三輪浩二容疑者(本人SNSより)、事件が起きた自宅

「3階はいつも窓を開けてベランダに洗濯物を干していた。だけど、事件の4、5日前から窓を締め切って洗濯物もなかったからおかしいと思っていたんです。事件はそのときにもう起きていたのかと思うとゾッとします……」

 と変死体が発見された一軒家近くの住民は証言する。

 11月10日午後2時ごろ、茨城県警つくば署は無職の三輪浩二容疑者(40)を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕した。

「前日の9日、つくば市内で暴行事件が発生したため、警官が防犯カメラなどの情報に基づいて牛久市内を捜査。不審な人物を発見して職務質問をしたところ、容疑者がポケットに刃渡り6センチを超えるアウトドアナイフを所持していたため、逮捕したわけです」(捜査関係者)

逮捕された男の実家に両親の変死体が…

 逮捕から40分後、警察が茨城県牛久市にある三輪容疑者の自宅を訪れたところ、3階のベッドで死亡している容疑者の父親・正一さん(73)と母親・良子さん(66)の変死体を発見した。同県警牛久署が本件を捜査中だが、

「司法解剖の結果、死亡は8日前後で、死因は頭部打撃による頭蓋骨骨折によるものと判明。上半身にも複数の刺切創もあったようです。警察は今後、両親の死亡事件と容疑者との関連性を捜査していくようです」(全国紙社会部記者)

 三輪容疑者とは、一体どんな人物なのか? 事件が起きた一戸建てに引っ越してきたのは、容疑者が10歳前後のころ。自宅で工務店を営む大工の父親、それをサポートする母親と兄、容疑者の4人暮らしだった。

「父親は生真面目で優しい職人気質。母親は父親が弟子入りしていた棟梁の娘さんだったみたいよ。彼女はおっとりした性格で、内助の功でご主人を支えていた。(容疑者の)お兄さんはすでに結婚して、独立しています」(冒頭の近隣住民)

 三輪容疑者はとてもおとなしい子だったようだ。中学校時代の同級生は、

「5クラス、200人近く同級生がいたから、目立たない子はまったく思い出せない」

 とのこと。別の近隣住民もこう話す。

静かな子で、ちょっと鈍くさい子

「静かな子で、ちょっと鈍くさいというかね……。10年ほど前から父親と一緒に仕事をやっていましたが、父親の言うことをなんでも“ハイ、ハイ”って従っているだけ。あの年齢になればちょっとは自己主張したりするもんだけど。独立心がなくて、両親に頼ってばかりだった。両親と仲はすごくいいけれども、まだ独身だし、両親のほうは頼りなく思っていたフシがあった」

 そんな経緯からか、自宅から150メートルほど離れたところに三輪家が所有する平屋のアパートがあって、数年前にそこへ容疑者を一人暮らしさせたことがあった。

三輪家が所有する平屋のアパート

「でも、そこから食事をするために、毎日のように実家に戻っていましたね」(近隣住民、以下同)

 そのころ、奇妙な出来事も起きていた。アパート前に母親の軽自動車と、容疑者の黒い軽ワゴンの2台が駐車してあるのだが、

「容疑者が黒い軽ワゴンのドア部分に白いペンキで文字を書いていてね。“お前たちのいいようにはならないぞ”と……。反対側には“花嫁募集中”とも。翌日には消されていましたけど。容疑者の自宅から夜中“キャー”というような奇声も聴こえていた。気持ち悪いので、近寄らないにしていましたよ」

 そんな中、11月2日にも容疑者の異様な行動があった。

新選組のようなことをやりたい

「容疑者がつくば市の神社職員に“新選組のようなことをやりたい。自警団を作らなきゃいけないので、一緒にやりませんか”と誘ったようです」(前出・社会部記者)

三輪容疑者の自宅近くの住宅数軒のポストに投函された紙

 前日の1日には、三輪家近くの住宅数軒のポストに不可解なビラが投函されていた。

《私三輪浩二は天地真明に誓って重犯罪は一つも起こしていない》(原文ママ)

 この内容は一体何を指ししているのか……。

 その後、同月10日に自宅近くで三輪容疑者は銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕されるのだが、

「スキンヘッドの男が近所をウロウロ歩いていたので、何か怪しいと感じました。今思うと、その男は丸刈りになった容疑者だったのかもしれません」(近隣住民、以下同)

 これまで容疑者のそんな容貌は見たことがないという。

「何かの覚悟っていうか、思い切ったことをするためだったのかねぇ……」

 事件の真相は、警察の捜査を待つしかないだろう。