『はねるのトびら』(2001〜'12年)'00年4月~'01年3月まで放送された『新しい波8』から選ばれた5組でスタート。中高生を中心に人気を集めた

 2001年4月から12年9月まで放送されていたバラエティ番組『はねるのトびら』(フジテレビ系)。「ロバート」「キングコング」「ドランクドラゴン」「インパルス」「北陽」などの人気当時新進気鋭の芸人が多数出演し、人気を獲得していった番組だが、現場の実態は悲惨そのものだったようで…。

「1人もはねてなかった!」

 今年4月、人気YouTuber・ヒカルの動画にタレント・勝俣州和とカジサックことキングコング・梶原雄太がゲスト出演したときのことだった。梶原と勝俣の今までの絡みの話題になったとき、勝俣は「そうか(俺)あの番組行かなかったもんね。(中略)皆仲悪かったはねトび」と発言。すかさず梶原が「やめてくださいよ」「個々では仲良かったよ」とフォローするも、勝俣は「1人もはねてなかった!」と追い討ち。

『はねトび』にゲストで出演した勝俣は、現場で北陽・虻川美穂子が進行を間違えた際に他のメンバーが一丸となって虻川を責めるのを目の当たりにしたという。そこで勝俣が「いいよ間違っても。何度も撮り直せばいいんだから」と虻川に声をかけると、虻川は「そんなこと言われたの初めてです」と答えたというのだ。その発言に勝俣は「何だこの現場」と、ギスギスした現場の空気に驚いたと語る。

 勝俣の暴露に、ネット上では、

《聞いただけでも胸糞悪くなる。虻ちゃんかわいそう》

《北陽はもっと売れると思ってたけど、これはメンタルやられるわな》

《子どものころ大好きだったはねトびにまさかそんな裏側が……》

《メンバー仲良さそうなイメージだったからショック》

 などと驚きの声が続出した。

「はねトびの現場については、虻川自身も『あのころはどうかしてた』と振り返っています。当時はねトびの収録は土曜の朝7時半から行われていましたが、前日金曜の朝にはメンバーが集まってコントのリハーサルをしていました。リハーサルは土曜の朝7時まで続くこともあり、毎週金・土の2日間はほぼ完徹になるほど過酷だったようです」(芸能ライター)

ドランクドラゴン・鈴木拓が嫌う梶原

 他にもドランクドラゴン・鈴木拓は当時共演した梶原を今でも大嫌いだと公言している。2017年4月放送の『本能Z』(CBCテレビ)では鈴木は、西野亮廣が痛キャラなのは「(テレビ向けの)表向き」だったが、「本当にイタいのは梶原」だとバッサリ。西野とは「まだ(文句が)言える」仲だというが、梶原については「ホントに言えない」レベルなのだという。
 
 また、やはり『はねトび』メンバーだったロバート山本博と梶原の仲も険悪だったらしく、2015年6月放送の『ゴッドタン』(テレビ東京系)で鈴木が語ったところによるとこんなエピソードが。

 山本博が、はねトびメンバー同士の仲を深めるため飲み会を企画した際に、ロバート・馬場裕之とスタッフが喧嘩になってしまったことがあった。すると梶原が「お前がこんな会開かなかったら喧嘩することなかっただろうがよ」と山本に八つ当たり。山本も、「いい加減ナメんじゃねえぞこの野郎」と応戦。睨み合いで一触即発の事態に。ここで鈴木自身も怒りが抑えられなくなり、『てめえ梶原、殺すぞ!』と怒りに任せて“参戦”し、現場の空気は悲惨なものとなったようだ。

 前出の『本能Z』では、鈴木は「僕と(ロバートの)山本博君は本当に(梶原を)殺したいと思ってる」とまで発言。また、鈴木(ブラジリアン柔術)と山本(ボクシング)が格闘技をやっているのは「アイツを殺すため」だとも。

 そんな梶原も、はねトび放送中の2003年には精神的、体力的に追い詰められて失踪事件を起こしている。3日間行方しれずとなり、その後病院に行き「心身症」と診断されて2か月半休養することに。当時のまとまった睡眠時間は1日2時間半ほどしかなかったと言う。

「メンバー間の出番の格差もわだかまりを生み出していた要因の1つでしょう。はねトびでは毎週15本ほどのコントを収録しますが、鈴木の出番は3か月に1回ほどでした。出番が少なくても現場にはいなければならず、キングコングの活躍を間近で見ていた鈴木は相当辛酸をなめてきたと思いますよ」(前出・芸能ライター)

 殺伐とした現場で、10年以上にわたり完徹を続けながら撮影に臨んだはねトびメンバーたち。今後時間が経つほどにしがらみから開放され、「地獄のトびら」伝説のエピソードは追加されていくだろうか。