「実はファンなのですが、彼女の偏食っぷりはちょっと心配ですね」
歌手としてNHK紅白歌合戦への出場が決まったあのちゃんだが、管理栄養士の麻生れいみさんはその“クセつよ”な食生活を気にかける。
6月に放送された『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の名物企画「ゴチになります!」で自作の“偏食図鑑”を披露。白米、肉、野菜、魚などほとんどのものを食べられないと説明した。基本的にはお菓子やアイスが主食で、1か月ドーナツを食べ続けたこともあるそう。
「お菓子が主食のような糖質過多の生活を続けると、インスリンが分泌されて血糖値が急降下したときに、めまいがしたり、倦怠感や、気分が抑うつ状態になるなど身体と心に影響を受けます。そこで甘いものを摂取すると血糖値が急上昇し、一時的に元気になるんです」(麻生さん、以下同)
糖質依存で老化に
繰り返しているうちに、糖質依存に陥ってしまうことがあり、あのちゃんもその状態の可能性はあるかもしれない。さらに、糖質のとりすぎは美容の観点からも心配。
「とりすぎた糖質はタンパク質や脂肪と結びつく糖化という現象を起こし、細胞の老化が進んでしまうんです。肌のくすみやたるみ、代謝の低下のリスクも。さらにあのちゃんは過去に転倒して骨折もしているそうなのですが、偏食でカルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどが足らないと、骨粗鬆症のリスクも上がります。さらに、若い女性に多いのが鉄分不足。生理での出血があるので、通常の食事をしていたとしても貧血になりがちです。せめてサプリなどで補えたら……」
糖質依存に陥るのは女性だけではない。SixTONESの松村北斗(28)も出演映画の記者会見で驚くような発言をしている。
「白いご飯にちょっとの塩と大量に七味をかけるのが一番好きな食べ物。あまりにも辛いと血糖値が下がってちょっとぼーっとするんですよ。そこに胸が焼けるほど甘いチョコレートを食べると血糖値が上がってきて、安定するんです。その瞬間の高揚感、解放感がたまらないんですよね」
血糖値の乱高下は糖質によるものなので、七味というよりは白米が関係しているのではと麻生さん。
「すでに血糖調整障害を起こしているかもしれないですね。血糖値の急激な乱高下は血管の内皮を傷つけ、将来的に動脈硬化や認知症などの生活習慣病のリスクがある。そのような刺激を求めるのはストレスを抱えている可能性もあるので、別の方法で発散できるといいのですが……」
糖質制限の弊害
糖質過多がよくないとはいえ、無理な糖質制限をするのも避けたいという。
「糖質依存を自力で治そうと急激に糖質カットを行うと、頭痛やふらつきを感じる方もいます。バランスの取れた食事を心がけて、ストレスを感じたら運動など身体を動かすことを意識しましょう」
一方で、ミュージシャンのGACKTは厳しい糖質制限を行っているとか。26歳のソロデビュー時に「成功するには自分の一番好きなものを置いていこう」と心に決め、20年以上にわたり白米を一切食べていないという。
「たとえ糖質をとらなくても血糖値を一定に保つことは必要なので、筋肉をアミノ酸に分解しエネルギーにかえる“糖新生”というものが行われていて、理論上は糖質をとらなくても大丈夫なんです。ただしそれにより筋肉量や基礎代謝が落ちるので、GACKTさんのように鍛えている方は身体の土台づくりのためにも糖質が必要です。お米を食べなくとも調味料やお酒などにも糖質は含まれているので、まったく糖質をとっていないということではないかもしれません」
また、ダイエットなどで糖質制限をする人も、食事でしかとれない必須脂肪酸や身体の調子を整える緑黄色野菜など、健康な身体をつくるうえで重要な働きがあるものは摂取するよう意識したい。
糖質だけでなく、塩分過多も心配されるのが女優・永野芽郁(24)。来年1月期はフジテレビ月9ドラマ『君が心をくれたから』で主演を務める彼女だが、私生活ではかなりの塩ラーメン好きなのだとか。特に袋麺が好きで、お酒を飲んだ後は必ず、多いときは毎日食べるそうで、移動車にケトルを持ち込んで作ることもあるという。
「袋麺やカップ麺は塩分が多いので注意が必要。成人女性の1日の塩分相当量の目標量は6・5g未満なので、1食でそれを超えてしまうかもしれない。栄養バランスも偏るので、せめて野菜を添えてほしいですね」
塩分過多は若い世代にとっても動脈硬化や高血圧、心臓への負担が将来的に懸念されるのでやはり控えたい。
来春のNHK朝ドラ『虎に翼』のヒロイン、伊藤沙莉(29)も変わった食へのこだわりがある。何にでもタバスコをかけることが有名で、「物心ついたときから韓国料理が多く、辛いものを与えられていたんです」と語る激辛好き。
「食卓でなじみのある味が偏食につながることもあります。刺激物は喉の粘膜や胃を傷めるので、風邪などが流行している時期は避けたほうがいいかもしれませんね」
肉好きを公言する有名人は多く、フィギュアスケート選手の宇野昌磨(25)や元体操競技選手の内村航平(34)などアスリートも偏食を明かしている。中でも朝昼晩と肉を食べ続けるという俳優の大沢たかお(55)の食生活は驚く。「増量する時期は朝食から300gほど食べる」と公言しており、1週間に5~6kgの肉を卸業者から直接購入しているという。
「成人男性は1日体重1kgに対し、1gのタンパク質が必要で、大沢さんは体重80kgとすると80g必要。肉に換算すると約400g。つまり肉だけで1週間分のタンパク質を摂取するには、約3kgとなります。しかも大沢さんは本格的に鍛えていらっしゃるので、5kgというのは理に適っているかも」
“ドクターズサプリメント”
肉食を続けること自体に問題はなく、良質なタンパク質をとることは睡眠効果を上げたり、メンタルを保つ効果も。
「ただし食べすぎると飽和脂肪酸やコレステロール過多になる。また身体でつくれないオメガ3脂肪酸は、青魚やアマニ油、えごま油など食事から摂取する必要がありますね。大沢さんは大の野菜嫌いだそうですが、サラダにアマニ油などをかけると理想的です。朝お肉を食べたら、昼は卵や大豆製品、そして夜に青魚などを食べるといった食べ方をすると栄養の吸収が効率的になりおすすめ」
芸人・メイプル超合金のカズレーザー(39)は小さいころから野菜や辛いもの、酸っぱいものなど嫌いな食べ物が数多くあり、「そば、冷やし中華、てりやきマックバーガー、オムライスしか食べませんね」とほぼ4品をローテーションで食べているそう。足りない栄養素はサプリメントで摂取。「誰が作っているかわからないものより、サプリのほうが安心」と話し、月10万円ほどサプリメントにかけている。
「この食事だと炭水化物が多すぎますね。タンパク質も不足しているでしょうね。タンパク質には髪の毛や皮膚のもとになる必須アミノ酸が含まれていますが、これは食事からしかとれないので」
サプリメントで補うのは大丈夫?
「医師が推奨する“ドクターズサプリメント”は、不要な添加物もなく、身体への負担も少ないので、過度な心配はいらないと思います。でも基本は食事です。若いうちはなんとかなってもガタがきてからでは遅いですから」