元KAT-TUNの赤西仁(39)が地上波バラエティー番組に約10年ぶりに出演──。これは“旧ジャニ”と“辞めジャニ”のパワーバランスが、本格的に変革期に突入したことを意味しているのではないだろうか。
12月17日放送予定のダウンタウン・松本人志(60)と元SMAP・中居正広(51)によるトークバラエティー番組『まつもtoなかい』(フジテレビ系)に、赤西と山田孝之(40)が出演することが発表され、世間をザワつかせた。
赤西仁の地上波復帰にファン喜び、見えてきた旧ジャニの現実
旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)から赤西は2014年2月に退所、中居は2020年3月に退所しており、“辞めジャニ”同士の共演というわけだ。
赤西の地上波復帰を報じたネットニュースのコメント欄には、
《赤西さんもこれを機会にどんどんと地上波に出れるようになればいいですね》
《人気ある辞めジャニがバンバンテレビも出て、現役SMILE-UP.とも共演して、なんなら番組企画でユニット組んだりトークでも昔話なんかでワイワイ出来る時代になればいいな》
《とても楽しみです。 事務所の圧力がなくなっていって どんどん楽しい番組が増えればうれしい》
というように赤西の出演に期待する声があがっている一方で、
《ジャニの神通力が消えた証左だよね》
《香取慎吾の最近の露出もだけど、赤西さんもか 圧力があったって事ですね。テレビ局も共犯ですな。10年間って異常だよね》
《10年テレビに出なかった(出れなかった)のに、あの事務所がああいうことになったらすぐにまたテレビに出れるようになるんだな。なんだかなぁ笑 こんなのあの事務所に忖度して出さなかったんですよって公に言ってるようなもんだよね。テレビって腐ってるわ》
など、過去のジャニーズの圧力やテレビ局の忖度を批判する声も少なくなかった。
“辞めジャニ”勢の地上波出演の高すぎるハードル
これまで“辞めジャニ”勢のタレントが地上波テレビに出演するには、とてつもなく高いハードルがあった。
元SMAPの4人や元NEWSの山下智久(38)あたりは、地上波で主演ドラマが放送されたりバラエティー番組や情報番組に出演したりしているが、彼らは稀有なタイプで、多くの“辞めジャニ”は、ほぼ地上波テレビから姿を消したままになっている。
また、中居は退所後もそのまま冠番組やレギュラー番組の出演を継続していたが、ほかの元SMAPである稲垣吾郎(50)、草なぎ剛(49)、香取慎吾(46)や山下は、地上波テレビに本格復帰するまで短くない年月を費やしていた。
それでも元SMAPや山下のように一時代を築いていた超人気者たちは、なんとか地上波復帰できたわけだ。……が、前述の赤西、元関ジャニ∞で元NEWSでもある錦戸亮(39)、元NEWSの手越祐也(36)など、ジャニーズ時代には一定以上の人気を誇っていても、突き抜けた人気者でなければ地上波からお呼びがかからなくなるというのが、これまでの現実だったのである。
赤西の例がまさに顕著。赤西の場合は仮に地上波テレビからオファーがあっても、彼自身が断っていたという可能性ももちろんあるが、KAT-TUN時代にエース級のポジションだった彼が、退所後は地上波から遠ざかっていたというのは紛れもない事実だ。
“旧ジャニ”の顔色を伺わずにオファーできる環境
しかし、故・ジャニー喜多川氏の性加害事件に端を発したジャニーズ帝国崩壊危機により、大きく潮目が変わってきている。
今回の赤西の『まつもtoなかい』出演は、当然フジテレビがオファーしたから実現したわけだが、これはテレビ局の“旧ジャニ”への忖度がかなり薄まってきているから実現したということは、想像にかたくない。
これまでは“MCとしての中居正広”や“俳優としての草なぎ剛”など、個の圧倒的な才能が評価され需要が高ければ、地上波出演のハードルを乗り越えられるという状況だったと思うが、今はそのハードルがかなり低くなっているに違いない。
実際、錦戸が来年4月期のフジテレビ系の連続ドラマに、主要キャストとして出演するという報道も出ている。番組の制作側がこの人に出てほしいと思えば、“旧ジャニ”の顔色を伺わずに、すんなりオファーできる環境になってきているということだ。
もし本当にそうだとしたらテレビ局の節操のなさに辟易(へきえき)としてしまうが、“辞めジャニ”のファンからすれば喜ばしい状況になってきていると言える。
来年は“辞めジャニ”勢の地上波復帰ラッシュか?
余談だが、フジテレビは現在『フジドラWINTER』というキャンペーンを実施中だ。見逃し無料配信動画サービス『TVer』などで新旧50作以上のドラマを無料配信するというものだが、こちらでも“辞めジャニ”勢の作品が目立っている。
“旧ジャニ”勢からは元SMAPの木村拓哉、KAT-TUNの亀梨和也、Hey! Say! JUMPの山田涼介の主演作がある一方、“辞めジャニ”勢の山下、錦戸、元TOKIOの長瀬智也らの主演作も数多くラインナップ。
特に山下は『プロポーズ大作戦』(2007年)、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』1st season(2008年)、2nd season(2010年)、『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(2015年)と、彼だけで4作品もあり、押されていることが分かる。
いずれにしても、これまでは“旧ジャニ”が圧倒的に力を持ち、“辞めジャニ”が地上波テレビに出にくかったというパワーバランスが、変わり始めているのは間違いない。
“辞めジャニ”勢のなかには、今年退所したばかりである元King&Princeの平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太の3人組ユニット『Number_i』など、多くのファンを抱え需要のあるタレントは数多くいる。
2024年は、“辞めジャニ”勢の地上波テレビ復帰ラッシュが見られるかもしれない。