60年以上にもわたって掲げられた『ジャニーズ事務所』の屋号が下される。これに伴い、ファンの間で長らく親しまれた「ジャニーズJr.」「関西ジャニーズJr.」の名称も変更される見通しだ。
一方で、すでに多くのファンがいる、“ジャニーズ”の冠を頂戴している「関ジャニ∞」「ジャニーズWEST」については協議が重ねられているという。
「特に関ジャニ・WESTファンはグループ名の変更を到底受け入れられませんよ。彼女たちにしてみれば罪に問われるべきはジャニーさんで、“ウチらには関係ないのに”といった心理でしょうね。
さらには推しの“仕事”が次々と消滅しようとしている今、怒りの矛先はジャニーズから撤退を始めた企業に向けられているようです」(スポーツ紙・芸能デスク)
故ジャニー喜多川氏の性加害認定を受け、『日産自動車』『日本マクドナルド』『アサヒ』『サントリー』をはじめとした大手企業は、早々とジャニーズとの広告契約の見直しを表明し、その他の各企業も追従するムーブが起きている。
そんなジャニーズ切りをはじめた企業に対して徹底抗戦の構えか、ネット上で飛び交っているのはファンによる商品の不買宣言ーー。
《#さよなら○○》のハッシュタグで不買運動
《アサヒ、キリン、花王、モス、マクド、コーセー 切るって発表してした所は徹底して不買します!》
《なんなん、今いる人は悪い子としてないのに。しかも、知ってて使ってた奴らだろスポンサーたちなんて。あーもう、買わない。》
《ジャニーズファンの女子を怒らせた代償は大きいと思うよ。》
彼女たちはSNSに《#さよなら○○》などのハッシュタグをつけた投稿を繰り返し、ファン同士で不買運動を呼びかけ、その勢いは日に日に大きくなっているようだ。
そんな動向を顧みるように、9月26日付で配信された【「企業はジャニーズファンを甘く見ないほうがいい」10・2“社名変更会見”を見守るベテランテレビマンの本音】との『デイリー新潮』の記事。
“民放プロデューサー”の証言を元に、ジャニーズ性加害問題後のテレビ業界における広告事情を明かすとともに、
【テレビ局はスポンサーに頭が上がらないのは事実ですが、そのスポンサーが頭が上がらないのは消費者です。お客様であるファンを甘く見ないほうがいい】
【ジャニーズのファンは女性が多く、しかもティーンからアラ還まで幅広い。その発言力は友人や家族も巻き込んでいきます。少しでも火種があれば、大炎上は必至です。】
などとジャニーズファンが起こした“不買運動”が企業にもたらす危機を警鐘している。
彼女たちの推しグループ・タレントへの熱量は凄まじく、購買力を無視できないのはたしかだろう。これまでもジャニーズが広告塔を務めた、CM出演した商品をファンが大量購入する現象は何度も起きている。
不買が起きることは企業側も百も承知
「一定の購買力向上が見込めるだけに魅力的なのは確かです」とは、メディアマーケティング事情に詳しい広告代理店営業スタッフ。
「それは企業クライアントだけでなく、スポンサーを取り込みたいテレビ局にとっても番組でジャニーズタレントをキャスティングすることは効率的な手段だったと思います。
“テレビマン”の目線で言うと、ファンである消費者がソッポを向けば番組スポンサーも尻込みするわけで、つまり自局の商品である“番組枠”が売れなくなるという理屈でしょうが、そんなことは撤退を決めた企業は百も承知ですよ」
ジャニーズとの“訣別”を早々に決定した大手企業にとって、ファンの不買運動が起きることは織り込み済みなのだとか。
「特に海外マーケティングを重要視するグローバル企業、ナショナルクライアントにとって、たとえ一時的に国内市場での落ち込みが見られたとしても、それ以上に気にしているのが“世界から向けられた目”。
ジャニーズ性加害は、これまで問題を見て見ぬふりしてきた日本メディアの異常さと、今なお一部で擁護の姿勢をとる鈍さ、そして各企業対応も含めて海外でも発信されています。もはやファンの不買を“甘く見るな”という、テレビ業界の常識レベルで測られる話ではなくなっているということ。
大手企業が矢継ぎ早に出した“人権問題”“人権尊重”とのコメントは、“弊社はいかなる人権侵害を許さない”という国内のみならず世界に向けた、より大きな危機を回避するための発信ということでしょう」(前出・広告代理店スタッフ)
それこそ、海外から見たらジャニーズの社名変更で済まされない問題なのだろう。