新米やさんま、ぶどうやさつまいもなど実りの秋はおいしいものが目白押し。食欲にまかせた結果、お腹の肉と向き合わざるを得ない状況に陥ることも。もはやライフワークと化しているダイエットの悩みを聞いてみると……。
「ストレスを感じるとジャンクフードが止まらなくなって後悔の嵐」(20代・女性)
「食事の量を減らすダイエットをしたら抜け毛、肌荒れ、便秘のループに」(40代・女性)
「食後のデザートがやめられず、ぽっちゃり体型から抜け出せない」(40代・女性)
「50代になって何をしてもやせなくなった」(50代・女性)
「子どもが好きな炭水化物や揚げものメインの食事で洋服が17号サイズに……」(60代・女性)
がんばってもやせない、もうあきらめた。そんな万年ダイエッターを成功に導く“瞬食ダイエット”がいま注目を集めている。ストレス知らずの食べるだけダイエットを考案したのは保健師で人気ダイエット講師の松田リエさん(37)。もともと太りやすく、約30年間あらゆるダイエットにし挑戦しては失敗してきたが、この食べるだけダイエットにより、1年間で53キログラムから41キログラムまで減量、31%あった体脂肪率は21%まで減らし、体重−12キログラム、体脂肪率−10%に成功している。3食しっかり食べながら体重を減らせるのが特徴で、10代〜70代までさまざまな体質の2500人以上が松田さんと同じ食事法でダイエット人生を見事に卒業している。
ダイエットの常識を覆す4つのポイント
これだけ多くの人がダイエットに成功した背景には、ストレスフリーで続けやすい4つのポイントがある。
1.運動しなくてOK
ジョギングをしても減る体重は意外と少ない。ハードな運動よりも基礎代謝をアップする食事内容に注力する。
2.食事制限しなくてOK
炭水化物抜きで空腹に耐えるガマンは不要。ガッツリ系の肉おかず、野菜たっぷりの副菜、ごはん、みそ汁のように定食スタイルの献立をしっかり食べてOK。ごはんを抜いて頭がボーッとする、野菜ばかり食べて筋肉が減るなんて心配も無用だ。
3.一生リバウンドしない
“瞬食”は健康的な食習慣。代謝の仕組みや栄養が身体で果たす役割を踏まえて考えられている。一度覚えてしまえば、普段の食事に取り入れやすいため、エネルギー効率のいい完全やせ体質へ変化する。短期間でやせてすぐ戻る一過性のダイエットとは縁が切れる。
4.健康&美容のうれしい変化
食事を見直すことで、健康診断の数値が好転、肌荒れや抜け毛が解消できたという体験談も続々。高糖質、高カロリーな食事への執着が消え、身体の内側から健康に。美しくやせられることがモチベーションにもつながる。
壮絶なダイエット人生を変えた保健師への転職
多くのダイエット難民をリバウンド地獄から救った“瞬食ダイエット”提唱者の松田リエさん。小学5年生のころから体型が気になり、これまでに無謀な食事制限、ハードなエクササイズ、高額エステなど様々なダイエットに失敗してきた壮絶な過去がある。
「看護師として社会人をスタートしましたが、自分に自信が持てないネガティブなところがあり、ストレスを抱えると食事が乱れ体重が増えていきました。体脂肪率は30%台になり、貧血、PMS、冷え性、肌の不調などトラブルだらけの身体に。流行りのダイエットを試してもやせることはなく、精神的にも肉体的にも限界でした」
20代前半、ダイエットに失敗し理想の自分でいられないストレスから、当時好んで食べていたのは、こってり高カロリーなものや甘いドリンクだったという。
「冷凍庫には常にカルボナーラをストックして夜遅い時間に食べたり、日中はクリームをもりもりにのせた甘〜いドリンクを飲んだり……。一方で帳尻を合わせようとダイエットサプリだけ、スープだけと食事を極端に抜く日を作っていました」
そんなとき、予防医療の保健師に転職する機会が訪れる。生活習慣病やメタボリックシンドロームの患者に食事指導を行うようになり、栄養や身体の勉強に本格的にのめり込んだ。
「患者さんと接するうちに“このままではダメだ、自分自身の食事改善にも取り組もう”と決心しました。肉や魚、野菜、ごはんをしっかり食べると栄養で身体が満たされ、脂肪が燃焼しやすくなって食欲をコントロールできることも実感。何をやってもだめだったのに、1年で体重は12キログラムも減り、考え方も前向きに変わっていきました」
運動で痩せるより、食べて痩せる方が効率的!
こうした松田さん自身の経験から生まれた“すぐ身につく食習慣=瞬食ダイエット”。着目したのは、基礎代謝をアップさせることだった。
「多くの方が仕事や家事、ハードな運動などでエネルギー消費しようとされますが、そうした身体活動による代謝率って、実はわずか30%なんですよ。全体の60%と大半を占めるのが寝ているときや呼吸するときなどに自然と消費されていく基礎代謝。食べたものを効率的にエネルギーに変える方法とは、基礎代謝をアップさせることなんです」
しかし、残念ながら、基礎代謝量は年を重ねるごとに低下してしまう。原因は加齢によって筋肉量が減り、細胞が老化してしまうことだ。これが、歳を重ねるとだんだん太りやすくなる理由の一つ。
基礎代謝をアップするには、筋肉量の維持が必須だが、「つらい筋トレをする必要はない」と松田さんは言い切る。
「女性は男性に比べて筋肉がつきにくく、30歳を過ぎると1年で1%筋肉が減っていくといわれています。でも大丈夫!毎食たんぱく質を意識的に摂れば、筋肉量は維持されますし、食後の体温が上がって脂肪が燃えやすくなります。つらい筋トレより、食べて“貯筋”の方が賢い選択なんです」
2大やせ栄養素“たんぱく質+ビタミンB郡”をセットで摂るだけ!
松田さんが提唱する基礎代謝を上げる食事法とは、2大やせ栄養素“たんぱく質とビタミンB郡をセットで摂る”というもの。
「たんぱく質のほか、糖質、脂質は人間の身体に不可欠な栄養素ですが、代謝が滞ると、カロリーが余って脂肪に変わってしまいます。このたんぱく質、糖質、脂質の代謝を加速させるエンジンの役割を果たすのがビタミンB群なんです。セットで摂取することで効率的にエネルギーに変えていくことができます」
瞬食ダイエットとは、たんぱく質で筋肉量を維持しながら、ビタミンB群で代謝を促進する。このダブルアプローチで基礎代謝をアップさせ、脂肪が燃えやすい完全やせ体質に変えるというダイエット法なのだ。
超ずぼらでもO K!究極の時短ダイエットレシピ
松田さん自身が“超ずぼら”であるため、提案するダイエットレシピはどれも3ステップの時短にこだわっているという。
「もともと料理が好きではなく、キッチンに10分立つのも辛かったんですよ。(笑) 昨年、第二子を出産したら家事、育児、仕事の両立がますます大変になって! だから忙しくても続けられるダイエットレシピを届けようと意識しています」
最後に、松田さんの新刊『ずぼらやせ!瞬食ダイエット つくりおき&スピード10分おかず152』の中から、今日から早速始められる瞬食おかずのレシピを紹介しよう。
たんぱく質が摂れるメインおかずは、レモン汁入りの特製だれで中華風にアレンジした鶏肉料理、ビタミンB群が摂れるサブおかずは、ちりめんじゃこでうま味をアップしたキャベツの副菜だ。健康的にやせる“瞬食”を味方に、食欲の秋も楽しみながら痩せ体質を目指そう!
たんぱく質おかず/スピード10分
鶏肉のねぎ塩レモンだれ
1人分:糖質1.6グラム たんぱく質21.7グラム
【材料】(2人分)
鶏もも肉……1枚(250グラム)
酒……………大さじ2
塩……………小さじ1/4
米油…………大さじ1/2
長ねぎ………1/2本
にんにく……大1かけ
〈A〉
レモン果汁…大さじ1と1/2
ごま油………大さじ1
塩……………小さじ1/3
黒こしょう…少々
【作り方】
1.鶏肉は一口大に切って酒と塩を入れて軽くもみ込む。長ねぎとにんにくはみじん切りにして別の器に入れ、〈A〉と混ぜ合わせる。
2.フライパンに米油を熱し、弱めの中火で鶏肉の両面をこんがりと焼く。
3.器に盛りたれをかけて、ベビーリーフを添える。
ビタミンB群おかず/つくりおき
キャベツのじゃこごまあえ
冷蔵保存4〜5日 1人分:糖質2.7グラム たんぱく質4.9グラム
◆画像11
【材料】(4人分)
キャベツ……………1/4個(230グラム)
ちりめんじゃこ……40グラム
〈A〉
黒すりごま…………大さじ2
しょうゆ、みりん…各大さじ1/2
【作り方】
1.キャベツは細切りにして耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジ600Wで2分加熱する。
2.ボウルにAを入れてしっかり混ぜ、水けを絞った1とじゃこを加えてよくあえる。
松田リエ(まつだ・りえ)
保健師・ダイエット講師。Belle Lus株式会社代表取締役。BelleLifeStyle協会代表理事。看護師としてがん患者のケアを担当後、保健師として成人の健康教育やメタボリックシンドローム、糖尿病患者への保健指導を行う。自身が食事改善だけで12キログラムやせた経験を活かし、食べやせダイエット専門講師として起業。受講生2500名以上をダイエット成功に導く。