旧ジャニーズ事務所(現「SMILE-UP.」)のタレントを起用した久光製薬『フェイタス』のQUOカードプレゼントキャンペーンが、当選後に当該カードのデザインを変更したとしてファンの怒りを買っている。
ひっそりとデザイン変更にファン激怒
「このキャンペーンは、Snow Manの岩本照さん(30)とWEST.(旧ジャニーズWEST)の重岡大毅さん(31)の2人が肩を組んだ姿が印刷されたQUOカードを、商品を購入した人を対象にプレゼントするというものでした。
応募期間は8月7日から10月6日まででした。この間、旧ジャニーズ事務所は9月7日と10月2日に2度会見を開き、創業者の故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を認めています。これを受けてか、フェイタスを販売する久光製薬は岩本さん、重岡さんが起用されたQUOカードデザインから、商品のパッケージデザインに変更したようです」(広告代理店社員)
応募期間内には一切のデザイン変更を知らせる告知がなく、当選者への通知にて、
「当社ではこのたびのジャニーズ事務所の問題を受けまして、当初デザインのQUOカードから商品パッケージデザインのQUOカードに変更させていただいております。ご当選されたお客様の中には当初デザインのQUOカードを楽しみにしておられたお客様も多くいらっしゃるかと思いますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。」
と変更された商品パッケージデザイン画像と共に報告した。
これに岩本、重岡目当てに同商品を購入し当選したファンがSNS上で、
《やっぱり納得できないよ久光製薬さん。しげひー(重岡と岩本)のデザインのQUOカードだからフェイタス頑張っていっぱい買って応募したのに!!当選してめっちゃ喜んだのに住所入力画面でいきなり出してくるのずるいよ……》
と悲鳴を上げた。
10月31日に投稿された同ポストは、1日で5700件のリポストと78万件を超える表示がなされている。またSNS上では、「フェイタス」や「景品表示法」がトレンド入りした。
ファンからは、
《フェイタスのキャンペーン、普通に景品表示法違反じゃない?『誤認されるおそれのある表示』とか『おとり広告』に該当しないの??》
《久光製薬さんの件は景品表示法違反になるんじゃないの?当たった人は消費者庁に連絡した方がいいよ。タレントのQUOカードだからわざわざ商品を買って応募したのに当選してから絵柄変更しましたご理解をって理解できるわけないわ》
《消費者庁の『景品表示法違反被疑情報提供フォーム』から情報を送りました。大切なのは会見から応募期間終了まで期間があったにも関わらず内容を変更せず応募を募ったことだと考えます》
と怒りの声があがったり、消費者庁へ報告したとの投稿も見られた。
一方で、
《『景品表示法違反では?』の声もありましたが、応募規約に『※本キャンペーンは、キャンペーン事務局の任意の事情で、変更、中断、中止する場合がございます。』との記載があるので、恐らく法律的にはセーフです》
と、同社がキャンペーン内容について変更・中止等の可能性を当初から記していたとの指摘もあがっている。
ただ、ファンはそれでも怒りが収まらず、
《印象は悪いしはっきり言って詐欺ですよね》
《当選した人にしか告知されないコッソリ告知、ひどい対応ですね。会社のイメージ損ないましたね》
《企業倫理が終わってるし、商品を使っていて何かトラブルが起きた時にも不誠実で非常識な対応されそうで怖くて商品を買う気にはなれないな、製薬メーカーなので余計に……》
と、景品表示法違反であろうとなかろうと許せない様子だ。
そこで、久光製薬に問い合わせたところ、以下のような回答があった。
久光製薬の回答は?
――なぜデザイン変更があったのか。また応募期限までにデザイン変更の告知が可能だったにも関わらず、変更の告知が無かったのはなぜか。
「当社は、人権尊重についての基本的な考え方を規定した当社の企業憲章に則り、性加害はもとよりいかなるハラスメントも容認いたしません。
旧ジャニーズ事務所の不祥事に対し、今後同事務所の新経営陣が講じる再発防止策が当社の納得いくものでなければ、現在のタレント契約は期間満了をもって終了し、新たな契約も締結しないとの方針です。
これに伴い、旧ジャニーズ事務所の所属タレントを起用したCM活動を含む全ての販促活動も中止しておりますので、本キャンペーンのQUOカードデザインも同事務所に所属するタレントは使用しないデザインに変更させていただきました。
当選されたお客様への告知につきましては、当社でも当選告知ギリギリまで慎重かつ応募されたお客さまのご意向にも配慮し検討しており、その結果、今回の対応となりました」
――ネット上では旧ジャニーズファンなどが景品表示法ではないかと声をあげているが、それに対する見解と、ファンへのコメントはあるか。
「当社は、旧ジャニーズ事務所の人権問題及び倫理上問題となる行為は決して許されるものではないとの判断から、所属タレントを起用したCM活動を含む全ての販促活動を中止しております。
本キャンペーンの実施にあたり、予めお断りしていますように、このような理由で止む無く内容を変更させていただいたものであり、景品表示法に違反するとは考えておりません。
ご当選されたお客様の中には当初デザインのQUOカードを楽しみにしておられたお客様も多くいらっしゃると思いますが、当社も苦渋の決断でありますこと、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます」
旧ジャニーズタレントは、ファンの購買力が凄まじいだけに、それを見込んだキャンペーンはこれまでに多く存在した。ただ、ジャニーズが無くなり、新会社へ移行する最中、混乱はまだまだ起きそうだ。