『第74回NHK紅白歌合戦』の出場者44組が11月13日に発表された。そのうちの13組が初出場と、例年とは顔ぶれの違う紅白になりそうだ。というのもーー、
「旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)枠が全廃とは驚きました」とは、長年にわたって紅白取材を続けるスポーツ紙・芸能記者。
故・ジャニー喜多川氏によるジャニーズJr.への性加害問題を受けてのことだろう。例年は5〜7枠が与えられていた旧ジャニーズだが、世論、受信料を納めている視聴者の反応を見定めてか、NHKは枠を減少するのではなく“一掃”を選んだようだ。
「ジャニーズ勢が出場しない紅白は実に44年ぶりで、裏を返せばそれだけNHKの依存、忖度が続いていたということ。当初は関係性を考慮して2枠を検討と聞きましたが、出場させたらで必ず批判が巻き起こる。ならば、“いっそのこと”と踏み切りましたね」(前出・記者)
“アイドル枠”を穴埋めすべく白羽の矢がたったのが、若い世代から支持を得る、ウェブやメディア出演では“顔出し”しない6人組グループ『すとぷり』。そして韓国の8人組グループ『Stray Kids』、同じく13人組の『SEVENTEEN』の面々か。
「紅組で初出場する『Ado』同様に、YouTubeなどの動画配信サイトではメンバー全員がイラストキャラクターとして活動する『すとぷり』。おそらく“顔出し”しないAdoとのバランスを考慮しての選出なのでしょうが、もしも双方が紅白で“お披露目”するようなら“目玉”になり得ますね。
初出場組として、白組の『キタニタツヤ』『Mrs. GREEN APPLE』『10-FEET』、紅組では『新しい学校のリーダーズ』『あの』ら、制作スタッフがネットの声を汲んで選んだんじゃないか、と思わせる若い世代に寄り添った顔ぶれ(苦笑)」
出場者に物足りなさを感じている視聴者
他にも『大泉洋』に『伊藤蘭』、オオカミの被り物でパフォーマンスするロックバンド『MAN WITH A MISSION』、多国籍グループ『TWICE』から派生したユニット『MISAMO』が初出場を決めている。
もちろん例年の如く、本番ギリギリまで出場枠、特別枠、企画枠における“目玉”となる歌手、アーティストへの出演オファーが続くだろう。近年は過去最低、それに近い視聴率を記録している紅白だけに、この44組にかかる期待は大きいが、一方で視聴者は多少の物足りなさも感じているようだ。
出演者発表がなされてい以降、ネット上でも是非を問う議論が交わされているのだが、中でもーー、
《Vaundy、King Gnu、藤井風、米津玄師、が出られなくて、すとぷりが出られる紅白って何?》
《旧ジャニ事務所の紅白落選よりも藤井風、米津玄師、Vaundy、KingGnuあたりの紅白落選の方が注目されてる》
カリスマ的人気を誇る米津玄師(出場回数:1回、2018年)、2021年と2022年の連続出場で強烈なインパクトを残した藤井風、実力派ロックバンド『King Gnu』(2回、2019年、2022年)、YouTube総再生回数10億回超えのシンガーソングライター・Vaundy(1回、2022年)ら4組はまさかの“落選”に映った模様。
藤井風が入っていない「七不思議」
音楽評論家の湯川れい子氏も11月13日に自身のX(旧ツイッター)を更新し、
《今年の七不思議。どうして今年の紅白に、藤井風さんが入っていないのでしょう!?風さん抜きで、どうやったら選べるのでしょうか???》
かねてより才能を高く評価する藤井の落選に驚きつつ、《可笑しいです。キッパリ!!》とNHKの選考に納得いかない思いを綴っている。
いずれも幅広い世代から支持を得る、日本を代表する歌手・アーティストたちの落選に疑問を持つのはネットユーザーも同様で、
《紅白、藤井風、米津玄師、Vaundy、KingGnuの四天王で特別企画検討中だったりして、、、ないか》
《紅白出場者決定したんだね。 ジャニーズが出ない代わりにK-POP勢かぁ。 米津、King Gnu、藤井風、Vaundyが見たいよね正直》
《米津玄師、King Gnu、Vaundy、藤井風とかいう今の日本の音楽シーンを支えてる人たちが出ないのはアーティスト側が断ったっていうポジティブな認識しといていい??》
などと、旧ジャニーズ枠が空いた紅白に出場しない“四天王”に、それぞれが理由をつけている。
司会者・有吉弘行と“因縁”ある歌手
音楽系芸能プロダクションに精通する芸能リポーターに“事情”を聞くと、
「まあ、米津玄師とKing Gnuに関しては“NHKが落とした”のではなく、“NHKが断られた”のが正しいところだと思います。それぞれが納得いくパフォーマンスを披露したいストイックなタイプで、何かと制約が多い“紅白のステージは合わない”とオファーを断った可能性はありますね」
紅白に出場することがステータス、とは言えない時代。ただでさえギャラは安く、拘束時間は長いとされる紅白だけに、オファーされながらも出演をお断りする歌手も少なくはないという。では、藤井風とVaundyが“落選”したのはなぜ?
「藤井の場合は、年頭に騒がれた“スピリチュアル”色の強さが関係しているかもしれません。本人は信仰に関して肯定も否定もしていませんが、旧統一教会問題も注視される中で、彼の出演に懸念を抱いたとしてもおかしくはありません。
Vaundyは……そうですね。昨年に“そんなもんかい、紅白!”と観客を煽るパフォーマンスをしていましたが、自身のラジオで“ファンもいない会場でスベってた”とVaundyをイジっていたのが有吉弘行。そんな有吉が今年の司会ですから、そんな“因縁”を配慮して忖度したというところでしょうか(笑)。まあ、単純にスケジュールの都合が合わなかったのでは?」(前出・芸能リポーター)
落選組の“四天王”による生ライブが放送されたら、視聴者はテレビに釘付けになることだろう。