コロナ禍が明けて、“いつもの”クリスマスディナーショーが4年ぶりに開催される。会場となるホテルに話を聞いてみると、感染対策を気にすることなく、久々の賑やかなステージが楽しめそうだ。
「もちろん、お客さまの安全を第一に考えながらも、アーティストを近くに感じられる本来のディナーショーの形に戻して、今年は開催します」(ザ・プリンス パークタワー東京)
「'21年と'22年もクリスマスディナーショーを開催しましたが、ファンの中にはコロナ禍で参加を断念する方もいたと思います。今年はそうした方もご興味を持ってくださっているのか、昨年よりも多くの反響をいただいております」(ホテルニューオータニ東京)
芸能リポーターの川内天子さんも期待感を募らせる。
「芸能人のみなさんも、会場となるホテルも、この3年間は忸怩たるものがあったと思います。マスクの着用が義務づけられて、席数を減らし、本来のディナーショーとは程遠い形でしか開催できなかったのですから。制限なしでの開催は4年ぶりということで、みなさん、そうとう力が入っているでしょうね」
1位は前年より“11000円アップ”の衝撃
そこで、今年の年末にディナーショーを開催する芸能人を週刊女性は徹底取材。すると、そこには“いつもと違う”変化が見えてきた。
'21年と'22年、チケットお値段ランキングのトップだった谷村新司さんが、10月8日にこの世を去った。
「谷村さんは長年、帝国ホテル東京などでクリスマスディナーショーを開催してきました。今年の3月に急性腸炎の手術をした影響で、年末のクリスマスディナーショーは休止すると発表はされていて、来年こそと思っていた矢先なだけに……残念でなりません」(スポーツ紙記者)
'20年に、オンライン形式で開催していた八代亜紀も、膠原病のため年内の活動休止を発表ずみ。
こうした顔ぶれに変化がある中、錚々たる芸能人たちを抑え、今年のお値段ランキングのトップに立ったのは“日本で一番うまい歌手”こと玉置浩二。昨年は5万4000円だったが、衝撃の1万1000円アップで6万5000円に。
「1位が玉置さんと聞いてビックリしましたよ。昨年の会場はホテルニューオータニ東京でしたが、今年はグランドプリンスホテル新高輪の『飛天の間』ですよね。一流芸能人が結婚式やパーティーを開くような会場ですから、これくらいの値段でないと採算が取れないのでしょう」(川内さん、以下同)
価格を据え置いていた美川憲一のチケットも8000円アップ
とはいえ、昨今の物価高は苦しいし、高額チケットのショーには足を運ぶのをためらう人もいるのでは?
「これだけ値上げされていれば、玉置さんのファンも当然気づく。ただ、それでも来てくれるという自信があるのでしょう。ファン心理としては、『飛天の間』で玉置さんを見られるという特別感もありますし、豪華なショーを期待します。何か特別な演出やサプライズがあるかもしれません。個人的には、今年のクリスマスディナーショーで一番の注目株です!」
なぜ、これほど値上げされたのか、その理由を玉置の所属事務所に問い合わせたが、
「クリスマスディナーショーについての取材は、お断りしております」
とのこと。ショーの満足度は、きっと“今以上、それ以上”に違いない。
大幅値上げに踏み切った芸能人はほかにも。“ファンのために”と価格を据え置いていた美川憲一のチケットは8000円アップ。
全体的には、昨年から3000~4000円値上げされている。
「みなさんかなり強気な価格設定で、正直ビックリしています(笑)。コロナの時期は、席数が減っていたことや材料費の高騰で、値上がりも珍しくなかったのですが、制限がなくなった今回も、ほとんどの人が値上げしています。久しぶりとなるディナーショーに力を入れているのが伝わってきます」(川内さん)
昨年は周年ライブ活動のため年末ディナーショーを開催せず、今年が2年ぶりとなる郷ひろみ、稲垣潤一、広瀬香美も値上げでカムバック。一方、同じく2年ぶりの大黒摩季は価格据え置き。値上げしてもしなくても“億千万”の価値があるショーを見せてくれる予感がする。
そんな値上げの波にまったく影響されていないのが三山ひろし。昨年どころか、'20年からいっさい値上げせず、価格は2万8000円のまま。いったいなぜ?
「これまで長い間、クリスマスディナーショーをやらせていただいているので、無理のない範囲で多くのお客様に足を運んでいただきたいという思いです。コロナ禍にはバンドメンバーの数を減らして、小規模の編成で開催しておりましたが、久しぶりにフルメンバーの生演奏でお送りいたします。ほかの方が値上げをされていても、特に影響はありません」(三山の所属事務所)
値上げラッシュの中でお値段据え置きは、ギネス記録並みの努力のたまものかも。
今年、初めてクリスマスディナーショーを開催するのは、堀ちえみとDEEN。それぞれ初開催に踏み切った理由を尋ねると、
「昨年、芸能生活40周年を迎えましたが、コロナ禍のためコンサートを開催できませんでした。ようやく今年になって、全国でアニバーサリーライブを行うことができ、その集大成として東京でディナーショーに挑戦します」(堀の所属事務所)
「当ホテルは9月に開業30周年を迎え、同じく3月に30周年を迎えられたDEENさまにオファーいたしました。DEENさまがディナーショーを開催されるのは初めてのこと。お客さまとの距離がライブ以上に近く、ショーならではの魅力をお楽しみいただけると自負しております」(ホテルニューオータニ幕張)
さすがの松田聖子は……
昨年が初開催だったASKAは今年も参戦。
「昨年のクリスマスディナーショーは、本人が思っていた以上に反響があり、楽しむことができたそうですよ。そのため、今年も開催することになったそうです」(レコード会社関係者)
お値段ランキングのトップに立ったのは玉置だったが、“ディナーショーの女王”といわれるのは松田聖子。
「昨年は3日間の開催予定のところ、あまりの応募の多さに公演を1日増やしました。今年は、最初から4日間の公演が予定されていましたが、即完売。コロナ禍が明けて、昨年より席数も増やしたそうですが、さすが聖子さんです」(前出・スポーツ紙記者)
'21年に愛娘の神田沙也加さんを失うという悲劇はあったが、こうして元気な姿を見せてくれる聖子だから、ファンはついていくのだろう。
一方、'22年8月に再始動を発表したものの表舞台には出てこない中森明菜は、今年もクリスマスディナーショーの開催は発表していない。
「今年こそ、とファンの期待度はすごく高かったと思います。ディナーショーは芸能人にとって確実な収入となりますから、明菜さんにとってもいい話のはずなのですが……来年以降もクリスマスディナーショーはやるのかどうか、ソワソワしている人も多いでしょう」(川内さん、以下同)
最後にもう1人、ある意味で今年一番の注目株といえるのは『SMILE―UP.』社長の東山紀之。約21年ぶりに開催のディナーショーをもって、タレント活動を引退すると表明している。
「性加害問題で世間から大きな批判にあった中、開催に踏み切ろうとしているのは驚きです。華々しく開催しても、批判の対象になってしまいますし、かといってお客さんのことを考えれば全力でやるしかない。これはこれでどんなショーになるのか、楽しみなところではありますよ」
コロナ禍が明けた今年は、初めてのクリスマスディナーショーに行ってみる?