ジャニーズ事務所のタレントをこれまで広告に起用していた企業が、続々と契約を更新しないことを発表、もしくは「今後は起用しない」としている。具体的には、木村拓哉の独特なハンバーガーの持ち方でも話題になった『マクドナルド』、10年以上にわたって櫻井翔を起用してきた『アフラック』など。一方で現在も広告に生田斗真やSexy Zoneの菊池風磨を起用している『P&G』は継続を明言している。
CMの“先”にいるのは、その商品を購入する消費者である。そこで今回、『週刊女性』では全国1000人の女性に対しアンケートを実施。内容は、あなたは今後、ジャニーズのタレントをCM・広告に起用している企業の商品を「買うか、買わないか?」とその理由。
CMの商品を買うことは、事務所を応援していることにつながる
まずは「買わない」と回答した人の理由から。ジャニー喜多川氏の性加害問題は、海外メディアも報じている。それゆえに……。
「日本の恥」(43歳・神奈川県)
「世界レベルでみても大問題。今が会社が生まれ変わる最初で最後の機会だと思う。企業側にも目を覚ましてほしいので不買する。日本がこんなにも恐ろしい国だと世界に知られて、ただただ恥ずかしい」(58歳・大阪府)
「買わない」理由の多くはジャニー喜多川氏の所業と事務所に対してのものだった。
「ジャニーズ事務所が会社ぐるみで隠蔽してきたのは明らか。見て見ぬふりは隠蔽に同意したのと一緒」(60歳・東京都)
「ジャニー喜多川はわかっているだけで晩年まで最低数百人の子どもに性加害を行っていて、逮捕も非難もされないまま死んで絶対に許せない。汚いことをしていて最低の事務所で嫌悪感しかないし、許せないから」(47歳・埼玉県)
「最悪な性加害を起こしていた事務所の所属アーティストを起用したCMの商品を買うことは、事務所を応援していることにつながるので。しっかりした責任を取り、被害者に償うまでは買いたくない」(53歳・宮城県)
「タレントに罪はないが、性犯罪を許してはいけないという信念のもと、組織的性犯罪の会社の利益になることは避けたい」(43歳・宮崎県)
逆に起用をやめると発表した企業の商品を「買わない」という声がSNSの一部で見られている。そのため……。
「気持ちの悪いファンが起用をやめた会社の不買運動をしていると聞いたから。まともな人間がまともな人権意識を持った企業の側を応援しないといけないと思ったから」(46歳・愛媛県)
CMタレントで商品を選ぶということはないといった意見が多数
一方、「欲しい商品であれば関係なく買う」という人たちの意見は。
「企業のポリシーと、こちらの欲しいものとは、別問題だから」(60歳・埼玉県)
「そもそも広告で商品を選ぶことはない」(48歳・東京都)
「ジャニーズには興味がない。欲しい商品とは関係ないと思う」(49歳・石川県)
CM(タレント)で商品を選ぶということはないといった意見が多数。ジャニーズに関係した意見として多かったのは、「タレントに非はない」というもの。
「今、アイドルしている子たちに罪があるわけではないし、欲しいものが買えないほうが不便」(47歳・東京都)
「現在の人たちに背負わせるのはおかしいと思っている」(59歳・岡山県)
ジャニー喜多川氏の性加害は業界的にある種“公然の秘密”だったといえる。
「会社同士の最初の契約時に噂を知らないことはなかったと思います。調査すれば、いろんなことがわかったはず。なぜその時点でタレントを変更しなかったのか?」(58歳・大阪府)
「買う。ジャニーズの件は昔から知っていたはずなのに、ジャニー喜多川氏の死去後に騒ぎ出す愚かさ。なぜ生きているときに裁かない?」(45歳・神奈川県)
「タレントは特に問題を起こしたわけでもなく、性加害問題だけで見れば被害者。死んだ初代社長の性癖のせいで仕事を奪うのは別問題だと思う。魅力のあるタレントの広告なのであれば欲しい」(44歳・大阪府)
全体の回答はかなり偏った結果に
ジャニーズ起用の商品を「買う」と答えた人のなかには、むしろ契約解除が進む現状を疑問視する人も。
「企業としてのブランドを保つために契約を解除するのは理解できるが、あからさまにその動きが進むのは見ていて嫌になる」(25歳・千葉県)
「タレントさんが直接関わってもいないのにCMから降ろされること自体変な話だと思う。1社が契約更新しないと言った途端、次から次に名乗り出て、正直そんな企業にガッカリした。更新しないと言った企業の商品こそ買いたくない」(52歳・大阪府)
「タレントが起こした問題ではない。逆に、契約解除した企業の物は一切買わない」(20歳・群馬県)
「タレントに罪はない。今までジャニーズの名前を使って利益を得ておいて、いきなり捨てるのはおかしい。建前上一度契約を切るのであれば、配慮のひと言があるべき」(28歳・愛知県)
回答は「買う」としながらも、契約更新見送りで特に批判が及んでいるのが……。
「事務所やジャニーに非があるだけ。一度は起用すると言って差し替えたモスバーガーはひどい」(33歳・長野県)
「起用継続・中止には各企業の考えがあると思いますが、CMを継続すると発表したのにもかかわらず、その数日後に手のひらを返し起用中止するとしたモスバーガーや花王は、コロコロ言っていることを変える信用できない企業であり、その商品も信用できないと感じました。逆にJCBは起用を中止したものの、長年CMに出ていた二宮和也さんに対する感謝と愛情あふれるコメントを出し、好感が持てました」(45歳・千葉県)
ここまで双方の意見を取り上げたが、実は全体の回答はかなり偏った結果となった。「買う」と答えた人は81%。一方、「買わない」は19%にとどまった。起用をやめるという考えの企業が圧倒的に増えている。「買わない」は、それと同じ方向の考えだといえるが、一般消費者と企業では結果として隔たりが見えた。多くの企業は「契約更新の見送り」のため、ジャニーズタレントを起用しないことによる売り上げ等の影響が出るのはまだ先のことになる。結果ははたして……。