「容疑者は180センチぐらいの長身で、がっしりしていました。でも、性格は無口で、おとなしい感じでしたけど……」
埼玉県熊谷市にある容疑者の自宅近くの住民は、驚きを隠せない様子でこう話した。
栃木県警捜査一課と同県警下野署は10月19日の午前4時17分、埼玉県熊谷市の職業不祥・安栖達也容疑者(28)を死体遺棄の疑いで現行犯逮捕した。
「逮捕したのは栃木県河内郡上三川町の路上だった。容疑者が真夜中、人けのまったくない田園地帯をレンタカーでウロウロしていたため、付近をパトロールしていた警察官が職務質問。すると、レンタカーの後部座席に毛布で覆われた10~20代とみられる女性の遺体が横たわっていた。車を借りて、自宅から約55キロも離れた場所に死体を捨てにきたと考えられている」(全国紙社会部記者)
その後の捜査で被害女性は千葉在住の女子高生(15)と判明。死因は首を締められたことによる窒息死の可能性が高いという。
安栖容疑者は警察の取り調べに対して、
「女性の遺体を放置、遺棄したのは間違いありません」
と容疑を素直に認めているという。
容疑者は幼いころ、可愛らしかった
容疑者は熊谷市の一戸建ての自宅に、祖母と両親の4人で暮らしていた。
「祖父は自衛隊員で、勤務中に高所から落ちて亡くなったと聞いています。父親は会社員だけど、身体を悪くして、最近は自宅で仕事をしているみたいよ。容疑者は次男坊で、兄はすでに結婚して、家を出ています」(近所の女性)
容疑者は幼いころ、可愛らしかったとも。
「でも、中学校、高校と大人になるにつれて見かけなくなった」(同・女性)
冒頭の近隣住民は数年前、容疑者をごみ集積所で見かけたという。
「近所にアパートが多くて、そこの住民が自治会に入ってないのに、勝手にごみ捨てしていると思って“どこのかた?”と声をかけたんです。すると“そこの安栖です”って。その後も何度かごみ集積所で見かけたし、昼前にママチャリに乗って駅のほうに向かう姿も見ましたよ。たぶんバイトに行くときだったんじゃないかな」
ごみ集積所で会うと愛想は良かったのだが…
近所の別の住民も、今年の春先ごろ、やはりごみ集積所で見かけていた。
「彼(容疑者)に“今日、仕事は休みなの?”と聞くと、“最近、仕事を辞めてしまって……今、捜しているところです”って。普通ならゴマかすところを、きちんと答えてくれた。まだ若いんだから頑張りなさいと励ましたら、“はい”って。素直なとてもいい子だと思いましたよ」
一方、安栖容疑者の中学の同級生たちに話を聞くも、「記憶にない」「おとなしい」と印象がかなり薄いようだった。
だが、そんな穏やかな容疑者には過去に前科があったとも。
「10代そこそこの女児を連れ回して逮捕されたことがあるようで、執行猶予つきの有罪判決を受けたとも。今回、どういった経緯で被害女性と出会ったのかは捜査の進展を待つしかないですが、同様のことがあったと考えられている」(前出・社会部記者)
安栖容疑者の自宅は、夜になっても明かりはともらなかった。自身の家族の憔悴、そして被害者遺族の悼む気持ちが容疑者に少しでもあるのであれば、すべてを正直に供述してほしい。