スポーツ動画配信サービス『DAZN(ダゾーン)』契約者の男性。現在、SNSでDAZNの解約問題が物議を醸している。
「退会希望をクリックすると、まず《退会したい理由》を聞かれます。これはいろいろなサブスクサービスでよくあることなので特に何も感じず、ページ最下部にとても小さく表示された《退会手続き》に進みました。
すると《退会する》という文字と、理由のような項目がいくつか並びます。いずれかを選択しないと退会手続きに進めません。そのような記載はないのですが」(DAZN契約者の男性、以下同)
『DAZN』解約がなかなかできない
“退会する理由をお答えください”(回答必須)くらいの記載はあってしかるべきものだが……。
「さらに進むと、月々の支払いが450円安くなるプランを提案されます。《オファーが表示された方限定》とありますが、私の契約期間はたった1年なので特別ではなく、誰でも表示されると思います」
450円割引を選ばない場合は、《お電話でのお問い合わせ》もしくは《チャットボット》での連絡を求められる。それ以外の選択肢はない。
「電話は面倒なので、チャットを選択するとまずAIの受け答えとなりました。《退会のお手続きに対応できる担当者がいるか確認いたします。少々お待ちください》というメッセージから進展がないまま数分待ち、ようやく担当者へつながりました」
やり取りに時間がかかりながら解約したい旨を伝えると、《お得なプラン》が案内された。毎月の支払いが前出の450円割引を超える約1000円の割引だというが──。
「確かに年間で考えれば現状より安くなるのですが、こちらはあくまで“年間契約”。途中で解約してもその後の月額料金の支払いは発生します。その説明もこちらが聞かないと言ってこないので、そこも不親切だなと感じました」
以上、計20分ほどを経てようやく解約に至った。今回男性はチャットを通じて担当者と話したが、この“担当者”にあたるスタッフを現在、DAZNは絶賛募集中なのだという。
実働8時間、月給は23万5600円以上
「現在、求人サイトに《DAZNの解約抑止業務(チャット・メール・電話)》という名目で募集が出ています。業務内容は名目どおり解約抑止対応業務。
《DAZNを利用しているお客様から解約希望があった際、ご事情等を伺い、より長くサービスを利用いただけるようご案内します》ということです。
《お客様とお話することが好きな方、スポーツ関連のお仕事に携わりたい方などにオススメ》とありますが、スポーツが好きだけどDAZNを解約したい人はわざわざ人と話したくないでしょう」(スポーツ紙記者、以下同)
勤務時間は実働8時間、月給は23万5600円以上とのこと。
「12月4日入社を予定とのことですが、DAZNのなかでも視聴者層が多いJリーグが12月で今季が終了するので、そのタイミングで解約する人を引き止めたいのではないでしょうか」
DAZNは'23年にJリーグと11年間の放映権契約を締結。放映権料として年額で約220億円を支払う。
「'22年、'23年と相次ぐ値上げを実施。サービス開始1年で会員数が100万人に上ったと公式発表していますが、某Jリーグクラブのニュースリリースによると現在の視聴者数は40万人程度とのこと(リリースは現在は削除)。これでは大赤字。
抑止業務はなんとかして解約を抑えたいという施策なのでしょうが、余計に客離れにつながっているのでは。3700円という動画系サブスクでは国内最高額の部類のサービスでありながら、CMが流れるんですからね……」(Jクラブ関係者)
DAZNに解約について不満の声が上がっていること、解約抑止業務について問い合わせたが期日までに回答はなかった。
金の切れ目が縁の……。