11月17日の夜7時ごろ、軽自動車で東京郊外の駅前に現れたのは木村一八。女性と待ち合わせていたようで、2人は駅前の一般的な居酒屋に入っていく。
「えっ? 車で来たの? 飲めないじゃん?」
「大丈夫、ここでは飲まないから」
奥の座敷で向かい合わせに座り、揚げ物や刺身を注文。木村はノンアルコールビール、女性は日本酒で乾杯した。この日は木村の54歳の誕生日。お祝いのディナーなのだろう。
店を出ると近くのドン・キホーテへ。
「何でも買っていいよ」
と木村が言うと、女性はお菓子やシャンプーを購入。車に乗り込むと山道のドライブを楽しんだ。その後、木村の知り合いが経営する建設会社の寮に仲睦まじい様子で入っていく。そして、翌日の昼まで2人が出てくることはなかった─。
過去には事件も
今では渋みのある演技を見せる俳優だが、木村はデビュー当時、アイドル的人気を誇っていた。
「父親は伝説の漫才師である横山やすしさんで、木村さんも最初は吉本興業に所属しています。一躍有名になったのは'85年のTBS系ドラマ『毎度おさわがせします』でいきなり主演に抜擢されたこと。共演した中山美穂とともに大ブレイクします。ちょっと不良っぽい感じがウケたんですね。そのキャラを生かして'87年には暴走族映画『シャコタン☆ブギ』に主演しました」(テレビ誌ライター)
ドラマや映画で活躍するが、'88年に事件が起きた。
「タクシー運転手に暴行し、傷害容疑で逮捕されました。揉めていた仲間を助けようとしたんですが、被害者は重体。出演中のドラマは降板、吉本から契約を解除されました」(スポーツ紙記者、以下同)
ただ、彼は父から言い聞かされていた“教え”を守っただけだったのかもしれない。
「やすしさんは“人殺しよりウソつくやつのほうが悪い”というのが口グセ。木村さんは“要は誰かを守るためなら殺人もしゃあない、でもウソは自分を守るためだけのもんやから、絶対あかんということ”と解釈していたようですね。友人を守るために暴力を振るったというわけです」
Vシネマでトップスターに
少年院を出た後、'90年にVシネマで芸能界に復帰。'93年には映画『いつかギラギラする日』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞して本格的な活動が期待されたが……。
「'95年にアメリカ人少年への暴行容疑で逮捕。'06年には銃刀法違反で3度目の逮捕となり、不起訴とはなったものの厳しい批判にさらされました。一方でワルのイメージがついたことで、数多くの作品に出演し、今ではVシネマのトップスターの1人です」
俳優業は順調な上に、プライベートでも喜ばしい動きがあるという。
「ついに結婚を決めたんです。かつてはいろいろな女性と浮名を流した彼ですが、意外にも初婚なんですよ。お相手は金融会社に勤める一般女性で、木村さんよりひと回りほど年下のAさん。女優の倉科カナさん似の美人さんです。彼女の父親がVシネマ関連の仕事をしていることがきっかけで、2人は出会ったそうです」(木村の知人)
交際が始まってから、長くはないそうだが、初めから結婚を意識していたらしい。
「来年の1月に結婚することが決まっています。信頼する占い師に“結婚するのにいちばん縁起のいい日”を聞いて決めたんだとか。さらに、来年の5月ごろに仕事関係、プライベートなどとジャンルを分け、数回にわたって結婚パーティーを開くことまで決まっていると聞きました。
今では、お互いの自宅に行ったり来たりしているそうです。Aさんは都内の実家暮らし。お母さまとも木村さんは、良好な関係を築いています」(同・木村の知人)
このAさんが、冒頭のシーンで木村とデートしていた女性である。18日の昼ごろ、2人が泊まっていた建設会社の寮から出てきたところを直撃。
─1月に結婚するそうですね。おめでとうございます!
「なんだ、取材? 誰に聞いたの?」
木村は突然の直撃取材に驚いたようだったが、表情は明るくニコニコしている。
─日取りは占いで決めたそうですね?
「(2人で向き合いニッコリして)だいたい話してるヤツわかるよ(笑)」
質問を続けたが、木村はほとんど答えてくれない。ただ、結婚は否定せず。
18歳で約束していた結婚
木村の結婚について、所属事務所の社長に問い合わせた。
─2人は結婚する?
「1月の後半に結婚する予定なのは、確かです」
社長もうれしさを隠せないのか、声が弾んでいた。
─木村さんは知り合いの建設会社の寮に住んでいる?
「たまに来ていますが、普段は都内にいますよ。田舎が好きだからオフの日には行って、撮影があるときは都内に出てくる、という感じです」
─Aさんはニコニコうれしそうで、感じのいい方でした。
「事務所にも紹介してくれていますし、そうですね」
─5月に3回の結婚パーティーをやるというのは?
「それはまだ決まってないですね。これから、うちの会社でどうするのかを決めます」
─今後の仕事は?
「NHKと民放、現時点では2つの俳優としての仕事が決まっております。彼は今、とっても幸せです。初めての結婚なので」
結婚を機に、仕事にも変化がありそうだ。
「今まではVシネマが中心でしたが、今後は変わっていきます。これからはテレビドラマにも出演すると思います」
家庭を持つことで、仕事への意欲も高まるのだろう。
「もともと木村さんは結婚願望が強かったんですよ。16歳のときに交際を始めた相手と18歳で結婚すると約束し、吉本の社長に報告していました。しかし、結局は実現せず。
石原真理子さん、荻野目慶子さん、アン・ルイスさん、藤あや子さん、飯島直子さんなどと噂になった“モテ男”。なんでも、飯島さんとは本気で結婚を考えていたと後に話しています」(前出・スポーツ紙記者)
木村は「いいときよりも悪いときに結婚して、一緒にレベルアップしていくほうが好き」と語ったことがある。
「結婚観は父のやすしさんに影響されているところがあるのでしょう。木村さんは“自分を犠牲にしてでも、家族を守るという責任感にあふれていた父を一番尊敬している”と語っていました。やすしさんは家庭を顧みないと思われがちでしたが、漫才のイメージを壊さないようにしていただけ、ということなのでしょう」(前出・木村の知人)
ようやく、生涯の伴侶を得ることになった。来年には、新しい木村一八を見ることになるはずだ。