「あ、すいまっせん……また言ってしまったようです。ほんっとに申し訳な……(唇を叩くような仕草をしつつ)あわわわわわ」
11月2日夜、インスタグラムにてライブ配信を行ったKAT-TUNの上田竜也。「また言ってしまった」というのは、現在登記上はこの世からなくなった、しかし今でもよく聞くあの名称……。
『ジャニーズ』。故・ジャニー喜多川氏による男性アイドル界の“帝国”の名称だ。
一応の謝罪を口にしながらも、上田は次のように続けた。
今の新しい会社の名前でネットニュース出せよ
「嫌になっちゃう。ほんとに。もうこれは言っちゃいけねんだもんな。ネットニュースの奴らがバンバン使ってんのおかしなもんだよな。な? おかしいよな、あれな? ちゃんと普通の、今の新しい会社の名前でネットニュース出せよって思っちまうな」(インスタライブの上田)
10月2日、東山紀之は会見で次のように述べている。
「故・喜多川氏と完全に決別する決意を示すため、社名を10月17日付けでスマイルアップと変更していきます」
その言葉のとおり、ジャニーズ事務所は10月17日に社名が『SMILE-UP.(スマイルアップ)』に変更され、午前0時に公式サイトも切り替わった。
性加害者である故人の名前に由来する事務所名はなくなった。一方で今でもその名前はメディアに登場し、主に“旧ジャニーズ”という表現で使用される。
これに対し、そのような呼称を使うメディアに上田は憤った。
「お前らのペーパー数(おそらくPV数=ページビュー数と思われる)稼ぐのかなんか知らんけどさ」
これについて賛否は分かれた。あえて表現するが、おそらくは“オタク”と“それ以外(一般層)”で。以下は賛と否、両者の意見だ(『X』より)。
タレントに教育は徹底しなさいよ…
《言ってくれた言葉はオタクみんな思ってること》
《こうやってタレントがハッキリ意見を言ってくれるのありがたい。タレントとファンだけが我慢させられるのは本当におかしいよ》
《よってたかって叩きたいだけ。がんばれジャニーズ!!!!!》
《報道には“知る権利”があって、どんな層の受け手側でも混乱に陥らない様に旧名も注釈で使ってるんでしょうよ…所属事務所が組織的に類も見ないレイプ事件を起こしていた反省はないの?勘違いも甚だしい。》
《名前だけ変えて中身が何も変わらないうちは旧ジャニーズと呼ばれ続ける。芸能事務所として呼ぶべき名前が他にない》
《タレントに教育は徹底しなさいよ…》
どれが“どちら側”か、記さずともわかるだろう。
「ジャニーズという名前をメディアが使うことは仕方ないという意見、そしてその一方でタレント側がヘラヘラとその名前を使うことについて否定的な意見はおそらくジャニーズファンではない一般層のもの。ある程度の理はあると思います。名称変更がなされた『スマイルアップ』は、あくまで性加害に関する補償業務“のみ”を行う会社であり、マネジメントには一切関わらず、補償が完了したら廃業することを明言している。ゆえに“スマイルアップ社”という名称をタレントなどに関することに使うのは適当ではない」(芸能ジャーナリスト)
今後のタレントのマネジメントは新会社にて行うということも会見で明言されている。
「10月の会見で東山さんは“法人としての新会社は約1か月以内に設立”としていました。しかし、すでに1か月が経過していますが、アメリカのエージェント契約に精通した福田淳氏が新社長に就任したと報道されたものの、いまだに名称も発表されておらず、設立は伸び伸びとなっていると思われます。
つまり現状、所属できる新事務所など存在しないということになる。体としてタレントたちは“スマイルアップ社所属”なわけです。上層部はいろいろ大変ですが、現場の社員たちは日々の仕事をしているわけです。そんな過渡期の状況なんだから、あれだけジャニーズ自体を批判、名前を使うことも批判した一方で、“旧ジャニーズ”という表現をするメディアについて納得しないジャニーズファンがいるのもしょうがないと言えますね」(前出・芸能ジャーナリスト)
しかし、その立場と使い方にも問題はあって……。
「あくまで“報道”の立場であるメディアと、性加害者であった事務所のトップに師事したタレントでは立場はまったく違うでしょう。それに加えて、言葉だけ謝罪を述べつつも口を叩き“わわわわわ”などと音を鳴らすようにしていた態度、“いまのは俺じゃありませぇ〜ん……俺、二重人格なんです。すみませぇん”、“明日、俺がいなかったらすみませぇ〜ん。今日は酒飲んでませぇ〜ん”とふざけた様子……。上田さんは性加害問題の当事者ではないですが、これだけ問題が取りざたされているなかで、使っていい言葉、態度ではないでしょう。当事者ではないので、この現状に憤る気持ちはわかりますが、はっきり言って、いい年なのに、この件がどれだけ問題かわかっていないことを自らアピールしているようでした」(芸能プロ関係者)
名称がこの世から消えようが、“ジャニーズ”という言葉は多くの人の記憶に残るだろう。そしておそらくは被害を受けた人にとって、仮に補償が完了しても、その傷の記憶がなくなることはないだろう。