皇居内にある厩舎で馬にニンジンを与えられるプリンセス。自然と首を寄せてくる馬たちを優しいまなざしでなでられて─。
愛子さまのお姿が“微笑ましすぎる”
そんな愛子さまのお姿が“微笑ましすぎる”と話題になったのは、昨年12月1日。21歳の誕生日に宮内庁が公開した映像のワンシーンだ。
厩舎の馬は、新任の駐日外国大使が本国から持参した信任状を天皇陛下に手渡す『信任状奉呈式』の馬車列に使われている。
「東京駅から皇居まで外国大使を送迎する馬車列は、実に華やかで優雅です。コロナの影響で約3年間、運行を見合わせていましたが、今年3月に再開されました。
11月6日にキプロスとアルジェリアの外国大使が馬車で皇居を訪れた際の様子も、観光客や皇居ランナーによってSNSにアップされています」(皇室担当記者)
象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授によれば、皇室と馬のつながりが深い理由は2つある。
「1つ目に、近代の天皇が“軍隊のトップ”と位置づけられていたことが挙げられます。軍人として統率する際に乗馬が必須となるため、男性皇族はみな馬に親しんできました。今もその名残があるのでしょう。
2つ目に、皇室外交において馬車が重視されるからです。海外から赴任した在日大使を馬車に乗せて送迎することは、伝統的な接遇といえます」
信任状奉呈式の馬車列に限ったことではなく、今年はさまざまな皇室行事が“復活”した。1月に新年一般参賀、2月には天皇誕生日に際しての一般参賀が行われ、5月と11月には各界の功労者を招待して労う両陛下主催の園遊会も開かれた。
「プライベートでは、学習院大学に通う愛子さまが、4月からキャンパスへの本格的な通学を再開されました。春には両陛下とともに御料牧場で静養され、夏には那須御用邸へ。ご静養もコロナ禍以降4年ぶりのことで、皇室のご動向が活発になった1年だったといえるでしょう」(前出・皇室担当記者、以下同)
都内で催し物がある際、両陛下とともに愛子さまがお出ましになる機会も増えた。
「9月にはご一家で日本橋三越本店を訪れて『第70回 日本伝統工芸展』を鑑賞されました。日本工芸会の総裁である佳子さまから説明を受けられる場面も。愛子さまは、“いとこ”にあたる佳子さまの立ち居振る舞いに感銘を受けたご様子でした」
御料牧場で見せられた“阿吽の呼吸”
10月には日本赤十字社企画展『関東大震災100年 温故備震~故きを温ね明日に備える』をご覧に。
「ひとつの史料をお三方が熱心にご覧になり、お気づきになったことや内容について語り合われるお姿がとても印象的でした」
そう振り返るのは、案内役を務めた日本赤十字社広報室・赤十字情報プラザ参事の大西智子さん。
「皇后さまと愛子さまからは、ほぼ同時のタイミングで救護所の数に関するご質問をいただきました。愛子さまは熱心にいくつも質問してくださいました。
例えば、重症度で治療の優先順位を決めるトリアージのタグについて“今でも紙を使うんですか”などといったご質問がありました。ご一家が交わされるお言葉から、赤十字の人道支援活動に対する深いご理解とご関心が伝わりました」(大西さん)
11月10日には、リニューアルオープンしたばかりの『皇居三の丸尚蔵館』へ。ご一家ゆかりの品々の特別展を鑑賞された。
「雅子さまは淡いピンクのパンツスーツ、愛子さまは同系色のセットアップという“リンクコーデ”でした。最近の愛子さまは、立ち居振る舞いが雅子さまにそっくりだと感じますが、この日も展示物への視線の送り方や、立ち姿が“シンクロ”していました」(皇室ジャーナリスト)
母娘の共通点
『皇室の窓』(テレビ東京系)で放送作家を務めるつげのり子さんも、母娘の共通点についてこう語る。
「この1年は、ご一家で企画展を鑑賞される機会が多くありました。会場での着眼点や質問内容をうかがうと、雅子さまと愛子さまは本当に似ていらっしゃると感じます。対象のものに対し、どのように好奇心を抱き、何を学びたいのか、母娘でよく話されているからではないでしょうか」
4月にご一家で御料牧場に入られた際の会話も印象的だったという。
「散策しながら、両陛下が桜の話題を出されると、愛子さまが“(車の)窓から桜が”と、道中での景色について話される場面がありました。まさに“阿吽の呼吸”で、感性や価値観まで似ていらっしゃるのだと実感しました」
とりわけ母娘の連携が感じられたのは、愛子さまが初参加された今年1月の新年一般参賀だ。
「並んでお立ちになった雅子さまと愛子さまの所作が本当にそっくりで。お手振りや扇の持ち方など、雅子さまが“女性皇族の先輩”として丁寧にお教えになったことが伝わってきました。すべての所作が完全に一致していたので、事前におふたりで練習を重ねられたのだと思います」
こうした中、愛子さまの視線は、すでに年明けの新年一般参賀に向けられている。
「今年の一般参賀は“密”を避けるため、事前抽選制で高い倍率を勝ち抜いた人しか参加できませんでした。マスク姿の参賀者たちが一定の距離を保ちながら、無言で日本国旗を振り続ける様子は、もの寂しいものがありました。コロナ前のように“天皇陛下、万歳!”と声を上げる人はおらず、異様なまでの静けさでした」(前出・皇室担当記者)
しかし、来年はコロナ禍以前のように、希望者は誰でも入場できる形式で開催されることが決まっている。ごく限られた当選者のみでなく、大勢の国民が足を運ぶだろう。
「今年とは桁違いの視線が注がれます。愛子さまが宮殿のバルコニーに姿をお見せになれば、当然歓声も上がるはずです」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)
コロナ禍が明け、愛子さまにとっては、真の意味での“一般参賀デビュー”を果たされるともいえる。
「両陛下とともに多くの国民の目に触れる“大舞台”となるので、たたずまいや所作を通して、成年皇族としての立派な姿を国民に見せたいとお考えなのでは。当日に向けて、雅子さまとともに準備に励まれるお姿が目に浮かびます」
愛子さまの猛特訓の成果をぜひ拝見したい─。