《10月27日(金)、28日(土)に小学校児童さん、または職員の家族に何か起こります。今日までで仕込みがすべて終わりました。脅しと思えばそれまでで、事件後の記者会見を楽しみにしています》
10月26日、埼玉県さいたま市内の小学校に届けられた手紙にはこんな脅迫文が書かれていたーー。
11月1日、埼玉県警大宮署が威力業務妨害の疑いで逮捕したのは、同市大宮区に住む会社員の沢野美紀容疑者(51)。11月8日、週刊女性PRIMEは『埼玉・バス手配ミスを隠すため小学校を脅迫した疑いの会社員・沢野美紀容疑者(51)は2人の子を持つママ、夫は直撃に「わからない」困惑して懺悔』という記事を配信している。詳細は以下だ。
容疑者は旅行代理店の勤務で、27日に小学校で行われるはずだった校外学習で使用するバスを手配していた。しかし、彼女のミスで、バスの手配が間に合わなくなった。すると、容疑者は何を思ったのか、あり得ない行動に出る。
犯行動機は「バスの手配ができていなかったから」
冒頭にある脅迫状を小学校のポストへ投函したのだ。校外学習の延期はもちろん、登下校時の警戒強化や警察に捜査措置をとることを余儀なくさせることに。これによって同校職員の正常な業務遂行に支障を生じさせて、業務を妨害したとして“威力業務妨害”の疑いで逮捕となった。警察の取り調べに、沢野容疑者は、
「間違いありません。バスの手配ができていなかったことを隠すためにやりました」
と素直に容疑を認めているという。
その後、週刊女性PRIMEはこれまで口を閉ざしていた事件が起きた小学校を取材することができた。
「児童、保護者、それに地域との関わりもあるので、ことさら不安を煽ることにならないように……」
と慎重に言葉を選びながら、当日の状況を説明したのは同校担当者だ。
沢野さんの母校で、2人の子どもも卒業生だった
「脅迫状を発見したのは26日の夕方。そのあとに警察へ相談したので、当日、生徒は普段どおりに登下校しています」(同校担当者、以下同)
だが、翌朝には大勢の警官が同校周辺を取り巻く事態に。
「過去に小学校へ乱入した犯人が、生徒を殺傷した凄惨な事件もあったので……。それは震えあがりましたよ」
テロ予告ともとれる脅威を突きつけられたのだから、当然だろう。
「27日に行われる予定だった2年生の校外学習、4年生のマラソン大会などの学校行事はすべて中止に。現場は大混乱でした」
警察から容疑者逮捕の知らせは、5日後の11月1日。
「職員一同、ほっと胸をなでおろしました。何事もなくてよかったと」
2人の子を持つママである沢野容疑者がなぜ児童を人質にとるような卑怯な脅しをしたのか。
容疑者の知人はこう話す。
「あの学校は沢野さんの母校で、2人の子どもも卒業生だったのよ。仕事での付き合いが深かっただけに、バス手配のミスで学校との取り引きがなくなるのが怖かったのかもしれないね」
小学校はこの事件を機に、同社との契約は打ち切りにするという。近隣住民の評判は「いたって普通」、そんなどこにでもいるママが闇に堕ちてしまった……。