今回実食した焼きそば20 撮影/山田智絵

 食のプロである2人に、20種類をソースの味や麺の食感、ソースと麺の相性、具材の満足感といった基準で評価してもらい、食べ終わった後に感想を聞いた。

懐かしさのある昔ながらの味がいい

 そのうちの1人、平仲亜貴子さんは、

「ソース焼きそばの魅力のひとつは、どこか懐かしい気分にさせてくれるところだと思います。どれも具材がシンプルで、奇抜な商品はいい意味でほとんどなかった」

 と、全般的に王道なものが多いことを指摘。実食したもう1人の松岡聖子さんは、

「消費者がソース焼きそばに求める基本的な味を大事にしながら、ソースの濃厚さとスパイス感のバランスや具材感など、以前より本格的な味を追求している感じがありました」と話す。

 固定ファンの多い人気商品3品とソース味以外の変わりダネを除く、“食べたことがない人もいるであろう商品”を順位づけした。

 見事1位に輝いたマルちゃんは昨年リニューアル、ソースを粉末と液体のWソースに変更し、より王道の味つけに。添付のスープのクオリティーが高いことも決め手となった。

「減塩や栄養などを打ち出した企画商品は、おいしいとは思えず魅力を感じなかった」

 という意見の2人。

 ソース焼きそば以外に、U.F.O.シリーズのたらこ味と韓国のポックンミョン、マルちゃんの塩味も実食してもらったが、「残念ながらリピートしたいものはなかったです」という。

 カップ焼きそばを買うなら、やっぱり王道のソース味を超えるものはないというのが2人の一致した意見だった。

実食の様子 撮影/山田智絵

不動の人気の3品は殿堂入り!!

 もはや別格!

日清焼そば U.F.O./日清食品(製造者または販売者、以下同) 254円

日清焼そばU.F.O. 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「インスタントのイメージが一新する本格派。商品コピーの“濃い濃い濃厚ソース!”はほどよく甘く、太めの麺によく絡む。甘みのあるキャベツは大きく具材感もあって、手作り焼きそばに引けを取らないおいしさ」(松岡さん&平仲さん、以下同)

明星 一平ちゃん夜店の焼そば/明星食品 254円

明星一平ちゃん夜店の焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「ソース練り込み麺、コクのある液体ソース、スパイシーなふりかけソース、仕上げのマヨネーズの味がバランスよくまとまっていて濃厚だけど食べやすい。カップ焼きそばとは思えない満足感で、つい食べたくなる見た目も最強」

ペヤング ソースやきそば/まるか食品 208円

ペヤングソースやきそば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「1975年発売のカップ焼きそばの草分け的な存在で、スパイス感もありつつまろやかなソースはさすがのおいしさ。細めの麺が特徴的で、他の細麺より伸びにくい。サクッと食べられるライトなインスタント感がいい」

カップ焼きそば 実食ランキング

【第14位】完全メシ 日清焼そば U.F.O./日清 429円

「“完全メシ”のためか大豆食物繊維入りの麺はぼそっとした食感。仕上げオイルのにおいがキツいのも気になる」

【第13位】まるで手づくりの焼そば モッチッチ/エースコック 214円

「麺はもちもち食感だが、ちぎれやすくて食べ応えがなく、独特な個性でソース焼きそばには合わない印象」

【第12位】復刻版 金ちゃん焼そば/徳島製粉 146円

「1973年発売の金ちゃんヌードルファンは懐かしいかもしれないが、ラードを感じる麺の脂のにおいが強いのが残念」

【第11位】金ちゃん いか焼そば/徳島製粉 243円

「商品名から、いか特有の風味を期待したがいかの身は存在感がなく、魚介ならではのうまみもあまり感じなかった」

【第10位】贅沢一平ちゃん夜店の焼そば/明星 292円

「ソースとマヨの増量で、殿堂入りの一平ちゃんよりかなり濃厚。具材や青のりを増やすほうが“贅沢”感がありそう」

【第9位】日清デカうま Wマヨソース焼そば/日清 174円

「マヨ風味ソースを混ぜた麺にからしマヨをかけるダブル使いだが、メリハリがなく、こだわりがわかりづらい」

【第8位】評判屋 減塩30% ソース焼そば/明星 174円

明星評判屋減塩30%ソース焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「減塩商品のせいか、野菜の甘みが前面に出ていて、焼きそばならではのソース味というよりケチャップ寄りの味。パッケージの“重ねだし”の牛と鰹の風味はあまり感じなかった」

【第7位】ソース焼そば チキンコンソメスープ付き/日清 165円

日清ソース焼そばチキンコンソメスープ付き 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「1位と同じ、湯切りの湯で作るスープ付きだが味が強くて主張があり、あと味に甘みが残る焼きそばとの相性はイマイチ。細めの麺はやわらかく、伸びた麺のような食感が惜しい」

【第6位】マルちゃん 麺之助 ソース焼そば/東洋水産 171円

マルちゃん麺之助ソース焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「りんご酢をきかせた“やみつきソース”がウリだが、酢の中でも個性のあるりんご酢が前面に出ていてバランスがいまひとつ。キャベツだけでもいいので具材感もあるとうれしい」

【第5位】スーパーカップ いか天 ふりかけ付き 焼そば/エースコック 259円

スーパーカップいか天ふりかけ付き焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「サクサクとした食感のいか天が好印象。海鮮の風味もあるので、商品名からの期待感はハズレなし。味は濃いめでスパイス感もある。やや長めのストレートな麺が特徴的」

【第4位】サッポロ一番 オタフク お好みソース味 焼そば/サンヨー食品 254円

サッポロ一番オタフクお好みソース味焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「お好み焼きのオタフクソースとの共同開発品。ソースの再現度が高く、まさにお好み焼き屋さんの焼きそばを思い出す甘みの強い濃厚なソースなので、一般的には味が濃すぎるかもしれないが関西人に受けそう」

サッポロ一番オタフクお好みソース味焼そば 撮影/山田智絵

【第3位】マルちゃん ごつ盛り ソース焼そば キユーピーからしマヨネーズ付
/東洋水産 127円

 がっつり食べたいとき&マヨ好きならコレ一択!

マルちゃんごつ盛りソース焼そばキユーピーからしマヨネーズ付 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「一般的なカップ焼きそばの麺量は90~100gだが、130gの大盛りで食べ応えは抜群。麺量とのバランスのせいかソース味の印象はちょっと弱いものの、キユーピーのからしマヨネーズがガツンとくるのでマヨ好きにおすすめ」

マルちゃんごつ盛りソース焼そばキユーピーからしマヨネーズ付 撮影/山田智絵

【第2位】マルちゃん正麺 濃厚こくソース 焼そば/東洋水産 300円

 スパイシーな個性派で2色の揚げ玉もグッド

マルちゃん正麺濃厚こくソース焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「生麺製法のラーメンが人気のマルちゃん正麺のカップ焼きそば。王道のソース焼きそばと比べると麺はやわらかめでラーメン風。ソース感よりスパイス感が勝っている個性的な味わいで、アオサと紅しょうがの揚げ玉もオリジナリティーを感じる

マルちゃん正麺濃厚こくソース焼そば 撮影/山田智絵

【第1位】マルちゃん 昔ながらのソース焼そば ほっこり気分 中華スープ付
/東洋水産 254円

 濃厚ソース焼きそばとスープのマッチングが最高★

マルちゃん昔ながらのソース焼そばほっこり気分中華スープ付 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「液体ソースのコクのある甘みと、粉末ソースのキレのあるスパイス感がバランスよく、深みのある味わい

 もちもちとしたちぢれ麺は、程よい弾力があってソースとよく絡む。具材感もあって全体的に完成度が高い。麺を戻した湯で作る中華スープは意外だったが期待以上のおいしさでまさに“ほっこり気分”!

 中華料理店のチャーハンなどについてくるスープのように絶妙な引き立て役で、焼きそばとの相性は言うことナシ」

スープは戻し湯を再利用! 撮影/山田智絵

【番外編】ソース味以外も食べてみた!!

日清焼そばU.F.O.ポックンミョン/日清 254円

日清焼そばU.F.O.ポックンミョン 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「スナック菓子的な甘辛味がガツンとくる」

日清焼そばU.F.O. ペロリ バター香るたらこ味焼そば/日清 165円

日清焼そばU.F.O.ペロリバター香るたらこ味焼そば 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「焼きそばではなくパスタを食べている感じ」

マルちゃん 旨み塩焼そば 俺の塩/東洋水産 254円

マルちゃん旨み塩焼そば俺の塩 撮影/山田智絵 ※画像をクリックするとAmazonの商品ページにジャンプします。

「期待した“旨み”が弱く、甘さが気になる」

商品開発のプロが実食!

松岡聖子さん●無印良品を運営する良品計画で商品開発を担当後独立。現在は「OKASHIYAKarhu」のオーナー兼食品や飲食企業のアドバイザー・顧問を務める。 撮影/山田智絵
松岡聖子さん●無印良品を運営する良品計画で商品開発を担当後独立。現在は「OKASHIYA Karhu」のオーナー兼食品や飲食企業のアドバイザー・顧問を務める。
平仲亜貴子さん●料理研究家。世田谷区上野毛のトマト料理専門店「Buono&Felice」のオーナーシェフ。企業の商品開発やメニュー開発、料理講習会の講師などでも活躍。 撮影/山田智絵
平仲亜貴子さん●料理研究家。世田谷区上野毛のトマト料理専門店「Buono & Felice」のオーナーシェフ。企業の商品開発やメニュー開発、料理講習会の講師などでも活躍。

取材・文/草柳麻子
※商品の税込み価格は、メーカー希望小売価格および編集部調べ(2023年10月現在)。