人気キャンプ場は今でも盛況なようだが……。株価・売上高共に右肩下がりのスノーピーク社製の製品

「やっぱりひと頃と比較して人は減った。自分としては過ごしやすくなったなと思いますね」

 そう話すのは、東京・奥多摩地区にあるキャンプ場に宿泊していた男性。昨今、アウトドアショップが大盛況になるだけでなく、100円ショップでも鉄板やコンロなどが販売されるなど、一大ブームとなっている『キャンプ』。

「ここ最近のキャンプブームは、『キャンプ人口の推移』で見ると、'13年から6年間右肩上がりに純増。'20年はコロナの影響で落ち込みつつも、翌年には大きく盛り返し、ブームとしての“強さ”を見せていましたが、陰りが……」(アウトドア雑誌編集者)

サウナも同様

 山梨県の、あるキャンプ場の管理者は、

やはりコロナ直前と'21年ごろのコロナが落ち着いたタイミングが、いちばん予約が多かったですかね。今はもう少なくなりました。休日はブーム以降に始めた雰囲気のファミリー層もある程度いますが、平日はそれほどでもない」

 キャンプブームと似たタイミングでブームとなったのが『サウナ』だが、こちらも陰りが見えているという。

サウナ情報サイトのデータによると、たった1年程度で2000店舗ほど増えている。いかにブームかわかる数値ではありますが、当然過当競争にさらされています。また基本的に“場所貸し”のみであるキャンプ場とは違い、サウナは物価高やエネルギー価格高騰の影響をもろに受けてしまう。そのため新規サウナ店で苦戦を強いられている話はたびたび聞きますね」(コンサルティング会社社員)

大手メーカーも苦戦

 キャンプブームの終焉は一部の数字にも表れはじめている。

アウトドアメーカー大手の『スノーピーク』はブームもあり業績は右肩上がりでしたが、11月発表の決算で純利益が前年同期比68%減、売上高も15%減に。株価もピーク時の4分の1程度です。職人向けメーカーながらキャンプウエアに力を入れ、女性にも人気の『ワークマン』も客数が前年割れです」(前出・編集者)

近年は秋キャンプも人気で、特に9月、10月はキャンプ場のハイシーズン

 ブーム終焉の声が上がる一方で「陰りなんて嘘。めちゃくちゃ混んでる」などの意見もSNSなどで見られる。“現場”はどのように感じているのか。前出のキャンプ場にいた男性は、

「“めちゃくちゃ混んでた”というのは有名で人気なところに行っている人ですね。富士山がドカンと見えるだだっ広いキャンプ場とか。確かに今も週末などは隣のテントとの間隔が1メートルくらいしかないほど混んでますね。

 サウナでも静岡の超有名店は今でも混んでいるわけでしょう。それと同じです。まぁ、自分はせっかく自然の中に来ているのに、隣人の声が聞こえるような、近すぎてキャンプはキャンプでも難民キャンプみたいなところでやりたくはないですけど」

 前出のキャンプ場管理者は、

「キャンプに来てもごはん以外何もすることがないような人も少なくない。太って帰るだけみたいな。自然の中で何もしないことが贅沢だと感じられないと、つまらないところもある。キャンプって結局、面倒くさいことが多いですし、暑さ・寒さの問題も。最近、ドーム型などのグランピング施設がキャンプ場周辺に多くなってきましたが、そっちに流れている人もいると聞きますね。すみ分けができてよいと思います

 ブームか定着か─。

イタリアのセレクトショップホームページでインタビューを受けるAさん(セレクトショップHPより ※編集部にて適宜修正をおこなっています)

 

海外アパレルセレクトショップのサイトでインタビューを受けるAさん(セレクトショップHPより ※編集部にて適宜修正をおこなっています)

 

スノーピークのWEBサイトに掲載されていた元社長・山井梨沙氏のメッセージ(現在は削除)

 

スノーピーク元社長・山井梨沙氏(本人のインスタグラムより ※編集部にて適宜修正をおこなっています)