防衛省オフィシャルマガジン『MAMOR』(扶桑社)表紙を飾った『おまねこ』

《尊すぎる》《めちゃくちゃ可愛い……》《おっぱいじゃなくて胸筋なんだ》

 こうSNS上で賛美されているのが、航空自衛隊御前崎分屯基地の公式キャラクター『おまねこ』だ。同基地が所在する静岡県御前崎市の観光名所『猫塚』をモチーフとしており、完成度の高い可愛らしさと曲線美、オッドアイ、そして性別はオス。アニメや漫画好きに刺さりまくるキャラ設定のため、14体いる同基地の公式キャラクターでも抜群の知名度と人気を誇り、話題となっている。また、二次創作も公認されているため、SNS上ではさまざまな『おまねこ』のファンアートを見ることができる。

 ついには防衛省のオフィシャルマガジンである月刊誌『MAMOR』(扶桑社)12月号の表紙を飾るまでに。同誌は、国防の最新事情、それに対する防衛省や自衛隊の取り組み、自衛隊員たちの婚活企画、基地内の食堂紹介などが通常の主な内容。タレントを表紙に登場させるなど、自衛隊に興味がない若者でも気軽に読めることを編集方針に掲げている。

『おまねこ』表紙の反響は大きく、「書店では完売が続出しました。Amazonでも一時期品切れになったほど。表紙を告知した際のX(旧Twitter)の公式アカウントへのコメントは、過去最大級でした」(『MAMOR』編集長・高久裕さん)という。

クセが強い「おまねこ」の同僚

 なお、そんな『おまねこ』をはじめとした自衛隊公式マスコットキャラクターの活躍ぶりを踏まえて、同誌では現在「全国Jキャラ総選挙」という企画を行っている(※『おまねこ』は表紙に登場したため投票の対象外)。同時に全国各地の個性あふれる78体の自衛隊公式キャラも紹介しているのだが、中でも『おまねこ』の“同僚”でもある航空自衛隊御前崎分屯基地の公式キャラ『メロドン』のクセの強さは筆舌に尽くしがたい。走り描きにしか見えない衝撃度で、こちらもSNS界隈を騒がせている。

航空自衛隊御前崎分屯基地の公式キャラクター『おまねこ』、オスの設定だというが(公式Xより)

 そもそも、こんなに多くの公式キャラクターがいることも驚きだ。

各基地や駐屯地に必ずキャラクターがいるわけではなく、それぞれの判断で力を入れている所、そうでない所があるようです。普段は基地や駐屯地の開放行事、基地外で行われる隊員勧誘イベントに使用されています。ご当地キャラ的な意味合いもありますから認知度はまだまだ限定的ではありますけれども、今回の『おまねこ』のように、最近はSNSで紹介されて広まるケースにつながっています」(高久さん)

実際に隊員が考案したキャラも

『おまねこ』の場合、もともとイラストレーターをしていた隊員が作成したため、一般の想像を超えたクオリティーとなったという。また『メロドン』は、公式キャラクターを募集する際に担当者が参考として描いたものがウケて、そのまま採用されたとか。

公式キャラは、隊員が描いたもの、隊員の知人など絵の得意な一般市民にお願いしたもの、公募したもの、プロに発注したものなど、それぞれのようです。確かに最近はクオリティーが高いものが増えたように感じますね。いろんな経歴や特技を持った隊員がいるということや、現在の自衛隊内の環境変化も表していると思います。また、自衛隊の日頃の活動への関心度を高めるきっかけや、少子化などの関係で減少している入隊志望者の増加にもつながるのではないでしょうか」(高久さん)

「KAWAII」こそが日本の最大の防衛力なのかも。