松本明子、森尾由美、大沢逸美、桑田靖子、小林千絵、木元ゆうこ、徳丸純子を合わせた7人に名づけられた“お神セブン”。彼女たちはデビュー40周年を迎える。そんなお神セブン発起人、大沢逸美に話をきいた。
お神セブンが集まるきっかけを作ったのが、実は大沢逸美(57)。2013年に出演したバラエティー番組で「久しぶりに同期に会いたい」との希望が叶った。30年ぶりの再会だったが、再び温まった旧交がその後10年も続くとは予想していなかったという。
「きっとこれが縁なんでしょうね。メンバーみんな、本当にいい人ばっかりなんです。友達だけど、同じ目標に向かって頑張ってきた同志でもある。デビュー当時“不作”と言われた悔しい気持ちも共通しているのかな(笑)」
大沢逸美、クールな雰囲気の秘密
中森明菜や小泉今日子などスターぞろいの「花の'82年組」、菊池桃子や荻野目洋子などそうそうたる顔ぶれの'84年組に挟まれ、不作とされた'83年組。『日本テレビ音楽祭』でデビュー2年目に与えられる『金の鳩賞』が、まさかの“該当者なし”とされた組でもあった。
「びっくりですよね。誰かひとりぐらい、該当者がいてもいいじゃない(笑)。当時は、不作だなんて書いてある記事を読んではふざけんな!って怒ってましたよ。でもファンの方からはキャーキャー言ってもらえるし、自分ではイケてると思ってたんです」
長身のルックスを生かし、'80年代では珍しく、ボーイッシュな路線のアイドルだった。デビュー曲は『ジェームス・ディーンみたいな女の子』。革をあしらった衣装で、クールに歌う姿が印象的だった。
「事務所からも、あまり笑わなくていいと言われて(笑)。同性のファンが多かったから、同世代の女の子から握手してくださいなんてお願いされるとうれしくて、両手で握手してあげるでしょ? そうすると、片手でいいんだってマネージャーさんから注意されちゃう。斜に構えたクールな雰囲気でいるよう、言われていましたね」
同じホリプロ所属の山口百恵に憧れてデビュー。『百恵ちゃんまつり』『(堀)ちえみちゃんまつり』と題したコンサートがよく行われていたものの、『逸美ちゃんまつり』は開催してもらえなかったという。それでも同期の中では賞レースの決戦まで残ることが多く、日本武道館やNHKホールでの歌唱経験もある。
「2018年にお神セブンで久しぶりにコンサートをやったときは、楽しいというよりもう必死(笑)。だから今回はもっと楽しんで、お客さんとの一体感を味わいたいです」
練習場所は格安のスペースを見つけては、それぞれがスケジュールを調整しておにぎり持参で集う。
「経費削減ですよ! 数百円でいい場所が貸してもらえて、本当に助かってます(笑)」
年齢を重ね、メンバーに対して改めてリスペクトの気持ちが強くなったという。
「みんなそれぞれに得意分野があるんです。そして思いやりもある人たちばかり。私がメンバーの中でいちばん難しい性格かもって思うんだけど(笑)、みんなの心が広いからうまくやっていけてるのかなって改めて感じてます」
デビュー40周年にして、輝きを増す不作組! 50代の星として、今、まぶしく光る。
(取材・文/植木淳子)