2011年の紅白で親子共演を果たし、仲むつまじい姿を披露していた

 愛娘の名前が刻まれた、立派な位牌。それを胸元に抱き、しんしんと降る雪を車窓から見上げていたのは、松田聖子。あの日から、もうすぐ2年がたつ。

 2021年12月18日、舞台出演のため札幌入りしていた神田沙也加さんがホテルから転落し、亡くなった。母である聖子は、予定していたディナーショーを中止し、札幌へ。その3日後、娘の骨壺を持った元夫・神田正輝と並び、2人で取材に応じた。

「本当にみなさんお寒い中、申し訳ございませんでした。ありがとうございます」

 そう語り、神田とともに深々とお辞儀をした聖子は、気丈に振る舞うだけでなく、集まった報道陣への気遣いも見せたのだった。

 一時は活動を休止した聖子だが、2022年4月には復帰。

神田正輝は激ヤセ

 時はたち、沙也加さんの死によって、さまざまなことが変化している。

神田正輝さんは、日を追うごとに、その風貌が変化していて……。髪は真っ白になり、ガリガリに。レギュラー出演しているテレビ朝日系の生放送番組『朝だ!生です旅サラダ』で見せる、その激ヤセ姿に心配の声があがっています。神田さんは“ファスティング(断食)ダイエットをしている”と話しているようですが、健康そうには見えない。沙也加さんという一人娘を失った心労が影響しているのでは、ともいわれています」(スポーツ紙記者)

 直近では『旅サラダ』を3週連続して欠席。神田が検査入院しているとの報道も。

 また、沙也加さんの個人事務所は、今年2月に閉鎖された。事務所の代表だった聖子の実兄が話す。

沙也加のための事務所でしたからね……もう必要がなくなったので閉じました。今も、沙也加がいなくなり寂しい気持ちです。三回忌の法要は、終わったんじゃないかな。そこは沙也加の両親に任せています。もちろん呼ばれれば参列しますよ」

 2022年2月に立ち上げられた特設サイトには、今も沙也加さんに向けたファンからのメッセージが届くという。

“沙也加のぶんまで”

 沙也加さんのいない世界は、少しずつ変化していくが、母・聖子にも異変が。

昨年も今年も、NHK側は紅白出場のオファーをしていますが、聖子さんが首を縦に振らないんです」(レコード会社関係者、以下同)

 通算24回にわたって紅白に出場している聖子だが、2021年は沙也加さんが亡くなり、急きょ出場を辞退した。

「今年は旧ジャニーズの出場がゼロですから、NHKも聖子さんを紅白の目玉のひとつにしたいと考えていた。中森明菜さんにもオファーしていたようで、もし実現すれば2人の歌姫が共演することになり、話題性は抜群です。しかし、聖子さんは“あること”があってから、NHKのオファーに後ろ向きになってしまって……

 その“あること”とは?

「実は、2022年の紅白には聖子さんは出演する予定でいたんです。しかし、工藤静香さんとその長女のCocomiさんが親子共演することを知って、自分が出ることで水を差すのではないかと懸念して、オファーを受けなかったそうです。過去に沙也加さんと紅白で共演した“思い出”も脳裏に甦ったのでは……」

2022年の紅白で親子共演したCocomi(右)と工藤静香(CocomiのSNSより)

 聖子は、沙也加さんとこれまでに2度、紅白で親子共演をしている。2011年は坂本九さんの『上を向いて歩こう』を2人で熱唱。2014年には、大ヒット映画『アナと雪の女王』の劇中歌『生まれてはじめて』をニューヨークからの中継で沙也加さんが歌った。沙也加さんは同映画の主演声優を務め、舞台でも活躍。モニターを通して、愛娘の姿を見つめていた聖子が、そっと目頭を拭う場面も。

「紅白は、歌手として世間に認められる存在になった証しともいえる国民的番組。沙也加さんの成長を見て、聖子さんも本当にうれしく感じていたのだと思います」

 ただ、沙也加さんの逝去後、わずか4か月で聖子が活動を再開したのには、こんな理由があった。

ファンクラブの会報には“沙也加のぶんまで歌っていきたい”と、復帰への思いが綴られていました。昨年11月、聖子ちゃんが監督を務めた映画の上映イベントでは“娘が恋しくて、沙也加のところに行きたくてたまらない……”と話し、最終的に“沙也加に会いたいんです”と号泣して、その場に座り込んでしまいました」(往年の女性ファン、以下同)

 その心の傷は、生涯癒されることはないだろう。だからこそ、娘が存在したことを示すために、歌い続ける。

「昨年12月には、聖子ちゃんの全国ツアー音源を収録したアルバムが発売された同じ日に、沙也加さんのベストアルバムが発売されました。これは“沙也加のことを忘れないで”という聖子ちゃんからのメッセージのような気がしています。来年2月には、ジャズのアルバムがリリースされます。歌い続けることが、聖子ちゃんにとっての沙也加さんへの供養なんでしょうね」

今年の紅白も出ないワケ

 今年も紅白の出場者には聖子の名前はないが、前出のレコード会社関係者はこんなことを言う。

「今年はウォルト・ディズニー・カンパニーが100周年を迎えたこともあり、紅白で特別企画が組まれる可能性がある。そこで沙也加さんを追悼する企画に聖子さんが参加する……ということも考えられなくはありません。しかし、今年は朝ドラヒロインの趣里さんと、その母親の伊藤蘭さんが歌手として出場することが濃厚なので、その親子共演が見られるはず。そうなると聖子さんとしては、そこに自分が出ることをよしとはしないはず。娘との幸せな思い出を、悲しい記憶に塗り替えるのはつらすぎるでしょう」

2023年の紅白で期待がかかる趣里と伊藤蘭の親子共演

 今後、聖子が紅白へ出場する可能性はあるのか。所属事務所に問い合わせたが、期日までに回答はなかった。

 沙也加さん不在の悲しみは広がり続ける。その一方、こんな話も。

「沙也加さんの死は、婚約者だった前山剛久さんとのトラブルが原因だとする一部報道もありました。しかし、昨年12月には、前山さんの友人らによる、ふたりのトラブルを否定するかのような発言が報道されたのです。記事では、前山さんが沙也加さんのマネージャーに《お墓参りをしたい》と連絡をするも、返事はなかったと書かれています」(前出・スポーツ紙記者)

 だが、前出の聖子の実兄はこう明かす。

「沙也加が亡くなってから、前山さんからの連絡はいっさいありません。沙也加のマネージャーにも、連絡は来ていないと聞いています」

 こうした雑音をはねのけて、聖子は母として、トップアイドルとして、これからも愛娘のために歌い続ける─。