11月15日、中日ドラゴンズが中島宏之選手(41、元巨人)、上林誠知選手(28、元ソフトバンク)、山本泰寛選手(30、元阪神)と板山祐太郎選手(29、元阪神)の4人を獲得することを『中日スポーツ』が報じた。
いずれもシーズン終了後に所属球団から戦力外を言い渡された選手たち。得点力不足に悩む中日だけに、通算1928安打の中島選手をはじめとした野手陣の獲得で戦力を底上げしたい狙いがあるのだろう。
2022年より指揮を取る立浪和義監督のもと、球団史上初となる2年連続最下位の屈辱を味わった中日とファン。来シーズンこそはと“勝つ姿勢”を見せる球団にファンも期待を寄せていると思いきや、ネットでは戦力外選手の獲得に疑問の声も上がっている。
《中日ナカジ獲得ってもしかしてもう山川も中田も取るの諦めたってことですか?》
《お金ないといわれてても育成の人数とか考えたら球団も何とかしようとしてるのは分かる でも山川ソフトバンク前提で白旗上げるのは違うと思う》
《中日の補強ってどうしても「高級車だけどもう随分と走行距離あって安くなったのを、見栄張りたいしちょっとでも走ればいいや」くらいの感覚でやってるからなぁ。たまにはどうしても欲しいから大枚はたくくらいのこと出来んかね。まぁケチだし無理か…》
ソフトバンクは総額20億円を用意か
そう、同日にはFA(フリーエージェント)市場の“目玉”と目される埼玉西武ライオンズ・山川穂高選手が権利を行使。さらには読売ジャイアンツが、中田翔選手を自由契約にすることを発表。後者は球団との契約を破棄できるオプトアウトの権利を保有していた。
そして早速、動いたのが覇権奪回を目指す福岡ソフトバンクホークス。三笠杉彦ゼネラルマネジャーは山川選手の調査を明かし、一部では年俸5億円の4年契約、総額20億円の大型契約の報道も。他球団も同等の金額を用意する必要がありそうだ。
片やドラゴンズの高給取りは外国人選手を除くと、現時点ではチームを支えてきたエース・大野雄大投手の3億円。これに2000本安打を達成した大島洋平選手の2億5000万円、柳裕也投手、涌井秀章投手、祖父江大輔投手が約1億円と続く。
チーム総額年俸も、1位のソフトバンクが60億円越え(2023年シーズン、推定)に対して中日は約半分の30億円弱と、マネーゲームになった場合、ソフトバンクに太刀打ちできないことは目に見えている。
「中日が山川獲得を目指していたのは確かだと思います」とは、関西方面の球団を担当するスポーツ紙・野球記者。
自由契約の中田は「可能性あり」
「ですが、それは“性加害騒動でソフトバンクが慎重になっている”との情報があったからこそ。他に手を挙げる球団がなければ現在の年俸2億7000万円、もしくはそれ以下で山川を獲得できると踏んでいたのでしょう。
一方の中島らは、各球団から“クビ”を言い渡された選手なわけで1000万円から3000万円の単年契約が予想されます。4人の総額でも1億円にも満たず、うち1人でも戦力になってくれたら儲けものの契約といったところ」
各球団に資金面の差があるのは当然で、その中でやりくりして補強する。中日の思惑が叶えば“救世主”になるはずだった山川選手だったが、どうやら名古屋でプレーすることはなさそうだ。
とはいえ、もう1人の長距離砲は「可能性あり」だとも。巨人との3年契約を破棄した中田選手だが、当初はFA権の行使やトレードが有力視されていた。
「FAとなれば中田の獲得球団が補償を支払い、トレードならば年俸3億円がネックになって、移籍先が見つからない恐れもありました。一方で、何ら代償を負わない自由契約ならば、交渉によって年俸も抑えられるでしょう。
お金よりも出場機会を求めて巨人を退団する中田だけに、レギュラー確約の条件なら年俸半減も受け入れるのでは。そもそも当てもなく3億円を捨てないでしょうし、何らかのアクションがあったからこその自由契約だと思いますよ」(前出・記者)
この2年間をもどかしい気持ちで応援していた中日ファンだが、来シーズンは期待できそうだ。