“結婚したい”という気持ちがあるから婚活をする。けれど、もう何年も婚活をしているのに結婚できない人がいます。仲人の立場から、そうした人たちを見たときに、結婚できない人には、できない理由があるように感じるのです。仲人をしながら婚活現場に関わる筆者が、目の当たりにしている婚活事情を、さまざまなテーマ別に考えていく連載。今回は「結婚できない人に共通する理由や特徴」について、考えてみましょう。
65歳初婚男性、30代と結婚して子どもが欲しい
婚活してもなかなか結婚できない男性の特徴は、婚活市場におけるご自身の立ち位置を冷静に判断できていないところにあります。
年収、資産、社会的にある程度のステイタスがあれば、子どものような年齢の女性とも結婚が可能だと思っている男性が多いのです。
先日入会面談に来たみちやさん(65歳、仮名)は、面談シートを書き終えると筆者に言いました。
「私はいくつに見えますか?」
髪は白髪で薄く、頭頂部からは頭皮がのぞいていたので、失礼ながら70代に見えました。ただ、それを正直に告げるのは申し訳ないと思い、「ここに書かれているお年と同じくらいに見えますよ」とお答えしました。
すると、憤慨したようにこう言ったのです。
「それは、この面談シートに書かれた年齢の数字を見たからでしょう。大体いつも40代後半か50代前半に見られていますよ」
そして、面談シートに書かれた“女性の希望年齢”の欄を見ると30代、40代のところに丸がついていました。自営業者で、年収は1千万円以上とも記載されていました。
みちやさんは、涼しい顔で続けました。
「できれば子どもが欲しいのです。生涯現役で働くつもりですし、すでに築いた億の資産があるので、それを子どもに残したい」
年収や資産があれば、若い女性と結婚できると思っている男性はとても多い。ことに初婚の男性にそのような願望の人を見受けます。
確かに、親子のような年齢の女性を妻にしている男性はいます。ただそうした人たちは、生活圏内で女性と出会い、女性がその男性の人柄を知っていく中で恋愛感情を抱き、結婚に至ったというケースがほとんどです。
婚活は、人柄を知る前にまずはプロフィールを見て、“この条件の人ならば結婚が考えられる”という相手に申し込みをしたり、来た申し込みを受諾したりします。つまりは、条件ありきの出会いなのです。
30代の女性は、65歳で年収1500万円の男性よりも、30代で年収500万円の男性とお見合いをし、結婚をしたいと考えている人がほとんどです。
結婚できない男性の特徴
さらに結婚できない、またはお見合いの段階でお断りをされる男性の特徴を見ていきましょう。下記のものが挙げられます。
・とにかくおしゃべりで、お見合いのときに自分の話ばかりして、女性の話を全く聞かない
こういう男性は、お見合いを終えて、「あ〜、楽しかった。交際希望でお願いします」と言ってくるのですが、お相手女性からは、大抵お断りがきます。
・自慢話が多い
自分がいかに若いころ、破天荒な遊びをしてきたか。いかに女性にモテてきたかを語るのですが、過去の栄光をひけらかされても、女性の気持ちは動きません。現に結婚できずに独身だから婚活をしているのです。
・それまで恋愛経験がなく、女性と全くコミュニケーションが取れずに会話が成り立たない
こうした男性は、会話が一問一答形式で話が膨らまず、すぐに話題が尽きてしまいます。気まずい沈黙が何回も訪れるので、お見合いの段階でお断りをされることも多く、交際に入ったとしても、1度か2度食事に行くと、交際終了がきます。
・優柔不断で、その場を仕切ることや計画することが苦手。デートの日時や場所などを女性に全て丸投げしてくる
お見合い場所のラウンジが混雑していて、「40分待ちます」と言われたときに、次の見合い場所が探せず、「僕はこのあたりは詳しくないので、どこか知りませんか?」と女性に丸投げしてきます。交際に入ったとしても、デートの日時が決まると、「好きな店を選んでください」と場所も丸投げです。
・清潔感がない
お見合いはスーツで出向くというが暗黙の了解事項なのですが、スーツがくしゃくしゃでネクタイにはシミがついている。さらに、髪の毛はボサボサで、体臭がキツい。見た目は、意識して変えようと思えば、すぐに変えることができます。ところが、無頓着で変えようとしません。
・口を開けばネガティブなことばかりを言う
会社の愚痴、同僚の愚痴、親の愚痴、婚活がうまくいっていない愚痴。聞いている女性も気持ちが落ち込んできます。恋人や夫婦になって気持ちを許しあった中なら、愚痴を聞いてもらうことがストレス解消につながるかもしれません。ですが、お見合い相手に愚痴をいうのは、もってのほか。お見合いは、自分の良さをプレゼンする場なのです。
自分を棚上げして選ぶ気満々
では、結婚できない女性の特徴とは、どんなものがあるのでしょうか?
みやこさん(41歳、仮名)は、婚活歴4年になります。すでに200以上のお見合いをしてきました。筆者の相談所に入ってからは1年なのですが、お見合いをすると、必ずお相手の欠点を言って、お断りしてきます。
「今回の男性は、生まれてから今まで一度もご実家を出た経験がないようです。典型的な子ども部屋おじさんですね。今後は、まずは同居者にはフィルターをかけて、一人暮らしをしている男性とお見合いしようと思います」
「年収がお高いせいか、発言がすべて上から目線でした。ああいう男性と結婚したら、家のことは女性任せ。ワンオペ家事、ワンオペ育児になるのが、目に見えていました」
「41歳なので、高望みはできないのはよくわかっています。でも、結婚できれば誰でもいいわけではない。私がちゃんと尊敬できて、好きになれる相手を選びたいんです」
こんな調子で、お見合いしたお相手に次々とダメ出しをしてきていました。
100パーセント、自分の理想に合う相手は存在しません。また結婚は、ゴールではなくそこが二人の出発地点です。自分に物差しを作って、その基準に合わない人を切り捨てていくのではなく、良いところを探して、相手に自分を順応させる柔軟さも大事です。
結婚できない女性の特徴
そのほかにも、結婚できない女性は、こんなタイプの人たちです。
・選ぶ目線で婚活をしている
相手に選んでいただくよりも、まずは自分の目線で相手を選ぼうとする。前出のみやこさんのように、「決して高望みしているわけではない」と言いつつ、お会いした相手のダメ出しばかりしてくる。 結婚は、“選ぶこと”と“選ばれること”がイコールにならないと成り立たないのです。
・笑顔が少ない
笑顔は、人を優しい雰囲気にします。お見合いの席で、ニコニコ笑いながら、楽しそうに頷いて話を聞いているだけで、お相手は女性に好印象を抱きます。婚活パーティで多くの男性に名前を書いてもらえるのは、笑顔を絶やさない明るい人です。無表情で笑わない女性は、相手に暗い印象を与えます。
・おしゃれもメイクも完璧で隙がない
男性は、綺麗な女性は大好きなのですが、そこに入り込む隙を感じないと、敬遠してしまいます。男性に人気の高いタレントさん、女優さんというのは、ナチュラルメイクで柔らかな雰囲気を醸し出している人。おしゃれもメイクも完璧で、仕事もバリバリこなす女性は、上手に引き算をした魅力の打ち出し方を考えたほうがいいですよね。
・かなり太っている
先日、男性会員が、「お写真からもぽっちゃりしているのはわかったのですが、実際お目にかかったら、写真の2倍は横にありました」と言って、お見合いをお断りしたことがありました。ダイエットをしたからといってすぐに結果が出るものではありませんが、婚活を成功させたいなら、長い目でダイエットを心がけたほうがいいですね。
・“干物女”化している
恋愛、おしゃれ、美容から完全に遠ざかっていたのに、周りに既婚者が増えていって、仲のいい友達も結婚することになり、重たい腰を上げて婚活を始めてみた。ですが、お見合いをすれば、結婚できるわけではありません。お見合いした相手に気に入っていただかないと、交際希望はいただけません。交際に入っても相手を気遣える優しさや、自分の良さがアピールできなければ、関係を縮めることはできません。干物化していた女性は、まずは自分磨きから始めた方がいいですよね。
いかがだったでしょうか? 婚活がうまくいっていない方は、当てはまる心当たりがないか、もう一度ご自身を見つめ直してみてください。そして、婚活の仕方を考え直してみてくださいね。
鎌田れい(かまた・れい)◎婚活ライター・仲人 雑誌や書籍などでライターとして活躍していた経験から、婚活事業に興味を持つ。生涯未婚率の低下と少子化の防止をテーマに、婚活ナビ・恋愛指南・結婚相談など幅広く活躍中。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。新刊『100日で結婚』(星海社)好評発売中。公式サイト『最短結婚ナビ』 YouTube『仲人はミタチャンネル』