ファミレス『ジョナサン』の新作デザートが注目されている。その新作とは、チーズケーキの上にプリンをのせた欲張りデザートで、その名も『プリンノセターノ』だ。
ド直球な商品名に、店を訪れたX(旧Twitter)ユーザーが《ジョナサン名前考えるの諦めたっぽい》とつぶやき、2万超リポストされる異例の事態となった。
プリンノセターノはバスクチーズケーキの上にカスタードプリンがのり、てっぺんにはマスカルポーネチーズがトッピングされた3層構造。だが大きなプリンがバスチーからはみ出し、今にも落ちそうでハラハラする。X上では、実食した層から、《運んでくるうちにプリンスベリオチターノ》《半分食べたあたりでプリンクズレターノ》などと実況する投稿もあり、食べる前から大盛り上がりの大喜利状態。
「小林製薬みがある」
「反響が大きく驚いています。注文時にSNSに投稿してくださる方も多いです。今後も遊び心のあるキャッチーなネーミングを考えます!」
と、ジョナサン開発チームも喜びを隠せない。
その一方で《ネーミングセンスが小林製薬なんよ》《小林製薬みがある》などという声も目立つ。
「ネット上では、こういった直球系ネーミングについて数年前から“小林製薬みがある”といった表現を用いています」
と、教えてくれたのは大東文化大学文学部教授で日本語に関する著書を数多く上梓する山口謠司先生だ。
日本人はダジャレが大好き
小林製薬といえば『のどぬ~る』をはじめ、『ボーコレン』『キズアワワ』『ガスピタン』などの直球系ネーミングの覇王。
「日本人は古来、ダジャレ的ネーミングが大好き! パンダが初めて日本にやって来た1970年代には『これはパンダ』なんていうパンダ形パンがスーパーなどで売られていましたね」(山口先生、以下同)
小林製薬のネーミングには日本の心が宿っている!?
「ちなみに僕の好きな小林製薬の商品名は『熱さまシート』。これ最高! あと『ナイシトール』も語感がよくていいよね」
内脂肪を取るからナイシトール。プリンをのせたから、プリンノセターノ。これはもう発想が兄弟というか親子というか絆があるのは間違いない。直球でありつつ、そこはかとなく異国感(?)の漂う音引き(とーる、たーの)の処理も、共通のセンスを感じる。
実はこの“なんちゃってイタリア語”的なネーミングセンス、いろいろなジャンルの商品名で目にすることができる。
グミの『カンデミーナ』(ハードな食感がウリ)、『ソーセージマルメターノ』(スーパーの惣菜コーナーが放ったスマッシュヒット)、パンの『モッチーノ』(もちもち食感だから)……。
また、主婦向けの便利グッズにもこの手の直球ネーミングが多いとの情報を得て、某通販チラシを見てみると、冷蔵庫の回転台『マワリーナ』、さび落とし洗剤『サビトリーナ』、ウロコ取り器『鱗トル』、レトルト食品を切って絞り出せる『しぼりたカッター』、間仕切り『仕切れるン棚』。みんな大好きなのがよくわかりました。
プリンノセターノ、食べタイ~ノ!
取材・文/ガンガーラ田津美