「男の子の親がそういう心配をしなきゃいけないなんて。ジャニーズの性加害問題でも被害者の方はずっと人に言えなかったわけですし、認識を改めないといけませんね。うちの息子が言うには、厳しい先生みたいです。そういうことをする先生には見えなかったって」(容疑者が勤務する公立中学校に通う男子生徒の母親)
“そういうこと”とはわいせつ行為。教え子の男子中学生の身体を触るなどしたとして埼玉県警朝霞署が10月16日、強制わいせつの疑いで逮捕した同県朝霞市の公立中教諭・外崎三吉容疑者(43)のことだ。
風呂場でふたりきりになったタイミングを狙って…
「事件があったのは4年前の9月6日夜。当時勤務していた県内の中学で、学校行事として1泊2日で群馬県内の宿泊施設を訪れた際、10代の男子生徒と風呂場でふたりきりになったタイミングを狙って、身体を触るなどした疑いが持たれています。被害生徒は3年たって、ようやく被害申告に至り、昨年9月に関係機関から情報提供を受けて捜査が進められてきました。引率教諭という立場を利用した悪質な犯行です」(全国紙社会部記者)
警察の取り調べに対し、「やっていません」と否認しているという。
外崎容疑者は社会科教諭ながら県内の各中学で吹奏楽部顧問を長く務め、指導する学校を全国大会の常連に押し上げるなどの実力者として知られていた。県大会、ブロック大会を経て、全国でわずか30の代表校に絞られる『全日本吹奏楽コンクール』に6度導き、最高評価の金賞や銀賞を受賞。県吹奏楽連盟の常任理事でもあり、今年8月の『吹奏楽コンクール北陸大会』では審査員に名を連ねた。
大会の好成績だけで満足せず、学校単独で昼・夜2部制の定期演奏会を開いたり、演奏を収録したCDアルバムを販売するほどだった。
県内の吹奏楽関係者は言う。
「他校の指導者に呼びかけて県中学校選抜吹奏楽団を立ち上げ、県全体のレベルを底上げした功労者。生徒たちはライバル校の優れた演奏者と切磋琢磨し、新潟、山梨、群馬各県と競う西関東ブロックの大会では埼玉が群を抜いて強くなった」
容疑者は常々、
「上手だねと言われる音楽よりも、また聴きたい、感動したと言われる音楽を目指そう」と生徒を鼓舞してきたという。聴衆から「ブラボー」の声が飛ぶこともあった。
“オトコ好きのオンナ嫌い”で有名
いわばカリスマ指導者。大会で演奏する自由曲の選曲でも生徒を子ども扱いせず、男女の情愛や背徳、三角関係などを描いた表現の難しいオペラを好んだ。
「生徒も驚いている様子でした。部活動の指導だけでなく、教材研究をはじめとする教科指導や学級運営にも熱心でしたから。逮捕後、全校生徒を対象にアンケート調査を実施しましたが、逮捕容疑に類似する案件の報告はありませんでした」(同校の教頭)
吹奏楽部は顧問2人体制のため、活動は継続できているという。
容疑者の元勤務先の中学を卒業した10代女性は、「明るくノリのいい先生。でも、怒鳴ったりするので私は苦手だった」とポツリ。
別の卒業生の10代男性はこう話す。
「中学時代に友達が被害に遭ったことを打ち明けていたので、逮捕は“やっとか”という印象です。泊まりがけの行事の最中、風呂場で股間を揉まれたって気持ち悪がっていました。そもそも生徒のあいだでは“オトコ好きのオンナ嫌い”で有名でした。男子生徒に甘く、女子生徒にはきつく当たるんです」
吹奏楽部は多目的ホールで練習することが多く、一般生徒も見学できた。
被害に遭った友人は“気持ち悪い”
「男子部員のミスは淡々と指摘するぐらいなのに、ほんの少し音程がズレた女子部員には“音程が少し違う!”“そこ違うだろっ!”と声を荒らげてめちゃくちゃ厳しかった。外崎先生の好みはカッコいいクールなタイプの男の子。かわいい感じの男の子も好きで、幅広かった。実績のある先生なので周囲の大人は見て見ぬふりをしたのかもしれませんが、僕は許せない。被害に遭った友達は“気持ち悪い”とさんざん言っていましたから」(前出・10代男性)
逮捕案件の被害者と同一人物か断定できないものの、友人の告白に不自然な点はなく信用できるだろう。
容疑者宅は同県川越市にある3世帯住宅。約9年前に新築し、実母ときょうだいの家族と暮らす妻子持ちだ。
「奥さんも教師で、幼い子どももいるのに何をやっているのか。白いワイシャツ姿で楽器を積めるような大きなワゴン車に乗り、物静かで実年齢より老けて見えましたね。犬の散歩は奥さんに任せっぱなしでした」(近所の住民)
との声がある一方、「挨拶してくれる感じのいい人で、家族仲も良さそうでした」(近所の女性)とも。
容疑者の言い分などを聞くため自宅を訪ねると、家族とみられる女性が出てきて「取材には答えたくないので、もう来ないでください。子どももいるのでやめてください」と取材拒否だった。捜査の進展が待たれる。