《子どもにこんな人、見てほしくない》《子どもの目にも触れるような公の場に出てくるのはちょっとね…》
こんな辛辣な声を浴びたのは、元セクシー女優でタレントの三上悠亜。なにわ男子・長尾謙杜との交際が報じられたことで、名前を聞いた人も多いだろう。10月8日に台湾プロ野球の始球式に登場した三上は、グラウンドで満面の笑みを振りまきながらチアガールとともに踊り、観客を沸かせた。
このことが日本でニュースになると、「悠亜ちゃん、かわいい~!」といった声とともに、冒頭のような批判も上がったのだ。“元セクシー女優”ということが、一部の人たちは気に入らなかったようだが、台湾ではどう報じられたのだろうか。
“元セクシー女優”に抵抗なし
「三上さんが始球式に登場したことについて、台湾内でバッシングはほとんどありません」
と話すのは台湾在住のライター、陳美保さん。日本で賛否両論が上がっていることについて、
「“これが日本人だ”と記事になったくらい(笑)。こちらで三上さんは、ゲームアプリのCMにも出演していますし、街中ではラッピングバスも普通に走っています。月に1~2回、台湾でファンミーティングも開いていますし、人気のあるタレントさんという認識です」(陳さん、以下同)
過去にはセクシー女優の波多野結衣が現地の清涼飲料水のCMに出演するなど、台湾の人たちにとっては“元セクシー女優”ということにアレルギーはないようだ。
「お葬式やお祭りのとき、過激な衣装の女性がポールダンスをすることがよくある国ですが、性的なものすべてに抵抗がない、というわけではないと思います」
陳さんは日本との違いに触れながら、国民性の違いなのでは、と続ける。
「今は今、というふうに捉える人が多いですね。その人の出自より、今、何をしているのかのほうが大事なんです。高齢の方に三上さんの昔の仕事のことを話しても“どうしてそんな苦労をしていたの?”と聞かれるくらい。セクシー女優だったからといって、そこを嫌悪する人は少ないです」
また、台湾人の日本に対する感情もプラスになっているのかも、と陳さん。
「日本のアニメなども流行っていて『推しの子』は、昼休憩のときにみんな見ています。台湾ではこの時間、普通はお昼寝の時間なんですけど(笑)。そんなこともあって日本のタレントについても、みんな好印象を持っていますね」
日本で三上がバッシングを受けたことについて台湾では、「いやらしい目で見すぎているんじゃないの?」と彼女をかばうような雰囲気があるという。
三上本人は、
《色々議論が起きていますが、オファーをくださったお仕事に対してできる限り最善を尽くしてやらせていただくことが、私のお仕事だと思っていますので、それ以上言えることはないです》
と、コメント。「職業に貴賎はない」という言葉があるが、日本ではまだ偏見のほうが強いよう。
台湾のように“過去”ではなく、“今”に目を向けられるようになるのは、いつのことか─。