「とにかく『アンフェア』(原作・秦建日子、ドラマは’06年)の雪平夏見が大好きで。ああいう女性になりたいし、役としてもやってみたいと当時から思っていました。今回、秦さんの原作作品でオファーをいただきすごくうれしかったです」
とは、映画『女子大小路の名探偵』(10月13日公開)に主演する剛力彩芽(31)。演じる広中美桜は、岐阜・柳ヶ瀬のナンバーワンホステス。名古屋のディープな歓楽街・女子大小路で起きた殺人事件の容疑をかけられた弟(醍醐虎汰朗)のために動き出す。
剛力彩芽が語る恋愛観、結婚観
「撮影後、醍醐くんは“お姉ちゃんはただただ怖かった”と(笑)。美桜は、電話に出ないだけで“殺すぞ!”と言うなど、とにかく口が悪い(笑)。絶対言っちゃダメなワードがセリフにはいっぱいありました(笑)」
普段口にすることのない暴言だからこそ、芝居として思い切ってやれて楽しかったと振り返る。
「そこは勢いよくやらないと、逆にカッコ悪いというか。“言い慣れてない感”が出てしまうと、全部がセリフっぽく聞こえてしまうので。ただ、あれだけ強く突き進めて、物事をはっきり言えるところはカッコいいなって思います」
弟を認めない一面がありつつも、美桜は事件の真実へと奔走する。
「結局、弟のことが大好きなんですよね。“しょうがないな”とやってあげちゃう感覚はすごくわかります。ミステリーなんだけど、きょうだい愛や仲間との絆がすごく伝わってくる作品です。そして、もちろん謎解きも。しっかり見ていないと伏線を見失う部分も意外とあるので、ぜひじっくり見ていただきたいなと思います」
内面に惹かれる気持ちはすごくわかる
美桜の仲間のひとりは、大学教授・畦地弦一郎(田中要次)。美桜はひそかに恋心を抱いているのだが……。
「美桜が本当に異性として思いを寄せているのか、リスペクトなのかはちょっと曖昧なんですけど。最初は“なんでこの人がいるの?”という違和感が畦地先生にはあるんですが、気づいたらそうじゃなくなっている。そんな内面に惹かれる気持ちはすごくわかります」
剛力自身の恋愛観について尋ねると、
「人を見るときは絶対、内面! 畦地先生もそうですけど、自分の好きなことを本当に一生懸命やって、表現している人は純粋に憧れるし、カッコいいと思うし。やっぱり、まずはリスペクトがないとダメだなってすごく思います。あとは、仲間や家族を大切にする人。私自身、家族とすごく仲がいいので」
今、夢中なのは姪っ子。生後半年くらいだそう。
「動画を送ってもらったり、時間があればすぐにテレビ電話をしたりして。私も家族ももうメロメロ。まさに天使、癒しです。早く一緒に買い物に行きたいし、リンクコーデもしたい(笑)」
“いつかは母親に”という気持ちは強くあるという。
「母は保育士ですし、姉もすっかりママの顔。周りのスタッフさんもお子さんがいる方が多いので、いざとなったら頼れる人がたくさんいるのはすごく心強いです(笑)。
20代のころは何も考えず“若いうちに結婚したい!”って言っていたけど、今は“結婚してお母さんになることが自分にはできるのか?”“まだじゃない?”って、リアルに考えるようになりましたね」
未来予想図は計画的に、具体的に
8月に31歳を迎えている。今後をどう見据えているのだろう?
「30歳はけっこうがむしゃらに走ったような気がしていて。31歳から35歳の未来予想図はある程度計画的に、より具体的に描きたいなと思っています。仕事もプライベートも。私、10代のころには“何年後にこれをやる”という目標を明確に立てていたんですよね」
20歳までに大河ドラマと月9に出演する。その目標はともに叶えている。
「やっぱり口に出すってすごく大切なんだなと改めて思っています。そして、20代は本当に一生懸命走らせていただいたな、とも。最近はそういうことをしていなかったし、自分の気持ちをもっと自分でもわからなきゃいけないと思うし、それを伝えることをしていきたいです。
けっこう、自分の意見を言うのは苦手なんですけど……。ただ、自分も家族も、周りのお世話になっている人を含めて“なんか楽しいね!”って言い合えるような環境や状況じゃないと嫌なので、それを常に作っていきたい。やっぱり、楽しめる30代でいたいなと思っています」
撮影/矢島泰輔 ヘアメイク/高城裕子 スタイリング/津野真吾(impiger) 衣装協力/alexanderwang