この夏から、人知れず大きな挑戦をしている女性がいる。
9月に開催された、健康的で美しい体を競うコンテスト・サマースタイルアワードに出場した窪清楽さん。六本木のキャバクラで働く彼女は“脳筋キャバ嬢”として、TikTokでも体型のビフォーアフターやトレーニングご飯を投稿し、女性を中心に支持されている。
キャバ嬢が筋肉美コンテストに出場
今では「運動が楽しい」と語る彼女だが、体型に悩み、手段を選ばないダイエットを行っていた時期もあった。そんな彼女がなぜ、コンテストへの参加を決めたのか、本人に話を聞いた。
「高校生のときから、自分の容姿を異常なほど周りと比べしまい、今考えたら全然太っていたわけではないのに“あの子の方が細い”“もっと痩せなきゃ”と常に思っていました。食事をするのも怖くて、旅行に、体重計を持っていくほど。1日1食しか食べないダイエットや痩せるサプリ、下剤を使ったりしていました」
昨年の冬ごろから、“運動して健康的になって、食事も楽しめるようになりたい”という思いが強くなり、パーソナルジムに通い始めた。
「少しずつ運動が好きになっていきました。ジムのトレーナーさんから、“コンテストに応募してみたら?”と勧められたことや、お酒を飲んでいても健康的に痩せられるというのを証明したくて、出場を決めました」
本格的に体づくりに取り組み始めたのは2月末。短期間で、体を変えるのは想像しただけでも過酷だが、現在も六本木のキャバクラ店で働いている彼女は、お酒を飲む機会も多く、体づくりとの両立はかなり難易度の高いチャレンジとなる。
「ちゃんとした食事を、1日3回とって代謝を戻してからでないと、体づくりのための減量を始めることができなくて。これまでと真逆のことをするのは少し怖かったですし、体重が増え始めてふっくらした姿も嫌でしたが、体力がついてきて、筋トレがうまくできるのが楽しくて、モチベーションがあがっていきました。
コンテスト本番1か月前からはお酒を禁酒して、お店で一緒に働く女の子たちが私の代わりにお酒を飲んでくれたり、ボーイさんも出勤の融通を効かせてくれたので、大会に集中することができました。周りの協力が本当に有難かったです」
コンテストでは、毎年参加者が1番多いと言われている東海地方で2位、ルーキー部門では1位という素晴らしい結果を残した。
だが、それ以上に得られたものが多かったと言う。
「メンタルが本当に強くなりました。私はとにかくネガティブな性格で、体型をほかの人と比べては落ち込んで、“もっと細くならなきゃ”と、無理なダイエットをしていましたが、しっかり食べてたくさん運動するという生活を続けていたら、“少しくらい食べ過ぎてもすぐに太らない”という考え方が身について。母親からも“本当に性格変わったよね”と言われるくらいポジティブになりました。
体づくりは、短期間で結果が出るものではないし本当に地道な作業。ただ、大会が近づいてくるにつれて、“自分はあれだけやってきた”と、積み重ねてきたことがそのまま自信になっていったんです」
自身の体験から、体型に悩む人たちへのアドバイスの言葉をもらった。
「私はまず、“他人は意外と自分を見ていない”と気づいて楽になりました。だから、精神を病むほど気にする必要はないんです。私の場合、無理なダイエットで体に害が出てしまったりと、後悔していることがたくさんあります。外見に悩んでいる人たちには、そうなる前に考え方を変えてほしいと思っています」
トレーニングや体作りの“沼”にどハマり
人生が変わった今回のチャレンジ。12月には、ルーキー部門で上位5位以内に入った人たちが参加するチャレンジカップが控えている。
「運動が楽しいと思えるようになったところから始まって、今では“ここの筋肉をこうしたい”とか、“お尻や肩をこういう形にしたい”と、目標が細かく、深くなってきていて。トレーニングと体づくりの“沼”にはまっています。そして、私みたいに体型や外見に悩んでネガティブになっている人たちに向けて、私自身も救われた、運動の楽しさをTikTokなどで発信していきたいです」
小さな積み重ねの大切さを教えてくれた窪さん。目指せ。日本一の“脳筋キャバ嬢”!