ジャニーズ事務所の創始者である故・ジャニー喜多川氏による性加害問題で、スポンサー離れに歯止めがかからない。9月7日に行われた同事務所の記者会見後に、東京海上日動火災保険、日本航空が同社タレントを起用しないことを明言すると、コンプライアンスに厳しい外資系企業や国内大手企業も次々と後に続いた。
ジャニーズタレントの掲示物取り扱いに物議
そんな中ファンをざわつかせているのが、現在既に出回っている同社タレント出演の掲示物の取り扱いについてだ。
「『モスバーガー』を展開するモスフードサービスは、CMにSnow Man・渡辺翔太さん(30)とラウールさん(20)を起用していましたが、13日に起用継続なしを発表しました。
同日、とある店舗でポスターに映る渡辺さん、ラウールさんの顔が『テイクアウト お持ち帰りいただけます!!』と書かれた張り紙のようなもので覆い隠されている画像が出回り、“タレントに人権は無いのか”とSNS上で大炎上。同社は同日中に公式サイトで謝罪文を出すに至ったのです」(アイドル雑誌編集者)
この一件を受けてジャニーズファンは企業の対応について疑心暗鬼になり、かなり敏感になってしまっているという。
「16日には、11月公開予定のKing & Princeの永瀬廉さん(24)主演映画『法廷遊戯』フライヤーについても、永瀬さんの顔にシールが貼られていると大騒ぎになったのですが、実際にはファンの早とちりだったようで……」
同映画のフライヤーには永瀬、共演の杉咲花(25)、北村匠海(25)の3人が映っているが、イオンシネマ江別店のフライヤー見本には永瀬の顔をちょうど隠すように『ご希望の方はスタッフまでお申し付け下さい』と書かれたシールが貼りつけられているように見えた。
これを見たファンはネット上で、
《モスバーガーの悲劇再び 映画『法廷遊戯』のポスターにてキングアンドプリンス永瀬廉の顔が……なぜあれだけモスで炎上したのにまた繰り返してしまうのか……》
《本当なら人権侵害では?》
と同店に対し批判の声をあげた。イオンシネマ江別店はそくざに『X』(旧Twitter)にて、
《『法廷遊戯』チラシ設置に関するお詫び この度は、お客さま、作品に関わる皆さまに不快な思いをお掛けし誠に申し訳ございません。チラシ設置で流用しているクリアファイルに貼り付けているシールが一部出演者の顔を隠してしまい、意図的ではないものの配慮に欠く対応を心よりお詫び申し上げます》
と謝罪文を投稿。
『X』上では、
《イオンシネマ江別、確かに前からジャニーズが出てる映画のフライヤーは店員さんに言わないと貰えなくて、前からこんな感じの注意書きのテプラ(シール)がついてた気がする》
《この映画館をよく使ってる方から聞いたのですが、元々外側のクリアファイルに貼っていて中を入れ替えられるようになっているようで、その時たまたま顔に被ってしまったそうです!》
と同店を擁護する声が続々とあがり始めた。同店謝罪投稿にも《他の会社の事があって、みんな敏感になっていただけかと》と、過剰な反応をしてしまったことを謝罪するファンのコメントも散見された。
たしかに、ジャニーズタレントの起用を継続しないとしたモスフードサービスと違い、イオンシネマでは永瀬主演の『法廷遊戯』の上映は予定通り行われる。
担当者に話を聞くと……
「今回はお騒がせしてしまい、誠に申し訳ございません。多くの方からご意見をいただき、こちらの配慮が行き届かなかったばかりに、ご不快な思いをおかけし、重ねてお詫び申し上げます。決して意図したことではなく、従来通りのフライヤーケースに入れ替えてしまったことでこのようなことが起きてしまいました。大変申し訳ございません」
数多くの問い合わせに対し、真摯に説明した結果、多くの方に納得してもらったと話していた。
拡散された画像の下には「おひとりさま2枚まで」と記されている。出演者のファンを思ってのことだ。フライヤーが少しでも多くのファンにちゃんと行き渡るよう配慮していることがわかる。
大前提として性加害を含め、いかなる人権侵害もあってはならないが、各企業はそれぞれの起用方針に沿って急ぎの対応を迫られているため、取り扱い次第ではジャニーズファンから反感を買ってしまうこともある。しかし、ファン側も一部の情報だけを切り取って過剰反応することのないよう、留意すべきではないだろうか。