サルゴリラ(ルミネtheよしもとInstagramより)

 10月21日に放送された『キングオブコント2023』(TBS系)で第16代王者に輝いたサルゴリラ。大会史上最高得点となる964点を叩き出し、大会最高年齢の王者となった。

「優勝直後には仕事のオファーが50件以上届いたそうです。しばらくは“チャンピオンバブル”で忙しい日々が続くでしょう」(スポーツ紙記者)

芸人仲間から愛される2人

 ハリセンボンやしずる、同じく『キングオブコント』王者のライスと同じ、吉本興業が主催するお笑い養成所NSCの東京校9期生としてデビューした2人。

最初に組んだガッチャというトリオでは日の目は見ませんでしたが、“家事えもん”として知られる松橋周太呂さんとジューシーズというトリオを結成。パンサーやジャングルポケットとテレビ朝日系『333 トリオさん』にレギュラー出演するなど、活躍が期待されていました」(お笑いライター)

 しかし2015年に『333 トリオさん』の番組終了とともに、松橋が芸人を引退するためトリオから脱退。

 幼馴染だった赤羽健壱と児玉智洋の2人で、サルゴリラとして再出発することに。その後はなかなかメディアに出る機会には恵まれなかったが、そんな2人を支えたのが又吉直樹とパンサーの尾形貴弘だったという。

又吉さんは児玉さんの才能を高く評価していて、食えない児玉さんを支えるためにパンサー向井慧さんを含めた3人で一時、ルームシェアをしていたんです。児玉さんは向井さんより先輩だったものの収入が少なかったため、いちばん狭い部屋に住む代わりに家賃は5万円に抑えてもらっていたそうです。

 結婚後に児玉さんは世田谷区に移住しましたが、2人は杉並区高円寺の出身。現在も実家に住む赤羽さんは、同じく高円寺在住のパンサー尾形さんが結成した“尾形軍団”のメンバーになり、尾形軍団として彼のYouTubeやバーターで番組に出演させてあげていたんですよ」(放送作家)

 賞レースのチャンピオンになっても必ずしもテレビでブレイクするとは限らないが、制作会社関係者は「サルゴリラはブレイクする下地がそろっている」と語る。

ジューシーズ時代に出演していた『333 トリオさん』は『ロンドンハーツ』などで知られる加地倫三プロデューサーが手がけた番組です。加地Pは面倒見が良く、放送作家に転身した元メンバーの松橋さんを『アメトーーク!』など、自身が手がける番組のスタッフに起用しているほど。

 松橋さん自身も人気放送作家になっているので、『キングオブコント』チャンピオンという肩書きを得た今なら、加地Pや松橋さんも担当番組でサルゴリラをキャスティングしやすいのではないでしょうか」

 また大会を主催するTBSがバラエティーに力を入れていることや売れっ子同期の存在も追い風になりそうだ。

「朝の大喜利番組と呼ばれる『ラヴィット!』のほか、今秋スタートした『ジョンソン』など若手を起用する番組があるので、今後この2番組ではサルゴリラを積極的に出演させるはず。また年に1回『キングオブコントの会』というスピンオフのコント番組を放送。

 そこでダウンタウンやさまぁ〜ず、バナナマンといった先輩芸人たちに気に入られれば、さらにチャンスは広がるでしょう。また大阪の同期にはかまいたちがいるので、彼らの番組にも呼ばれるはず」(前出・放送作家)

 演技力に定評のある2人は、「俳優としても引っ張りだこのシソンヌに近いブレイクの仕方をするのでは?」との声も。

シソンヌのようにジワジワと仕事を増やすタイプ

シソンヌ

「赤羽さんは品川ヒロシ監督の映画『サンブンノイチ』でメインキャストとして出演。児玉さんは品川さんが監督を務めた『漫才ギャング』の舞台版に出演するなど、俳優としての評価も高い。 

 わかりやすいギャグなどはないので瞬間風速的に売れるというよりは、俳優業もこなしながらシソンヌのようにジワジワと仕事を増やしていくタイプでしょうね」(前出・お笑いライター)

 さらに2人はスキャンダルとは無縁のキャラクターだという。

「幼馴染でも芸人活動を続けていくとビジネスライクな関係になるコンビも多い中、2人は今でも本当に仲よし。芸人仲間に対して怒っている姿も見たことがなく、彼らを嫌いという声や悪口は聞いたことがない。

 また児玉さんは愛妻家で女性スキャンダルを起こすタイプではないですし、赤羽さんは独身なので熱愛発覚ぐらいでは仕事に影響はないでしょう」(前出・放送作家)

 実力もあり、芸人仲間たちからも愛される2人の姿をテレビで見かける日が増えそうだ。

 

かつて同居していたパンサー向井慧、又吉直樹、サルゴリラ児玉(かが屋・賀屋のXより)

 

サルゴリラ赤羽は尾形軍団の一員だ(パンサー尾形Instagramより)

 

元相方の松橋周太呂は“家事えもん”でブレイク、放送作家としても活躍(本人SNSより)

 

ライスの二人(左が田所仁、右が関町知弘) 撮影/森田晃博

 

かまいたち