日に57歳の誕生日を迎えられた紀子さま。この1年も、秋篠宮さまとともに多くの公務に臨み、皇嗣妃としてのお役目を果たされた。
チャールズ国王の戴冠式にも出席した紀子さま
「5月にはイギリスのチャールズ国王の戴冠式に出席されました。政府専用機へのご搭乗はもちろん、イギリスへの公式訪問も、他国の戴冠式へ出席されるのも初めてのこと。世界中から名だたる王室メンバーが集まる中、“日本の次期天皇と、その妻”として広く認知されたことは、お二方にとって大きな自信につながったのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト、以下同)
9月20日から25日にかけては'99年以来24年ぶりとなる、ご夫妻そろってのベトナム訪問が控えている。
「今回も政府専用機で羽田空港を出発し、首都・ハノイに向かわれます。現地では日本とベトナムの外交関係樹立50周年を記念する行事へのご臨席や、かつて日本人町があった古都、ホイアンにも足を延ばされる予定です」
コロナ禍が収束に向かい、国内外問わず、遠方へお出かけになる機会が増える中、旅の疲れを癒す“お住まい”にも大きな変化があった。
「秋篠宮ご夫妻と悠仁さまは今年の春ごろ、約30億円かけて改修された秋篠宮邸に移られました。2年半近くに及ぶ改修工事中、紀子さまは何度も宮邸を訪れ、内装に関するご要望を伝えられたとか。新居に用いられた金や大理石などの資材には、紀子さまの“こだわり”が詰まっているそうです」(宮内庁関係者)
そうして完成した“オーダーメード邸宅”に次女・佳子さまの私室はない。
「佳子さまは、仮住まい先だった『旧御仮寓所』に残り、ひとり暮らしされています。ただ、宮内庁がその事実を公表したのは6月30日のこと。事前の説明がなかったことに加え、旧御仮寓所に追加工事が施されるとも報じられ、国民の間には疑念がくすぶっています」(皇室担当記者)
誕生日を迎えた紀子さまが3つの質問に回答
こうした中、誕生日を迎えた紀子さまは、テレビ局や新聞社が所属する『宮内記者会』から提出された3つの質問に文書でお答えになった。
皇室制度に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏は、年に1度の“肉声文書”の意義をこう説く。
「かつては皇室の方々の“生の声”を伺う機会は、ほぼありませんでした。しかし近年は、誕生日文書などを通して、さまざまな出来事に対するご感想が公表されます。ふだん知ることのできないお気持ちをお聞きできる貴重な場であり、皇室と国民の絆を深める重要な機会といえるでしょう」
今年の文書は“この1年の振り返り”という定番の内容に始まり、“佳子さまの独居騒動”についても言及された。
「ひとり暮らしに至るまでに、ご家族でどのような話し合いをし、いつ決定されたのか。佳子さまの独居が当初明らかにされなかった理由と、なぜ公表が遅れたのか。さらには、宮邸の改修費や説明の経緯に対し、国民からさまざまな声が噴出していることに対する受け止めなど、文字どおり“質問攻め”となりました」(前出・皇室担当記者、以下同)
佳子さまに関する質問は、これだけにとどまらなかった。
独居騒動で失った母親としての威厳
「ご家族に関する質問では、佳子さまの結婚や、悠仁さまの今後の進路、アメリカで暮らす眞子さんの近況といった昨年同様の問いに加え、“分室(編集部注:旧御仮寓所)に残られている佳子さまは、どのようにお過ごしか”という質問もありました」
これがどうやら、紀子さまにとって“耳の痛い話”だったようだ。
「かねて紀子さまは、佳子さまの一挙一動を注視されていました。学生時代、メディアにキャッチされた佳子さまを、“露出の多い服装は控えなさい”とお叱りになったのは有名な話。大学でダンスに取り組まれようとした際も、“サークルや部活には入らないように”と伝えられたといいます。わが道を行く佳子さまが、皇族らしからぬ言動を取られないよう、母として厳しく指導してこられました」(前出・宮内庁関係者、以下同)
それが一転、最近は“没交渉”になりつつあるという。
「佳子さまの独居以来、母娘のコミュニケーションは激減したと聞きます。“皇室脱出”を切望される佳子さまに対し、紀子さまが以前のように立ち居振る舞いを指摘されることは、ほとんどなくなった……。記者から佳子さまの普段のご様子を問われても、紀子さまは“把握していない”というのが正直なところかと」
前出の小田部氏は、独居騒動が世間に与えたイメージについて、こう見解を示す。
「母親と娘との不和を印象づけた側面があると思います。佳子さまがご両親との同居を嫌い、国民からの批判を承知しながらも、紀子さまは佳子さまの意に沿うしかなかった……。多くの国民は、そのような認識を抱いており、紀子さまの“母親としての威厳”が損なわれたとみる人も少なからずいるでしょう」
眞子さんの結婚問題を機に、秋篠宮ご夫妻と姉妹の間に生じてしまった大きな亀裂。
「遠く離れたニューヨークで暮らす眞子さんとは、連絡を取ることすらままならない状況だといいます。しかし紀子さまは、大切に育ててきた愛娘たちとの“不和”を決して望んでおられません。実は新居には、眞子さんと小室圭さんの結婚の行方が混迷を極めていたころに撮影された家族5人の写真が飾られていて、目を細めながらよくご覧になっているそうです」(秋篠宮家関係者、以下同)
新居に眞子さんや佳子さまの私室はなくとも、“秋篠宮家は5人家族”という思いを抱き、在りし日に想いを馳せておられるのだろう。
さらに、誕生日当日に公開された近影は、その家族写真を背景にして撮影された。
「計8枚の写真が公開されましたが、そのうち1枚にその家族写真が写り込んでいました。異国で暮らす眞子さんや、独居された佳子さまとともに、再び家族5人で集まる日を夢見ておられるのでしょう。
メディアで一斉に報じられる誕生日写真は、眞子さんや佳子さまも当然ご覧になるはず。紀子さまは“娘たちとの関係を修復する”という決意を込めて、撮影されたに違いありません」
母の切なるメッセージは、姉妹の心を動かせるか─。