「ダイエットが続かなかったり、すぐにリバウンドをしてしまうのは、ガマンを強いる食事制限のせいです。本当にやせるためには“きちんと食べる”ことが重要。無理をしなくてもいいのです!」
そう話すのは、40~50代女性を次々と10kg以上の体重減に導いているダイエットカウンセラーのおにゃさん。彼女自身、10kg以上の産後太りを克服した成功者だが、実は過去にダイエットの失敗を繰り返した経験者でもある。
「“○○がやせる”と聞けば、その食材ばかりを食べたり、カロリーを気にして食事を野菜ジュースだけにしたり。
一時は必死に頑張って体重が落ちるのですが、そのうちに体調を崩したり、イライラするようになったりして続けられず、リバウンドしていました。やはり、心も身体もストレスフリーでいられる方法でなければ成功しないと痛感しました」(おにゃさん、以下同)
そんな経験が“アレもコレもダメ”ではなく、シンプルなルールで無理なく継続できる“おにゃ流”ダイエットにつながった。
“一生、お米なし”でやせるのは無理がある
まず画期的なのは、“炭水化物の解放”。昨今、やせるためには糖質オフが定番化しているが、必死になって食べない選択をする必要はなし。
「夫の糖質制限ダイエットをサポートし、リバウンドもなく体重が安定してきたころ、ふと思ったのです。夫は本来お米が大好き。このまま一生食べないで過ごすのは無理なのではないかと。
そこで、もち麦入りのご飯を少しずつ食べ始めました。すると、意外にも夫の体重は変わらなかったのです」
もち麦をはじめ、玄米や雑穀米など白米より糖質が低く、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる“茶色い炭水化物”なら、食べても体重増にはつながらないことを実感したと話す。
「しかも、茶色い炭水化物は食物繊維やミネラル、ビタミンも豊富。食べ応えがあるので、満腹感が得やすいのもメリットだと思いました」
もう1つのポイントは、肉をはじめとしたタンパク質をしっかりとること。
「タンパク質の摂取量が少ないと、筋肉量が減って身体が省エネ化。食べないのにやせづらくなってしまいます。それを防ぐためには、肉や魚を1食100gを目安に食べることが重要です」
1品で100gを食べるのが難しい場合は、汁物や副菜にも肉や魚を使えば目標量を食べやすい。
「料理をする時間がないときは、市販のサラダチキンや、肉・魚が多めのお惣菜を選んでもよいです。
ただし、“照り焼き”など砂糖をたっぷり使った甘辛い味つけのものは、糖質過多なので避けること。納豆や豆腐など、調理なしで食べられるものを活用するのもよいと思います」
朝食はしっかり食べて甘い物も我慢しない!
おにゃさんいわく、一番ダメなのは“やせたいから”といって食べないこと! 身体によいものを選んで食べることが重要で、食べないことは逆効果になると強調する。
「例えば、朝食を抜くとその日の代謝がアップしないので、朝ごはんはしっかり食べてほしいです。ストレスをためてダイエットが続けられなくなるなら、逆に間食でモチベーションを保つほうが正解。高カカオチョコレートなどを選べば甘い物もOKです」
“逃げ道”がいくつも用意されたおにゃさんのダイエット。無理なく食生活を変えるからこそ、減量に成功した後も体重がキープできると話す。さらに、体重以外の効果も!
「40~50代の女性の多くは、年齢とともに体重が増え、体形が変わることを諦めがちになります。更年期で気分も不安定になることが多いはず。
でも、ダイエットが成功していくと、皆さんすごく自信を持って、心も身体もイキイキと若々しい雰囲気に変わっていくのです。13kgの体重減を叶えた後、“人生初”のピアスをあけてオシャレを楽しむようになった50代の女性もいました」
ダイエット後になぜか部屋が片づけられるようになる人も続出しているとおにゃさん。次ページからは、そんな心も身体も心地よくスッキリできる“おにゃ流レシピ”を紹介!
失敗しがち!NGダイエット
×朝食抜きダイエット
×単品ダイエット
×ファスティング
食べる物や食べ方が偏った食事方法は、「最初はよくても栄養不足を引き起こしたり、体調を崩したり、老け見えする原因にも。ダイエットどころではなくなります!」(おにゃさん)
<40代、50代女性が続々15kgやせ!>
フーサンさん57歳(158cm)7か月でー18kg!72kg→54kg
間食アリで太ももが10cmもやせました!
「ひじきときのこを混ぜて炊いたもち麦を朝と昼に食べ始めたら、まずは便秘が解消。そして、下半身がぐんぐんスッキリしていき、ヒップはマイナス14cm、太ももはマイナス10cmまで細くなりました。
やせたら膝痛もなくなり、健康診断の数値もすべて“問題なし”に。毎日、間食に果物を楽しんでOKだったことも気分転換になりました!」(フーサンさん)
サワさん48歳(158cm)7か月でー16kg!79kg→63kg
3L→Lサイズに。別人みたいです!
「これまでスムージーダイエットなどで食事節制をしてきましたが、効果なし。でも、おにゃさんのレシピでタンパク質、炭水化物、野菜のバランスを整え、3食きちんと食べ始めたら、たくさん食べているにもかかわらずボトムが2サイズダウン。
埋もれていた鎖骨も現れてきました。肌トラブルも解消され、別人級の変化に驚いています」(サワさん)
おにゃ流ダイエットルール1:炭水化物は「茶色」を選ぶ
糖質オフが流行っているけれど、「炭水化物(糖質)は、生きていく上で必要不可欠な栄養素。絶対に抜いてはダメ」とおにゃさん。
白米や白いパンなど、精製度が高い炭水化物は血糖値の上昇率(GI値)が高いので避け、GI値が低めの玄米やもち麦、雑穀米、全粒粉パンなど“茶色い炭水化物”を選ぶことがポイント。
おすすめはコレ!
白米を雑穀米やもち麦、玄米に、白いパンをライ麦パンや全粒粉パンに替えるだけだから簡単。特に便秘ぎみの人はもち麦がおすすめ!
なんでもきのこの炊き込みおにぎり
ポッコリお腹の便秘解消にも!
材料/作りやすい分量
・白米、もち麦(洗わなくていいタイプ)……各1合
・まいたけ、しめじ(好みのきのこでOK)……各1/2パック(各50g)
【作り方】
(1)白米は水で洗い、水けをきって炊飯器の内釜に入れる。もち麦は米の上にのせ、水(分量外)を2.5合の目盛りまで注ぐ。
(2)まいたけは小房に分ける。しめじは石づきを除き、小房に分ける。
(3)(1)に(2)をのせ、15~30分浸水させてから、炊飯器の普通モードで炊飯する。炊き上がったら好みの形に握る。
オートミールのトマトリゾット
麦のクセが抑えられて食べやすい。
材料/1人分
A〔オートミール(インスタントオーツまたはロールドオーツ)……30g(大さじ5)、ツナ缶(水煮)……1缶(70g)、トマトジュース(食塩無添加)……180ml、顆粒コンソメスープの素……小さじ1〕
・粉チーズ・粗びき黒こしょう・ドライパセリ……各適量
【作り方】
(1)耐熱容器にAを入れて混ぜ、ふんわりとラップをする。
(2)電子レンジ(600W)で2分加熱し、軽く混ぜる。粉チーズをふり、粗びきこしょうとドライパセリをふる。
炭水化物のみの食事はNG!
「朝食はパンとコーヒー、ランチはコンビニのおにぎり2つといった食事をしている人、今すぐにやめて!」とおにゃさん。
炭水化物のみの食事は“あまり食べていないのに太ってしまう”という結果につながると指摘する。惣菜をプラスしたり、外食をする際も、炭水化物一択ではなくタンパク質や野菜を一緒にとれるメニューをチョイスして。
おにゃ流ダイエットルール2:タンパク質はしっかりとる
タンパク質をとる量の目安は、「肉、魚などタンパク質が多く含まれる食材を1食100g程度」。
さらに、朝は肉、夜は魚など、1日2種類以上のタンパク質をとるのが理想。「ゆで卵を作りおきしておけば、ラクに朝からしっかりタンパク質がとれますよ!」
今回は、肉・魚にプラスしてほしい卵や植物性タンパク質がとれるメニューを紹介。
油揚げのくるくる巻き
みそと油揚げでWのタンパク質!
材料/1〜2人分
・油揚げ2枚
A〔みそ小さじ2、マヨネーズ小さじ1〕
【作り方】
(1)油揚げは横半分に切る。Aを混ぜ合わせて油揚げの片面にまんべんなく塗り、端からくるくると巻いてつまようじで刺す。
(2)フッ素樹脂加工のフライパンに(1)を並べ、ときどき転がしながらカリッとするまで焼く。
ずるいやせ飯
腹持ち抜群♪たっぷり食べて問題なし。
材料/2人分
・蒸し大豆……100g
・オクラ……8本(68g)
・なめこ……1/2パック(100g)
・わかめ(乾燥)……大さじ2
A〔オリーブオイル……大さじ1、顆粒コンソメスープの素・しょうゆ……各小さじ1〕
・すりごま(白)……少々
【作り方】
(1)わかめは水で戻し、水けを絞る。オクラはヘタを取り、1cm幅に切る。なめこはあれば石づきを除き、ほぐしてサッと洗う。
(2)耐熱容器に(1)のオクラとなめこを入れ、ふんわりとラップをして電子レンジ(600W)で4分加熱する。取り出してわかめと蒸し大豆、Aを加えて混ぜる。器に盛り、すりごまをふる。
卵だけ茶碗蒸し
タンパク質をパパッとチャージ!
材料/2人分
・卵……2個
・めんつゆ(4倍濃縮)……大さじ1
・水……1カップ
・万能ねぎ(小口切り)……適量
【作り方】
(1)ボウルに卵を溶きほぐし、めんつゆと水を加えてよく混ぜ、なめらかになったら耐熱性のカップに等分に流し入れる。
(2)電子レンジ(600W)に(1)を入れ、ふんわりとラップをして、1個ずつ順に2分10秒加熱する。取り出して万能ねぎをのせる。
おやつもタンパク質を意識して一石二鳥!
高タンパクで身体への吸収率も高いチーズや、カルシウムやビタミン類も豊富なヨーグルト、満腹感を得やすい無調整豆乳などを選び、おやつタイムにタンパク質の補強を。
ただし、牛乳、調製豆乳、甘いヨーグルトは避けて。
「これらは実は、脂肪分や糖分をとりすぎてしまうデメリットのほうが多いんです」
取材・文/河端直子 撮影/山田耕司(扶桑社) スタイリング/鈴木亜希子
※腎臓病を治療中の方は主治医にご相談のうえご判断ください。