自分のことを「いい人」という人間に、本当のいい人がいたためしがない。
何かと炎上を繰り返す男性5人組YouTuber『コムドット』。
今年7月に東京ドームで主催したビッグイベントにて、リーダーのやまとが「日本一のグループになる」と宣言していたが……。
コムドット・やまとの「いい奴ら」発言はリップサービスだった?
コムドットは今月1日にも2024年版卓上カレンダーの発売記念イベントを開催。集まったファンに計1万冊以上を手渡したことで、『8時間でもっとも多く配布されたサイン入りアイテムの数』としてギネス世界記録に認定された。
だが、この日集まった報道陣に対してやまとが放った言葉が、冷ややかな視線を集めているのだ。
やまとはネガティブな記事ではなくポジティブな記事を書いてほしいと訴えた後、「僕たちはどっからどう見ても“いい奴ら”であります」と発言。本人は冗談半分のリップサービスで言ったのかもしれないが、報道陣から笑いが起きることもなかった。
5年前の2018年10月にチャンネル開設し、飛ぶ鳥を落とす勢いでYouTube界に名を轟かせてきたコムドットだが、最近はやることなすこと裏目に出ており、ここ数か月でチャンネル登録者数が激減。今年6月下旬ごろは416万人を誇っていたが、10月11日時点で384万人となっており、30万人以上のファンが離れているのである。
30万人以上のファンが離れた大炎上の原因
コムドットの主な炎上騒動を振り返ってみよう。
2021年6月、緊急事態宣言中にYouTuber31人が集まった大宴会にコムドットメンバーが参加していたことで大炎上。
そのわずか3か月後の2021年9月には、閑静な住宅街にあるコンビニ駐車場で彼らが深夜に騒いでいたため、近隣住民が通報して警察が出動するという事態も引き起こしている。
そして今年6月、盟友だった女性2人組YouTuber『平成フラミンゴ』と、先述の東京ドームイベントの契約をめぐるトラブルが露呈。その際、やまとがTwitter(現X)で彼女らに向けて放ったと思われる「被害者ヅラ」発言が反感を買って大バッシングに。ちなみにこの平成フラミンゴとの事件が、登録者数30万人減少の発端である。
また今年9月、コムドットが活動拠点としているマンションは規約で撮影などの行為を認めていないにもかかわらず、彼らは以前から動画撮影を繰り返しており、再び騒音トラブルを起こしているのだ。
彼らはブランディングに大成功していたが……
本当にいい人ならば、自分たちのことを「いい奴ら」なんて言わないもの。
例えジョークだったとしても、ここまでの炎上の数々を振り返れば、その痛い発言がさらに墓穴を掘ることになると想像できなかったのだろうか。
さて、感情論は置いておくとして、フラットな視点でコムドットを見ると、彼らがブランディングの舵取りに失敗していることがわかる。
表に出る人気商売ならば、世間の感情を読み取ってパブリックイメージをコントロールする必要があるわけだが、リーダーのやまとがその本質を理解していないのだろう。
厳密に言うと、かつての彼らはブランディングに大成功していた。けれど、すでに次のフェーズに入っており路線変更をすべき時期なのだが、それをわかっていないのだと思う。
コムドットは「地元ノリを全国へ」をスローガンに掲げて活動しており、ちょいワルでヤンチャな雰囲気を打ち出し、同世代や彼らよりさらに下の世代から熱烈に支持されていた。
チャンネル登録者数を50万人、100万人と増やしていった彼らは、もしかすると自分たちがおもしろいと思うことを自然体でやっていただけなのかもしれないが、結果的にブランディングが大成功しバズりまくったのだ。
コムドットが見習うべきはあのオッサン芸人
だが、それまでは若者たちだけのカリスマで多くの大人たちは知らない存在だったが、チャンネル登録者数が200万人、300万人と増えていくにつれ、ネットニュースなどでも取り上げられるようになり、広い世代に認知されていく。
そして、チャンネル登録者数が400万人前後にもなったことで日本屈指のYouTuberとして国民に知れ渡ったわけだが、ここからさらに“上”を目指すのならば、もう次のフェーズに入っていたことに気付くべきだった。
すでに彼らは「ちょいワルな若者」から「昔はワルかったが今は常識ある大人」に、ブランディング変更しなくてはいけないフェーズに入っているのである。
たとえばヒロミ。30代ごろまでは元ヤン臭をビンビンに放つワルな言動で人気を博していたが、芸能界から距離を置いて復活してからは、典型的な「昔はワルかったが今は常識ある大人」に路線変更している。
今のコムドットが見習うべきは、まさにヒロミのブランディングチェンジなのだ。
コムドットは全員、今年度で25歳になる同級生。まだまだ若者だし、結成してから5年しか経っていない。ヒロミのようなオッサンのブランディングを真似るなんて……と考えているとしたら甘い。
ネットの流行り廃りはテレビなんて比じゃないぐらいにスピーディ。彼らはもう四捨五入すれば三十路の大人世代で、結成5年も経っているベテランYouTuberなのである。
実は国民的タレント・みちょぱと同学年
みちょぱこと池田美優を思い出してもらいたい。
彼女はギャルのような見た目をキープしつつも、どの芸能人よりも倫理観がしっかりしているし、言葉遣いこそ今でもフランクだが、誰よりもコメントに筋が通っている。テレビに出始めた当初はゴリゴリのギャルタレントだったが、今や老若男女に愛される国民的タレントに成長しているのはご存知のとおり。
そんなみちょぱとコムドットたちは同学年。この事実が何を意味するのか、彼ら自身がきちんと理解しなくてはいけないのではないだろうか。
今いるファンとだけ結束を強めていくつもりなら、「ちょいワルな若者」というブランディングのままでいいのかもしれない。だが、ここからさらにファンを増やして日本一のYouTuberを目指すならば、「ちょいワルな若者」にしがみついている場合じゃないと一日でも早く気付いてほしい。