「容疑者はほとんど自宅に帰らず、雨戸は締め切ったままだったので、顔も見たことないんです。この事件で初めて名前も知ったぐらい……」
容疑者が住んでいた愛知県名古屋市北区のアパートの近隣住民たちは異口同音にそう話した。
11月21日、名古屋市中区のマンションのクローゼット内から、男性の変死体が見つかった。男性は部屋の住人で、ブランド品買取専門店『おたからや名古屋栄店』店長Aさん(42)だった。
手首はロープに縛られ、顔にはビニール袋が…
「被害者の姉が弟と連絡が取れず不審に思って、県外の警察へ安否確認を依頼。愛知県警中署の署員が自宅を訪れて、被害者の遺体を発見しました。部屋のドアは施錠されていて、クローゼットのある部屋のドアも外部からテープで目張りされていた。遺体は裸のまま毛布に包まれていて、手首は前でロープに縛られ、顔にはビニール袋が被せられていた。司法解剖では死後1か月半から2か月が経過しており、腐敗が進んでいたため、死因は特定できなかった」(捜査関係者)
同県警中署は24日、名古屋市北区に住む無職の内田明日香容疑者(29)を、Aさんの死体遺棄の疑いで逮捕した。捜査に支障をきたすとして、容疑者の認否は明らかにされていないが、
「彼女は2014年ごろから従業員として『おたからや』で働いていたようです。しかし、店のバッグなど総額2000万円相当の品物を盗んだことが判明して、店に月々数万円を返済していたと聞いています。Aさんと過去に交際していたという報道もありました」(全国紙社会部記者)
容疑者は先述した施錠、目張りのほかにも偽装工作をしていたようで、
「同店に『病気で長期入院するため、しばらく休業します』という張り紙をしたり、被害者のスマホから親族にメールを送っていた」(同・社会部記者)
被害者のAさんは、およそ12年前に、買取専門店の事業をスタートさせた。店から徒歩20分のところにある1LDKの自宅マンション周辺で聞き込みをするも、被害男性の人となりを知る手がかりはなかった。
そこで同店が入っている商業ビルで取材を進めると、
「とても穏やかで静かな人柄でしたよ。きちんと挨拶してくれるし。水商売系の方だけではなく、一般のお客さんも多くて、結構、繁盛していましたね。ただ、こういった質屋さんで働く人はスーツ姿が多いのですが、Aさんはいつもセーターなどのラフな格好をしていましたね」(同ビル内の店舗経営者)
一方、内田容疑者についてはまったく知らないという。
「あの店で女性従業員を見たことがない。奥さんらしき人も来たことがないので、独身だったのではないか」(同・店舗経営者)
内田容疑者は、店から8・5キロメートルほど離れた築5年、2階建て、2LDKのアパートの一室に住んでいて、家賃月8万円弱だった。
最近、若い男と交際していたという話も
当初は家族と一緒に住んでいたという話も。
「3年前に夫、子どもとともに引っ越してきたけど、すぐに離婚したとか。容疑者はずっとキャバクラなどで働いていたようで、最近、若い男と交際していたという話もあります」(前出・社会部記者)
Aさんが死に至った経緯を知るべく『おたからや』の運営会社に問い合わせるも、
「取材は受けることができない」
ときっぱり拒否。
事件の真相は警察の捜査の進展を待つほかにない。Aさんは殺害されたのか、事故死したのか……いずれにしても被害者の最期を弔う方法としては、最悪だったと言えるだろう。