元テレビ東京アナウンサーの森香澄

 NHKの武田真一や朝日放送のヒロド歩美など、今年もフリーへの転身が相次いだテレビ局のアナウンサー。中でも、今年3月にテレビ東京を退社した森香澄が、12月6日発売の雑誌『anan』で“手ブラ”で大胆バストを披露した表紙&グラビアを発表。

 これにSNS上では《セクシーすぎる!》という意見がある一方で、《局アナを辞めて結局やりたかったのってこういうことなの》と疑問の声も上がった。かつては憧れの職業といわれた局アナだが、昨今は森のようにその知名度を利用してタレントや俳優に転身するケースも多い。

田中みな実は「突き抜けた」

「以前は局アナからフリーアナウンサーとなるのが王道でした。でも、時代とともにその価値観が変化してきているのではないでしょうか」

 こう話してくれたのは、芸能リポーターの川内天子さん。その要因のひとつは、TBSからフリーになった田中みな実の成功にあると話す。

「昔、ある女性アナウンサーがテレビ局を辞めて芸能事務所に入ったときに、『女優をやりたいです』と言ったら『何を言っているんだ!』と怒られたそうです(笑)。元局アナだからといって芸能界で活躍できるとは限りません。

 田中さんはアンチが多かったのですが自分の価値観をよく知っている方。テレビ朝日のドラマ『M 愛すべき人がいて』で大胆な演技を見せたり、“あざとい”と言われてもそれを利用して思いっきり突き抜けた。それくらい振り切らないと芸能界では埋もれてしまう。刺激を受けた局アナも増えてきていると思います」(川内さん、以下同)

女子アナ「30歳定年説」

 元テレビ朝日の富川悠太アナはトヨタ自動車へ。元日本テレビの桝太一アナは同志社大学の研究員になるなど、局アナから芸能界以外の道に進むケースも近年増えている。

「かつては元局アナというだけでちやほやされていましたが、2000年代の半ばからフリーになるのが当たり前になり飽和状態に。エースアナだったからといって芸能界で生き残るのは難しいんです。

 そんな中で、アナウンサーとしても実績を積み、このキャリアをさらに生かそうと考えたとき、富川さんのように大手企業の広報業務を担当したり、桝さんのように研究員になったりと、今の時代は選択肢の幅が広がっている。企業としても話題になるし、メリットも大きい。いい待遇で受け入れてもらっているんじゃないでしょうか」

田中みな実

 一方で、現役局アナを見てみると、日本テレビ『ZIP!』の水卜麻美や、フジテレビ『めざましテレビ』の井上清華が体調不良で司会を長期間休んだりと、受難が相次ぐ事例も。フリーになるアナウンサーは今後も増えていくのか?

「朝の情報番組は入り時間も早いし大変。通常業務のほかに特番もあったりして、人気アナは本当にハードなんです。特に女性アナウンサーは昔から“30歳定年説”といって、そのくらいの年齢を境に番組になかなか呼ばれなくなるケースが多い。

 局アナが踏み台と言ったらおかしいですけど、知名度を利用して芸能界や異業種に転身する人は、今後も増えていくと思います」