ママタルト 写真提供/サンミュージックプロダクション

 かもめんたる・岩崎う大が、注目のお笑い芸人の今後を予想する連載企画。今回の芸人はママタルト

昨年のM-1グランプリで準決勝まで進んだ実力派

 僕はサンミュージック所属の芸人ですが、サンミュージックといえば一発屋芸人が多い印象があるのではないでしょうか。これは別にサンミュージックに一発屋を生み出そうという方針があるわけでもなく、偶然そういう人材が集まってくるんですよね。

 その代わりといいますか、賞レースで活躍するような本格派の若手コンビがいないのが現状。

 お笑い界の中にも、しっかりとトレンドがありまして、流行りの若手が呼ばれる番組に出たり、全国的な知名度は低くても、お笑い通には騒がれている芸人を特集する雑誌などに取り上げられることは非常に大切で、各プロダクションはそういう若手をどれだけ育てられているかを大事にしています。

 そんな中、サンミュージックに所属しながら、お笑いのトレンドにしっかり乗っているのが今回ご紹介するママタルトです。ボケで身体の大きい大鶴肥満(写真右)とツッコミの檜原洋平(左)のコンビで、主に漫才をやっていて、去年のM-1グランプリでは準決勝まで進んだ実力派です。

 大鶴肥満は、芸名からもわかるとおり肥満体形で、一度見たら忘れないぐらい立派な身体の持ち主。生で見ると、特に太ももまわりなど下半身の大きさは一見の価値ありです。

 大食いや力持ちぶりなどを生かしたテレビ出演も多いため、ネタ以外で見たことがある方も多いでしょう。

 一方、檜原はママタルトのブレーンという立ち位置で、大喜利にも強く、あえて字余りぎみに自分の意見を織り込む長いツッコミは、若手ながらに多くのフォロワーを生んでいるという話さえあります。

 ママタルトのネタを見て感じるのは、もし彼らのネタから色が出ているとしたらそれはパステルカラーのように柔らかく温かい色だろうなということです。ネタを作る檜原の性格なのでしょうか。

 お笑いってどこか毒を含んだものだという考えが、僕の世代の人間にはあって、そのカウンターとして誰も傷つけない笑いがもてはやされた時期もありましたが、ママタルトの笑いは誰も傷つけないという狙いが特にあるわけでもなく、日陰より日なたを見ているほうが、単純に気持ちよいからそうしているという温かさがあるのです。

 お客さんのためというよりも自分たちがそのほうが気持ちいいからという原理がそこにはある気がして、それが彼らのネタに確固たる強度を与えているのだと思います。

 ママタルトとライブで一緒になって、

「ネタどうだった?」

 と聞くと檜原はいつも

「よかったです!」

 と答えます。彼の口から「よかった」以外を聞いたことがありません。騒いだりするタイプではないですが、常にご機嫌なやつなのだと思います。

 それがママタルトのネタには気持ちよく出ていて、お客さんを魅了しているのでしょう。

 そもそもママタルトというコンビを結成したとき、大鶴肥満という類いまれなルックスを持った男をボケとして、それにツッコんでいく檜原にはプレッシャーがあったと思います。

 ボケが特徴的なら、ツッコミはそれを面白くできて当たり前、面白くできなければ自分のせい。芸人とはそんなふうに考えがちなものです。

 いや、もしかしたら檜原の中ではそんな辛気くさいことは考えずに、ただコイツと組んだら楽しくやれそうだと思っただけかもしれません。そんな彼らの未来です。きっと晴れ渡っていることでしょう。

岩崎う大 1978年東京都生まれ。早稲田大学卒。かもめんたるとして槙尾ユウスケとコンビを結成。キングオブコント2013年優勝。お笑い芸人だけでなく、脚本家、放送作家、漫画家として多彩に活躍中

 

大鶴肥満の持ちギャグ「まーごめ」は、芸名の由来となった大鶴義丹が記者会見でマルシアに謝罪した際に発した「まーちゃん、ごめんね」を略したもの

 

空気階段・水川かたまりの結婚式に参加したオズワルド伊藤と蛙亭イワクラ

 

熱愛中の蛙亭イワクラとの仲良しショット。ママタルト大鶴肥満(写真右下)、森本サイダー(写真左下)と同居生活を送っていた(オズワルド・伊藤のインスタグラムより)

 

蛙亭イワクラは、交際中のオズワルド伊藤のいるカラオケには行かなかった

 

オズワルド伊藤俊介