『miumiu』の2023年秋冬コレクション(公式ホームページより)

 12月1日に発表された、2023年の『ユーキャン新語・流行語大賞』。年間大賞には、今シーズンの日本一を達成した阪神タイガース・岡田彰布監督が優勝を表現したことで話題となった「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。

 選考委員特別賞を受賞した、お笑い芸人・とにかく明るい安村がイギリスのオーディション番組で披露したフレーズ「I'm wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)」を始め、今年を象徴する言葉がノミネートされるなか、「Y2K」もトップ30語に選ばれた。

2000年前後に流行したファッションのことで“Year 2000”の略です。今年はこのY2Kが若者を中心に再流行しました。おなかの見える丈の短いトップスやミニスカートといったアイテムを組み合わせ、ヘルシーな肌見せをすることが特徴です。今年は例年以上に暑い夏だったこともあってか、多くの女性が肌見せを取り入れていた印象です」(ファッション誌編集者)

“下着ユニバ騒動”

 流行語にノミネートするほどのトレンドということだが、“肌見せ”は一歩間違えると炎上に繋がることも。

昨年10月に、大阪にある『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)』内で、5人組の女の子たちが下着も同然の姿になって、園内で写真撮影していた件がネットで話題になりました。そのころUSJでは、ハロウィンのイベントが開催中で、彼女たちは“仮装のつもり”だったとか。これが“下着ユニバ騒動”として炎上しました」(ワイドショースタッフ)

 これに対してUSJ側は、《公序良俗に反する服装やパークにふさわしくない過度な露出はお断り、退場いただく場合があります》と声明を出していた。

 ファッション的な“肌見せ”として受け入れられることもあれば、“露出”として拒絶されることも。難しいバランスではあるが、海外ではY2Kや下着ユニバ騒動をはるかに凌駕するファッションがトレンドとなっているそう。

“忙しすぎて履くの忘れた?”

“ノーパンツ”ですね。パンツといっても下着のことではなく、ボトムスやスカートを履かずに、下着を見せるスタイルです。今年は海外セレブやモデルの中で流行し、ファッションショーなどの公の場だけでなく、プライベートでも取り入れていますよ。11月下旬に来日したモデルのデュア・リパも、ノーパンツで東京の街を楽しんでいました」(前出・ファッション誌編集者、以下同)

 下着ユニバ騒動では“下着同然”のコスプレだったが、これは“下着そのもの”で街に繰り出すということ。なぜそんなスタイルがトレンドに……?

8000万人以上のインスタグラムのフォロワーを抱えるデュア・リパ(本人インスタグラムより)

「火付け役となったのは、インスタグラムのフォロワー数が2.9億人のモデル、ケンダル・ジェンナーでしょう。昨年末に、黒のショーツにタイツというスタイルを披露してSNSでバズりました。そこからハイブランド『miumiu』がノーパンツスタイルのコレクションを発表してブームが加速。

 当初は“忙しすぎてパンツ履くの忘れたの?”という批判の声もありましたが、徐々に受け入れられているのではないでしょうか。日本で流行るかはちょっとわかりませんが……」

 もしかして、とにかく明るい安村の「I'm wearing pants!」が海外でウケたのは、“ノーパンツ”の影響なのかも?