熱狂的ファンが多い『阪神タイガース』

 9月14日、阪神タイガースが18年ぶりのリーグ優勝を決め、大阪の繁華街はファンたちによってお祭り騒ぎに。道頓堀川に架かる戎橋ではタイガースの応援歌『六甲おろし』の歌い声が響き渡り、街中が喜びに包まれた。しかしその一方、やはりあの“恒例行事”は止まらず――。

 阪神の優勝が決定した瞬間、戎橋周辺では大歓声が上がり、人々はそれぞれにハイタッチ。それで終わればいいのだが、道頓堀川と言えば誰もが知る“ノリ”がある。

《阪神がアレでソノ日が来ても、道頓堀川には飛び込まないで下さい。危険です。過去に死亡事案も発生してます》

 9月12日にX(旧ツイッター)で注意を呼びかけたのは、大阪府の吉村洋文知事だった。

結局、飛び込み続出…

「“アレ”というのは、阪神タイガースの“優勝”のこと。優勝を意識し過ぎないようにと岡田彰布監督が使ってきた言葉で、今シーズンはチームだけでなくファンも一緒に“アレ”を目指して戦ってきました」(スポーツ紙記者)

 見事“アレ”を達成した阪神だが、過去の優勝時には5千人以上が道頓堀川に飛び込んだこともあり、死亡者も出た。知事が注意を呼びかけるとともに、大阪府警は約1300人を動員して警戒を強め、通行規制や事故防止にあたったというが、どうしても騒ぎたい人が集まってしまう。

「結局、複数人が川に飛び込む事態になりました。戎橋自体は警察が警備を固めていましたが、沿道から飛び込む人が続出。その様子がSNSなどのネット上で拡散され、優勝祝いとはいえ注意喚起を無視した危険な行為に対して、批判の声が殺到しています」(同・スポーツ紙記者)

「マスコミの煽りすぎ」

 ツイッターでは、

《民度低すぎ……》

《バカ丸出し、大阪の恥》

《こんな汚い川に飛び込んで、上がってこないでほしい》

 といった声が。また、今年の“ダイブ”に関しては別の角度からも非難が集まっている。

1985年に日本一になった阪神タイガース、祝賀会に参加した岡田彰布

「マスコミが“ダイブ”を煽っているのではないか、という声も寄せられています。テレビのニュースなどが現地の熱狂ぶりを広めることによって、人の密集や飛び込みの誘導に繋がる可能性があると。まるで何かを起こそうとするようなメディアの姿勢にも、苦言が寄せられています」(全国紙社会部記者)

 吉村知事も“煽らない報道を”と呼びかけをしていた。ネット上では、

《マスコミの煽りすぎ。戎橋から報道しているアナウンサーが戎橋においでと言わんばかりの報道にはうんざり》

《飛び込み規制をした警察関係者の努力を無駄にしたのはマスコミです》

《警察も、この状況で街頭インタビューなんかするなよと思っていたでしょうね》

 など、群衆だけでなくそれを報じる側も問題視する声が。

 一方、Xではある1枚の写真が話題になっていて……。

「1人の男性が道頓堀川に飛び込む様子をメディアのカメラマンが撮影していたのですが、そのフォームがあまりに美しいことで“奇跡の1枚”と注目を浴びているんです。写真からは周囲の人たちの盛り上がりも伝わってきますが、それでも危ない行為は控えてほしいものですね」(前出・全国紙社会部記者)

 リーグ優勝を決めた阪神には、クライマックスシリーズやその先、日本シリーズ制覇の夢も残されている。次なる“ソノ日”がきたとき、危険な事故が起こらないことを祈るばかり――。

 
道頓堀川への飛び込み姿が「美しすぎる」と話題になっている男性(共同通信・大阪支社のXより)

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝って道頓堀川に飛び込む若い女性たち

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝って道頓堀川に飛び込む若い女性たち

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝って道頓堀川に背面から飛び込む男性

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝って道頓堀川に飛び込む男性

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝って道頓堀川に飛び込む男性

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を喜ぶ男性たち

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝って胴上げをするファンたち

 

2003年9月15日、阪神タイガースの優勝を祝う一方で救急隊が駆けつける場面も